源氏物語イラスト訳【夕顔396-1】忍びて
忍びて調ぜさせたまへりける装束の袴を取り寄せさせたまひて、
「泣く泣くも今日は我が結ふ下紐を
いづれの世にかとけて見るべき」
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【源氏物語イラスト訳】
忍びて調ぜさせたまへりける装束の
訳)人目を忍んでこしらえさせなさっていた装束の
袴を取り寄せさせたまひて、
訳)袴を取り寄せさせなさって、
「泣く泣くも今日は我が結ふ下紐を
訳)「泣きながらも今日は私が結ぶ袴の下紐を
いづれの世にかとけて見るべき」
訳) いつの世に解いて、また逢うことができるだろう か」
【古文】
忍びて調ぜさせたまへりける装束の袴を取り寄せさせたまひて、
「泣く泣くも今日は我が結ふ下紐を
いづれの世にかとけて見るべき」
【訳】
人目を忍んでこしらえさせなさっていた装束の袴を取り寄せさせなさって、
「泣きながらも今日は私が結ぶ袴の下紐を
いつの世に解いて、また逢うことができるだろう か」
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■【忍び】
※【忍(しの)ぶ】
■【て】
■【調ぜ】
※【調(てう)ず】
■【させ】
■【たまへ】
■【り】
■【ける】
■【装束(さうぞく)】
■【の】
■【袴(はかま)】
■【を】
■【取り寄せ】
■【させ】
■【たまへ】
※【たまふ】
■【て】
■【泣く泣く】
■【も】
■【今日(けふ)】
■【は】
■【我(わ)】
■【が】
■【結(ゆ)ふ】
■【下紐(したひも)】
■【を】
■【いづれ】
■【の】
■【世(よ)】
■【に】
■【か】
■【と(解)け】
※【解く】
■【て】
■【見る】
■【べき】
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☆本日の『源氏物語』☆
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こっそりと作っていた袴とは
夕顔のこの法要のために
新調していた袴のようですね。
それを布施として寄進する時に
袴の紐を結んだということでしょう。
今回のイラスト解釈はこちら
![](https://www14.a8.net/0.gif?a8mat=2NT6DY+20N0FU+3LKQ+60OXD)