【夕顔324-2】基本の解釈問題☆偏差値55相当☆
福岡大の不正入試が先週問題となってきましたが、
ポートフォリオが導入される二年後は、どうなるのでしょうねぇ;
源氏物語イラスト解釈
【これまでのあらすじ】
天皇(桐壺帝)の御子として産まれ、容姿・才能ともすぐれていた光の君は、幼くして母(桐壺更衣)を亡くし、臣籍に降下、「源氏」姓を名のり、左大臣の娘葵(あおい)の上を正妻にもらいました。一方、帝の後妻である、亡き母によく似た藤壺宮(ふじつぼのみや)への恋慕、そして、中流の女空蝉(うつせみ)との一夜限りの情事、プライドの高い六条御息所(ろくじょうのみやすんどころ)との逢瀬…。光源氏は尽きせぬ恋を重ねていくのでした。
ただ今、「4.夕顔」の巻です。17歳の光源氏は、五条にひっそり住まう夕顔の君に恋をし、彼女を廃院に誘いますが、夕顔は物の怪に襲われ急死してしまいました。部下の惟光(これみつ)に命じて夕顔の葬儀を終え、光源氏は失意のまま二条院へと戻ります。
【今回の源氏物語】
「…ほどなくまたたち添ひぬべきが、口惜しくもあるべきかな」
と、忍びやかにのたまひて、
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☆ 古文オリジナル問題~偏差値55相当~☆
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「…ほどなくまたたち添ひぬべきが、口惜しくもあるべきかな」
と、忍びやかにのたまひて、
問)傍線部の解釈として最も適当なものを、次の中から1つ選びなさい。
1.夕顔の後を追って右近が死んでしまわないかと、光源氏は心配でしかたがない。
2.夕顔が死んでしまったのに、光源氏だけが生きているのは、夕顔にとって悔しいにちがいない。
3.夕顔を追って光源氏も死んでしまいそうな状態になってしまっているのが、残念でならない。
4.夕顔のあとを追って侍従であった右近が今にも死んでしまいそうになっているのが、気の毒でならない。
5.夕顔が死んでしまったのに、自分たちだけ死ねずに生きているのが、口惜しくてならない。
いよいよセンター試験が近づいてきました。
センター古文で必ず出題されるのが、
上のような、古文の傍線部解釈問題☆
問3・問4あたりのこういう設問は、
偏差値55相当の問題ですので、
第一志望合格のためには、必ず得点できるようにしておきましょう!
(*・ ェ ・*)ノ
「…ほどなくまたたち添ひぬべきが、口惜しくもあるべきかな」と、忍びやかにのたまひて、
この古語の中で最も目に付くのが、
重要古語の「口惜し」ですね!
【くちをし(口惜し)】
【形容詞:シク活用】
①(期待していたことが実現せずに)残念だ。くやしい。がっかりしている
②(対象となるものが)意に満たない。つまらない。劣っている
※『全訳古語例解辞典(小学館)』より
では、光源氏はいったい何を
「残念に」「くやしく」思っているのでしょう?
ポイントは、「たち添ひぬべき」です。
【たちそふ(立ち添ふ)】
【自動詞:ハ行四段活用】
①そばに寄り添って立つ。付き添う
②付き加わる。加わる
③他人のあとを追って死ぬ。続いて死ぬ。あとを追う
※『全訳古語例解辞典(小学館)』より
直前までの文脈を考えれば、
③の意味になりますね。
この解釈は、直前のイラスト解釈をご参照下さい。
そして、「ぬべし」を見たら、これ!
選択肢5の、「死ねずにいるのが残念」なのではなく、
「死んでしまいそうなのが、残念」なのですよ!
【解答】…3