【夕顔147-2】感情が出たら…理由説明問題☆
源氏物語イラスト解釈です
【これまでのあらすじ】
天皇(桐壺帝)の御子として産まれ、容姿・才能ともすぐれていた光源氏は、幼くして母(桐壺更衣)を亡くし、臣籍に降下した。帝の後妻である藤壺宮(ふじつぼのみや)が亡き母に似ていると聞き、思い焦がれるようになる。
ただ今、「4.夕顔(ゆうがお)」の巻。中流階級の空蝉(うつせみ)との仮初めの恋を経て、現恋人の六条御息所(ろくじょうのみやすんどころ)にも、正妻の葵上(あおいのうえ)のもとにも心が向かないでいる光源氏は、惟光(これみつ)の実家の隣家にひっそり住まう、夕顔の君に心惹かれ、こっそり通うようになりました。
【今回の源氏物語】
またなくらうがはしき隣の用意なさを、いかなる事とも聞き知りたるさまならねば、なかなか、恥ぢかかやかむよりは、罪許されてぞ見えける。
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☆ 今回の入試対策~理由説明問題~ ☆
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またなくらうがはしき隣の用意なさを、いかなる事とも聞き知りたるさまならねば、なかなか、恥ぢかかやかむよりは、罪許されてぞ見えける。
問)傍線部の理由として最も適当なものをそれぞれ選べ。
1.近隣の卑しい会話を、自分の境遇と照らし合わせもしないで、まるで高貴な身の上のようなふりをして恥ずかしがっていたので、それが罪がないように見えたから。
2.この上なくかわいらしい隣家の女性たちの会話を耳にした光源氏が、移り気の情愛を向けてしまうのではないかと夕顔は気にしていて、罪も許してあげたくなったから。
3.夕顔が隣家の卑しい会話をまったく気にかけることもなく、おっとりとした態度を貫いて、光源氏に接していたので、欠点さえも見過ごしてあげたくなったから。
4.こんな粗末な所では聞けないような、近隣を気にせぬ下世話な話も、夕顔の君は内容をあまり分かっていないようで、それが子どもっぽく、罪がないように思えたから。
5.貧しい近隣の状況をものともせず、果敢に日々の生活を送っているそのたくましさを感じ取った光源氏は、夕顔が昔犯した過ちも許すことができると思ったから。
傍線部は、光源氏の思いがこもった箇所です。
(灬ºωº灬)
夕顔の君の様子を見てたら、
「罪」が許されたように思える
ってわけですね!
【罪(つみ)】
【名詞】
①罪。過失
②罪業(ざいごう)。仏罪
③欠点。短所。難点
*Weblio古語辞典より
ここで考えられる夕顔の君の「罪」とは…
① 光源氏を、こんな粗末な家に泊まらせた罪、過失。
② 頭中将と昔関係を結んでいたこと、それを今の愛人である光源氏に隠しているという罪業。
③ 粗末な家での情事を、何とも感じていないという欠点、短所。
…上の選択肢のすべて、
間違ってるとは言い切れないですね;;
(;゚;∀;゚;)
では、どうやって解けばいいか?
理由説明問題のポイントは、
古文では、
直前にある「(已然形)+ば」に着目すること!
ヽ(*・ω・)人(・ω・*)ノ
またなくらうがはしき隣の用意なさを、いかなる事とも聞き知りたるさまならねば、なかなか、恥ぢかかやかむよりは、罪許されてぞ見えける。
この、「―ば」までの部分に着目して、
選択肢を吟味してみましょう!
Σ(・ω・ノ)ノ!
1.近隣の卑しい会話を、自分の境遇と照らし合わせもしないで、まるで高貴な身の上のようなふりをして恥ずかしがっていたので、それが罪がないように見えたから。(△「恥ずかしがるよりは」という文脈とズレ)
2.この上なくかわいらしい隣家の女性たちの会話(△「らうがはし(=乱雑だ)とズレ)を耳にした光源氏が、移り気の情愛を向けてしまうのではないかと夕顔は気にしていて、罪も許してあげたくなった(×:主語ズレ)から。
3.夕顔が隣家の卑しい会話をまったく気にかけることもなく(△「聞き知る」の語義とズレ)、おっとりとした態度を貫いて、光源氏に接していたので、欠点さえも見過ごしてあげたくなったから。
4.こんな粗末な所では聞けないような、近隣を気にせぬ下世話な話も、夕顔の君は内容をあまり分かっていないようで、それが子どもっぽく、罪がないように思えたから。
5.貧しい近隣の状況をものともせず、果敢に日々の生活を送っているそのたくましさ(△:本文にナシ)を感じ取った光源氏は、夕顔が昔犯した過ちも許すことができると思ったから。
選択肢3と4で、迷うと思いますが…
間違えずに、解けましたか?
U。・x・)ノ !
正解…4