源氏イラスト訳【夕顔220】なほ持て来や
「なほ持て来や、所に従ひてこそ」
とて、召し寄せて見たまへば、ただこの枕上に、夢に見えつる容貌したる女、面影に見えて、ふと消え失せぬ。
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【源氏物語イラスト訳】
「なほ持て来や、所に従ひてこそ」とて、
訳)「もっと持って来いよ。場所によって(行動しろ)」と言って、
召し寄せて見たまへば、
訳)そば近くにお呼び寄せになって御覧になると、
ただこの枕上に、夢に見えつる容貌したる女、
訳)ちょうどこの枕もとに、夢に現れた顔かたちをした女が、
面影に見えて、ふと消え失せぬ。
訳)幻影として見えて、ふっと消え失せた。
【古文】
「なほ持て来や、所に従ひてこそ」
とて、召し寄せて見たまへば、ただこの枕上に、夢に見えつる容貌したる女、面影に見えて、ふと消え失せぬ。
【訳】
「もっと持って来いよ。場所によって(行動しろ)」
と言って、そば近くにお呼び寄せになって御覧になると、ちょうどこの枕もとに、夢に現れた顔かたちをした女が、幻影として見えて、ふっと消え失せた。
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■【なほ】
■【持て来(こ)】
■【や】
■【所】
■【に】
■【従ひ】
■【て】
■【こそ】
■【とて】
※【と】
※【て】
■【召し寄せ】
※【召し寄す】
■【て】
■【見たまふ】
※【見】
※【たまふ】
■【ば】
■【ただ】
■【この】
■【枕上(まくらがみ)】
■【に】
■【夢(ゆめ)】
■【に】
■【見え】
※【見ゆ】
■【つる】
■【容貌(かたち)】
■【し】
■【たる】
■【女(をんな)】
■【面影(おもかげ)】
■【に】
■【見え】
■【て】
■【ふと】
■【消え失せ】
■【ぬ】
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「なほ」は、「もっと」という意味☆
「もっと近くへ」という意味でしょう。
「来や」は、
「来いや」という、現在の方言(?にも通ずる
間投助詞「や」の用い方ですね。