源氏イラスト訳【夕顔221】昔の物語
「昔の物語などにこそ、かかることは聞け」と、いとめづらかにむくつけけれど、まづ、「この人いかになりぬるぞ」と思ほす心騒ぎに、身の上も知られたまはず、添ひ臥して、
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【源氏物語イラスト訳】
「昔の物語などにこそ、かかることは聞け」
訳)「昔話などで、このようなことは聞くが…」
と、いとめづらかにむくつけけれど、
訳)と、たいそう珍しく気味悪いけれど、
まづ、「この人いかになりぬるぞ」と思ほす心騒ぎに、
訳)まず、「この女はどのようになってしまったのだ」とお思いになる不安に、
身の上も知られたまはず、添ひ臥して、
訳)自身のこともかまうことができなさらず、寄り添って横になって、
【古文】
「昔の物語などにこそ、かかることは聞け」と、いとめづらかにむくつけけれど、まづ、「この人いかになりぬるぞ」と思ほす心騒ぎに、身の上も知られたまはず、添ひ臥して、
【訳】
「昔話などで、このようなことは聞くが…」と、たいそう珍しく気味悪いけれど、まず、「この女はどのようになってしまったのだ」とお思いになる不安に、自身のこともかまうことができなさらず、寄り添って横になって、
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■【昔の物語】
■【など】
■【に】
■【こそ~已然形】
■【かかる】
■【は】
■【聞け】
■【と】
■【いと】
■【めづらかに】
※【めづらかなり】
■【むくつけけれ】
※【むくつけし】
■【ど】
■【まづ】
■【この人】
■【いかに】
■【なり】
■【ぬる】
■【ぞ】
■【と】
■【思ほす】
■【心騒ぎ】
■【に】
■【身の上】
■【も】
■【知る】
■【れ】
■【たまは】
※【たまふ】
■【ず】
■【添ひ臥す】
■【て】
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息も絶えてしまった夕顔の君――
光源氏は…どうにもそれが、信じられないでいるようです。
さて、彼女は本当に死んでしまったのでしょうか…?