源氏物語イラスト訳【夕顔295】御燈明の影
御燈明の影、ほのかに透きて見ゆ。その屋には、女一人泣く声のみして、外の方に、法師ばら二、三人物語しつつ、わざとの声立てぬ念仏ぞする。
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【源氏物語イラスト訳】
御燈明の影、ほのかに透きて見ゆ。
訳)お灯明の光が、かすかに隙間から漏れて見える。
その屋には、女一人泣く声のみして、
訳)その家屋には、女一人の泣く声ばかりして、
外の方に、法師ばら二、三人物語しつつ、
訳)外の方では、法師たち二、三人が何か話をしながら、
わざとの声立てぬ念仏ぞする。
訳)本格的な声を立てない念仏を唱えている。
【古文】
御燈明の影、ほのかに透きて見ゆ。その屋には、女一人泣く声のみして、外の方に、法師ばら二、三人物語しつつ、わざとの声立てぬ念仏ぞする。
【訳】
お灯明の光が、かすかに隙間から漏れて見える。その家屋には、女一人の泣く声ばかりして、外の方では、法師たち二、三人が何か話をしながら、本格的な声を立てない念仏を唱えている。
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■【御燈明(みあかし)】
■【の】
■【影(かげ)】
■【ほのかに】
※【ほのかなり】
■【透き】
※【透(す)く】
■【て】
■【見ゆ】
■【その】
■【屋(や)】
■【に】
■【は】
■【女】
■【泣く】
■【声(こゑ)】
■【のみ】
■【し】
■【て】
■【外の方(とのかた)】
■【に】
■【法師(ほふし)】
■【ばら】
■【わざと】
■【の】
■【声(こゑ)】
■【立て】
■【ぬ】
■【念仏(ねんぶつ)】
■【ぞ】
■【する】
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☆本日の『源氏物語』☆
「わざと」っていうのは、
現代語では、あまりよくないイメージがしますが、
古文では、今回のように、
「ことさら」「本格的」という良いニュアンスに
なることもあるんですねー!
おもしろいっ!!