【夕顔268-2】敬語のいろいろ☆偏差値55☆
金足農業高校の快進撃☆ すごいですね~!
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夢は叶うんです!!!
源氏物語イラスト解釈
【これまでのあらすじ】
天皇(桐壺帝)の御子として産まれ、容姿・才能ともすぐれていた光の君は、幼くして母(桐壺更衣)を亡くし、臣籍に降下、「源氏」姓を名のり、左大臣の娘葵(あおい)の上を正妻にもらいました。一方、帝の後妻である、亡き母によく似た藤壺宮(ふじつぼのみや)への恋慕、そして、中流の女空蝉(うつせみ)との一夜限りの情事、プライドの高い六条御息所(ろくじょうのみやすんどころ)との逢瀬…。光源氏は尽きせぬ恋を重ねていくのでした。
ただ今、「4.夕顔」の巻です。17歳の光源氏は、五条にひっそり住まう夕顔の君に恋をし、彼女を廃院に誘いますが、夕顔は急死してしまいます。部下の惟光(これみつ)に後始末をさせ、光源氏は茫然自失のまま二条院へ戻ります。宮中からの使者などが見舞いにやって来るなか、光源氏は頭中将だけを呼び、簾越しに話をします。
【今回の源氏物語】
中将、「さらば、さるよしをこそ奏しはべらめ。昨夜も、御遊びに、かしこく求めたてまつらせたまひて、御気色悪しくはべりき」と聞こえたまひて、
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☆ 古文オリジナル問題~偏差値レベル55 ☆
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中将、「さらば、さるよしをこそA奏しBはべらめ。昨夜も、御遊びに、かしこく求めCたてまつらせDたまひて、御気色悪しくはべりき」とE聞こえFたまひて、
問)傍線部A~Fの敬語の説明として、間違っているものを2つ選べ。
A.謙譲語 頭中将から帝への敬意
B.丁寧語 頭中将から光源氏への敬意
C.謙譲語 頭中将から帝への敬意
D.尊敬語 頭中将から光源氏への敬意
E.謙譲語 作者から光源氏への敬意
F.尊敬語 作者から頭中将への敬意
敬語の問題は、
大学入試、とくにセンター試験では必須です。
きっちり出てきたものから、押さえていきましょう!
(σ・∀・)σ
2.本動詞か補助動詞か
本動詞なら「もとの動詞」を押さえる
3.敬意の方向を確認する
この基本のポイントを確認することで、
敬語を理解することができます。
中将、「さらば、さるよしをこそA奏しBはべらめ。…」
A.謙譲語 頭中将から帝への敬意
B.丁寧語 頭中将から光源氏への敬意
こんなふうに、敬語が2つ重なっているのを、
二方面敬語といいます。
これは、動作をする側も、その動作を受ける側も
敬意を表したい時に用いる敬語表現です。
【奏す(そうす)】
【他動詞:サ行変格活用】
①(天皇・上皇・法皇に)申し上げる。奏上する(「言ふ」の謙譲)
②音楽を演奏する
※Weblio古語辞典より
「奏す」というのは、
動作の受け手が特定される謙譲語です。
奏上する、すなわち、
帝に申し上げる、という意味です。
なので、Aの敬意対象は、帝となるんです。
A.謙譲語(○) 頭中将から帝への敬意(○)
…に対して、
Bの「はべり」は、補助動詞です。
【侍り(はべり)】
【自動詞:ラ行変格活用】
①おそばにいる。控えている。お仕えする(「あり」「をり」の謙譲)
②あります。ございます。おります(「あり」「をり」の丁寧)
【補助動詞:ラ行変格活用】
①(動詞の連用形について)~ます。~ております
②(形・形容動詞・助動詞の連用形について)~でございます
※Weblio古語辞典より
「侍り」「候ふ」が補助動詞の場合は、
確実に丁寧語になるんですよ。
ヽ(*'0'*)ツ
丁寧語の敬意方向はカンタン☆
話し手から聞き手への敬意なんですね♪
(o´・ω・`o)ノ
B.丁寧語(○) 頭中将から光源氏への敬意(○)
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「…昨夜も、御遊びに、かしこく求めCたてまつらせDたまひて…」
C.謙譲語 頭中将から帝への敬意
D.尊敬語 頭中将から光源氏への敬意
またまた、二方面敬意です☆
「たてまつる」は、補助動詞なので、謙譲語です。
謙譲語の敬意対象は、動作の受け手☆
つまり、「求め」の受け手です。
帝が、光源氏を求めているんですね。
なので、敬意対象は、光源氏です。
C.謙譲語(○) 頭中将(○)から帝(×)への敬意
「…昨夜も、御遊びに、かしこく求めCたてまつらせDたまひて…」
Dの部分は、「~せたまふ」という二重敬語です。
「御遊び」、つまり、宮中で帝の催す管弦の遊びです。
なので、主語は帝と捉え、「求め」なさった帝を
最高敬語を用いて敬意を表しているんですよ。
(σ・∀・)σ
D.尊敬語(○) 頭中将(○)から光源氏(×)への敬意
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「…御気色悪しくはべりき」とE聞こえFたまひて、
E.謙譲語 作者から光源氏への敬意
F.尊敬語 作者から頭中将への敬意
さあ、この最後のEとFの敬語は、
頭中将の会話の終わったあとの地の文ですね。
Eの「聞こえ(聞こゆ)」は、
「申し上げる」という意味の、「言ふ」の謙譲語。
作者から、動作の受け手(誰に言ったか)に対する敬意です。
E.謙譲語(○) 作者(○)から光源氏(○)への敬意
Fの「たまふ」は、尊敬の補助動詞☆
作者から、動作主(誰が言ったか)に対する敬意表現ですね!
(●‘∀‘●)ノ"
F.尊敬語(○) 作者(○)から頭中将(○)への敬意
したがって――
【正解】…C・D
☆翌日の【重要古語】の記事に
本日の「源氏物語」に出てきた古語を解説しています。
敬語に関しては、敬語の種類と敬意方向も載せていますので、
【イラスト訳】を見るだけでなく、翌日の【重要古語】カテゴリで
今回出てきた古語も、確認しておいてくださいねっ♪