【夕顔296-2】古文常識「初夜」
センター試験まであと95日☆
このイラスト解釈では、毎回1問ずつ、
古文の問題を載せています。チャレンジしてみてねっ!
源氏物語イラスト解釈
【これまでのあらすじ】
天皇(桐壺帝)の御子として産まれ、容姿・才能ともすぐれていた光の君は、幼くして母(桐壺更衣)を亡くし、臣籍に降下、「源氏」姓を名のり、左大臣の娘葵(あおい)の上を正妻にもらいました。一方、帝の後妻である、亡き母によく似た藤壺宮(ふじつぼのみや)への恋慕、そして、中流の女空蝉(うつせみ)との一夜限りの情事、プライドの高い六条御息所(ろくじょうのみやすんどころ)との逢瀬…。光源氏は尽きせぬ恋を重ねていくのでした。
ただ今、「4.夕顔」の巻です。17歳の光源氏は、五条にひっそり住まう夕顔の君に恋をし、彼女を廃院に誘いますが、夕顔は急死してしまいます。部下の惟光(これみつ)に後始末を命じ、光源氏は憔悴しきって内裏にも出仕できず、惟光と夕顔の葬儀へと出向きます。
【今回の源氏物語】
寺々の初夜も、みな行ひ果てて、いとしめやかなり。清水の方ぞ、光多く見え、人のけはひもしげかりける。
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☆ 古文オリジナル問題~古文常識「初夜」~ ☆
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寺々の初夜も、みな行ひ果てて、いとしめやかなり。清水の方ぞ、光多く見え、人のけはひもしげかりける。
問)傍線部の解釈として最も適当なものを、次の中から一つ選べ。
1.寺々のお堂で初めての夜を過ごした光源氏は、すっかり疲れ果てて、。
2.寺々の寝所で男女が初めて初夜を迎えたが、その行為も皆終わって。
3.お堂で行われていた寺々の初夜のお勤めも、すべてすっかりやり終えて。
4.寺々の母屋で安眠をとていた夕顔の身内の者も、皆初めてのことで動揺して。
5.寺のお堂で行われていた夕顔の法要も、すべてすっかり終了してしまい。
初夜
…というと、
あの、新婚の「初夜(しょや)」をイメージしますよね?
……
辞書には、こんなふうに出ています。
【初夜(しょや)】
【名詞】
①新婚夫婦として迎える最初の夜
②六時の一。戌(いぬ)の刻。現在の午後八時ごろ。宵の口。また、その時刻に行う勤行(ごんぎよう)。そや。
③夕刻から夜半までをいう語。古くは、前日の夜半からその日の朝までをいった
※『大辞泉』より
古文で用いられている言葉は、
もちろん、現在に通じていますので、
現在のニュアンスで読んでもかまいませんが、
大学入試で聞かれる古語や古文常識は、
その多くが現在の意味とは異なるもの
…そういうことを意識して、選択肢を見てみましょう。
すると、傍線部のなかに、
重要古語「行ふ」があります。
!!!o(・´д・`o)))
【行ふ(おこなふ)】
【自動詞:ハ行四段活用】
…(仏道の)修行をする。勤行(ごんぎよう)をする
※Weblio古語辞典より
仏教ワードですね!!
この古語につながる「初夜」を意識してみましょう。
(*・ ェ ・*)ノ
ちなみに…古語辞典では、こんなふうに載っています。
【初夜(しょや)】
【名詞】
①一昼夜を六分した「六時(ろくじ)」の一つ。夜を初・中・後に三分した最初の時間で、だいたい午後六時から午後九時までに当たる。[反対語] 中夜(ちゆうや)・後夜(ごや)
②戌(いぬ)の刻のこと。午後八時ごろ。また、午後七時ごろから午後九時ごろまで
③戌の刻に行う勤行。また、その時につき鳴らす鐘。「そや」とも
※Weblio古語辞典より
…新婚初夜というのは、
最近の言い方のようで…(;゚;∀;゚;)
古文では、言葉通り、
「初の夜」を示しているようです。
特に、③の意味が、仏教的な「初夜」ですが、
①のように、夜を、「初夜」・「中夜」・「後夜」と3つに分け、
寺々では、それぞれの時刻に、勤行(ごんぎよう)を行ったようです。
日中を3つに分けた、「晨朝(じんじょう)」・「日中」・「日没(にちもつ)」
と併せて、「六時の勤(つと)め」というそうです。
【解答】…3