源氏物語イラスト訳【若紫30-1】げに
「…げに、かの国のうちに、さも、人の籠もりゐぬべき所々はありながら、深き里は、人離れ心すごく、若き妻子の思ひわびぬべきにより、かつは心をやれる住まひになむはべる。…」
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【源氏物語イラスト訳】
「…げに、かの国のうちに、さも、人の籠もりゐぬべき所々はありながら、
訳)「…なるほど、あの国の中で、そのようにも、人が きっと閉じこもっていることができそうな所などはあるけれども、
深き里は、人離れ心すごく、若き妻子の思ひわびぬべきにより、
訳)奥深い山里は、人気もなくもの寂しく、若い妻子が心細く思ってしまうにちがいないことによって、
かつは心をやれる住まひになむはべる。
訳)一方では気晴らしをすることのできる住まいで ございます。
【古文】
「…げに、かの国のうちに、さも、人の籠もりゐぬべき所々はありながら、深き里は、人離れ心すごく、若き妻子の思ひわびぬべきにより、かつは心をやれる住まひになむはべる。…」
【訳】
「…なるほど、あの国の中で、そのようにも、人が きっと閉じこもっていることができそうな所などはあるけれども、奥深い山里は、人気もなくもの寂しく、若い妻子が心細く思ってしまうにちがいないことによって、一方では気晴らしをすることのできる住まいで ございます。…」
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■【げに】
■【かの国】
■【の】
■【うち】
■【に】
■【さも】
■【人】
■【の】
■【籠もりゐ】
※【籠もりゐる】
■【ぬ】
■【べき】
■【所々】
■【は】
■【あり】
■【ながら】
■【深き】
■【里(さと)】
■【は】
■【人離れ】
※【人離(ひとはな)る】
■【心すごく】
※【心すごし】
■【若き】
■【妻子】
■【の】
■【思ひわび】
※【思ひわぶ】
■【ぬ】
■【べき】
■【に】
■【より】
■【かつ】
■【は】
■【心をやれ】
※【心をやる】
■【る】
■【住まひ】
■【に】
■【なむ】
■【はべる】
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明石の入道は、山ごもりもせず
海辺に家を構えているけれど
それはそれで、家族の女子たちには
満足のいく住まいだったんでしょう。
とにかく、明石の入道の住まいの
趣深い様子を、この人は言いたいようです。
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