源氏物語イラスト訳【夕顔289】御心地かきくらし
御心地かきくらし、いみじく堪へがたければ、かくあやしき道に出で立ちても、危かりし物懲りに、いかにせむと思しわづらへど、
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【源氏物語イラスト訳】
御心地かきくらし、いみじく堪へがたければ、
訳)お心は悲しみにくれ、ひどく悲しくてこらえきれないので、
かくあやしき道に出で立ちても、
訳)このように異常な用事で道に出かけても、
危かりし物懲りに、
訳)危なかった懲り事のために、
いかにせむと思しわづらへど、
訳)どうしようかとあれこれお悩みになるが、
【古文】
御心地かきくらし、いみじく堪へがたければ、かくあやしき道に出で立ちても、危かりし物懲りに、いかにせむと思しわづらへど、
【訳】
お心は悲しみにくれ、ひどく悲しくてこらえきれないので、このように異常な用事で道に出かけても、危なかった懲り事のために、どうしようかとあれこれお悩みになるが、
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■【御―】
■【心地(ここち)】
■【かきくらす】
■【いみじく】
※【いみじ】
■【堪へがたけれ】
※【堪へがたし】
■【ば】
■【かく】
■【あやしき】
※【あやし】
■【道】
■【に】
■【出で立つ】
■【ても】
※【て】
※【も】
■【危ふかり】
※【危ふし】
※【し】
■【物懲り(ものごり)】
■【に】
■【いかにせむ】
※【いかに】
※【せ】
※【む】
■【と】
■【思しわづらふ】
※【思(おぼ)す】
※【思ひわづらふ】
■【ど】
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☆本日の『源氏物語』☆
「危かりし懲り事」というのは、
あの、五条の廃院で、夕顔を失った時の、
鬼気迫る出来事のことです。
「もう、あんな気まぐれはしまい」と、
光源氏は、こりごりしていましたよね;;