【夕顔319-2】理由説明問題☆古文常識「局」☆
センター試験まであと44日☆
あと残すところ1ヶ月半です。
このブログで基本事項を確認し、しっかり頑張っていきましょう!
源氏物語イラスト解釈
【これまでのあらすじ】
天皇(桐壺帝)の御子として産まれ、容姿・才能ともすぐれていた光の君は、幼くして母(桐壺更衣)を亡くし、臣籍に降下、「源氏」姓を名のり、左大臣の娘葵(あおい)の上を正妻にもらいました。一方、帝の後妻である、亡き母によく似た藤壺宮(ふじつぼのみや)への恋慕、そして、中流の女空蝉(うつせみ)との一夜限りの情事、プライドの高い六条御息所(ろくじょうのみやすんどころ)との逢瀬…。光源氏は尽きせぬ恋を重ねていくのでした。
ただ今、「4.夕顔」の巻です。17歳の光源氏は、五条にひっそり住まう夕顔の君に恋をし、彼女を廃院に誘いますが、夕顔は物の怪に襲われ急死してしまいました。部下の惟光(これみつ)に命じて夕顔の葬儀を終え、光源氏は失意のまま二条院へと戻ります。
【今回の源氏物語】
苦しき御心地にも、かの右近を召し寄せて、局など近くたまひて、さぶらはせたまふ。
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☆ 古文オリジナル問題~理由説明問題の極意~ ☆
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苦しき御心地にも、かの右近を召し寄せて、局など近くたまひて、さぶらはせたまふ。
問)傍線部の理由として最も適当なものを、次の中から1つ選びなさい。
1.あの時の忌まわしい体験をすべて知っている右近に、身分不相応の待遇をすることで、秘密を守らせようと思ったから。
2.あの時の悲しい出来事をすべて存じている右近に、いつでも近くはべらせることで、その思い出に浸りたいと思ったから。
3.夕顔の身近でお仕えしていた右近に、局の位を与えることで、いつでもすぐに呼ぶことのできる身分にしたかったから。
4.夕顔の侍女であった右近に局という名前を与えることで、光源氏の身近な女性の一人として待遇しようと思ったから。
5.夕顔の最も近くにいた右近を、自分の身近に置いて侍女として仕えさせ、呼んだらすぐに来られるようにしようと思ったから。
理由説明問題は、
基本的に、直前にある「已然形+ば」に着目します。
しかしながら、今回のように、
単純接続で続いている場合は、
文脈の中から、理由を探さなくてはなりません。
その時にポイントとなるのが、
傍線部中の重要古語☆
今回は、「局」に着目してみましょう!
【局(つぼね)】
【名詞】
①宮中や貴族の邸宅の建物の中を、板やついたてなどで仕切って設けた部屋。多く、上級の女官や女房の私室として用いる。
②部屋をいただいて仕える上級の女官を敬っていう語。
③(近代語)「局女郎」といわれる下級の遊女の部屋
※『全訳古語例解辞典(小学館)』より
今の時代でも、「お局様」なんて
会社の職場で言われたりしますよね^^;
部屋を与えられるぐらい厚遇されている、上級の職員。
右近は、夕顔の乳姉妹なので、
夕顔と同じくらいの若さだったはずですが、
光源氏は、夕顔をそばに置いておきたいと思って、
近くに「局(部屋)」を与えたのです。
この文脈や「局」の意味に該当しない選択肢を
省いていきましょう。
1.あの時の忌まわしい体験をすべて知っている右近に、身分不相応の待遇をする(△スギ)ことで、秘密を守らせようと思った(△ナシ)から。
2.あの時の悲しい出来事をすべて存じている右近に、いつでも近くはべらせることで、その思い出に浸りたい(△ナシ)と思ったから。
3.夕顔の身近でお仕えしていた右近に、局の位(×語義ズレ)を与えることで、いつでもすぐに呼ぶことのできる身分にしたかったから。
4.夕顔の侍女であった右近に局という名前(△語義ズレ)を与えることで、光源氏の身近な女性の一人として待遇しようと思ったから。
5.夕顔の最も近くにいた右近を、自分の身近に置いて侍女として仕えさせ、呼んだらすぐに来られるようにしようと思ったから。
【解答】 5