【夕顔270-2】「穢らひ」の解釈☆偏差値58☆
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源氏物語イラスト解釈
【これまでのあらすじ】
天皇(桐壺帝)の御子として産まれ、容姿・才能ともすぐれていた光の君は、幼くして母(桐壺更衣)を亡くし、臣籍に降下、「源氏」姓を名のり、左大臣の娘葵(あおい)の上を正妻にもらいました。一方、帝の後妻である、亡き母によく似た藤壺宮(ふじつぼのみや)への恋慕、そして、中流の女空蝉(うつせみ)との一夜限りの情事、プライドの高い六条御息所(ろくじょうのみやすんどころ)との逢瀬…。光源氏は尽きせぬ恋を重ねていくのでした。
ただ今、「4.夕顔」の巻です。17歳の光源氏は、五条にひっそり住まう夕顔の君に恋をし、彼女を廃院に誘いますが、夕顔は急死してしまいます。部下の惟光(これみつ)に後始末をさせ、光源氏は茫然自失のまま二条院へ戻ります。宮中からの使者などが見舞いにやって来るなか、光源氏は頭中将を簾越しに呼び、参内できない理由を伝えます。
【今回の源氏物語】
胸つぶれたまひて、
「かく、こまかにはあらで、ただ、おぼえぬ穢らひに触れたるよしを、奏したまへ。いとこそたいだいしくはべれ」
と、つれなくのたまへど、
↑
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☆ 古文オリジナル問題~偏差値レベル58 ☆
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胸つぶれたまひて、
「かく、こまかにはあらで、ただ、おぼえぬ穢らひに触れたるよしを、奏したまへ。いとこそたいだいしくはべれ」
と、つれなくのたまへど、
問)傍線部の意味として、最も適当なものを1つ選べ。
1.身に覚えのない悪評を受けたことにより、参内を差し控えたい旨を、帝にお伝えください。
2.思いがけなく人の死に触れたことによって、参内できない旨を、帝にお伝えください。
3.思わぬ物の怪に遭遇したことで、我が身が穢れてしまい参内できないと、帝にお伝えください。
4.思いも寄らぬ物忌みの時期にあたってしまい、参内できない旨を、帝にお伝えください。
5.まったく記憶にないことで世間から風評されているため参内できない旨を奏上してください。
大学入試、特にセンター試験になると、
選択肢の文が、もっと長くなってきます。
このくらいの量だと、偏差値58レベルでしょう。
傍線部の解釈が出題されたら、
一語一語の品詞や意味をきちんと確認し、
選択肢と照らし合わせます。
(σ・∀・)σ
【おぼえず】=おもいがけなく
【よし】=旨。こと
【奏す】=帝に申し上げる。奏上する(謙譲)
【たまふ】…~なさる(尊敬の補助動詞)
の4つが、よくポイントになる重要古語ですが、
今回のオリジナル問題の場合、
この4つのポイント、すべて選択肢同じですよね~;;
1.身に覚えのない悪評を受けたことにより、参内を差し控えたい旨を、帝にお伝えください。
2.思いがけなく人の死に触れたことによって、参内できない旨を、帝にお伝えください。
3.思わぬ物の怪に遭遇したことで、我が身が穢れてしまい参内できないと、帝にお伝えください。
4.思いも寄らぬ物忌みの時期にあたってしまい、参内できない旨を、帝にお伝えください。
5.まったく記憶にないことで世間から風評されているため参内できない旨を奏上してください。
逆に、このように選択肢ですべて一緒の部分があれば
超ラッキー☆
つまり、見るべきポイントは、古文常識のこの部分☆
【穢らひ(けがらひ)】
【名詞】
①人の死などに接した身の汚れ。不浄
②服喪。物忌み
【穢れ(けがれ)】
【名詞】
…けがれること。不浄。不潔。またけがれているために忌み避けられるもの
※『全訳古語例解辞典』(小学館)より
1.身に覚えのない悪評を受けた(×)ことにより、参内を差し控えたい旨を、帝にお伝えください。
2.思いがけなく人の死に触れた(○)ことによって、参内できない旨を、帝にお伝えください。
3.思わぬ物の怪に遭遇した(△)ことで、我が身が穢れてしまい参内できないと、帝にお伝えください。
4.思いも寄らぬ物忌みの時期にあたって(△)しまい、参内できない旨を、帝にお伝えください。
5.まったく記憶にないことで世間から風評されている(×)ため参内できない旨を奏上してください。
「穢れ」という言葉なら、
う~ん; どれもなんとなく合ってる気がしますが…
「穢らひ」という古語を知ってると、
選択肢2にピタッとおさまりますね♪
また、文脈、つまり、直前の光源氏の発言部分からも判別できます。
こんなふうに、
古文の解釈問題は、
古語の知識だけでなく、
文脈や古文常識など、複眼的な目線で見ていくことが重要です。
(o^-')b
【正解】…2