【夕顔146-2】「もてなし」「ありさま」があれば…
源氏物語イラスト解釈です
【これまでのあらすじ】
天皇(桐壺帝)の御子として産まれ、容姿・才能ともすぐれていた光源氏は、幼くして母(桐壺更衣)を亡くし、臣籍に降下した。帝の後妻である藤壺宮(ふじつぼのみや)が亡き母に似ていると聞き、思い焦がれるようになる。
ただ今、「4.夕顔(ゆうがお)」の巻。中流階級の空蝉(うつせみ)との仮初めの恋を経て、現恋人の六条御息所(ろくじょうのみやすんどころ)にも、正妻の葵上(あおいのうえ)のもとにも心が向かないでいる光源氏は、惟光(これみつ)の実家の隣家にひっそり住まう、夕顔の君に心惹かれ、こっそり通うようになりました。
【今回の源氏物語】
つらきも憂きもかたはらいたきことも、思ひ入れたるさまならで、我がもてなしありさまは、いとあてはかにこめかしくて、
↑
――――――――――――――――――
☆ 今回の入試対策~内容説明問題~ ☆
――――――――――――――――――
つらきも憂きもかたはらいたきことも、思ひ入れたるさまならで、我がもてなしありさまは、いとあてはかにこめかしくて、
問)傍線部の説明として最も適当なものをそれぞれ選べ。
1.光源氏の、夕顔の思いを考えないで来たい時だけに来る、薄情で自分勝手な振る舞い。
2.光源氏の、夕顔の辛さやきまり悪さも忘れさせてくれるような、上品で優雅な様子。
3.夕顔の、嫌なことも恥ずかしいことも、気にすることもないような、子どもっぽい態度。
4.夕顔の、光源氏の言うことを素直に聞いて、恥じらっているような、かわいらしい様子。
5.夕顔の、辛さもきまり悪さも表面に表さないでいる、上品であてやかな様子。
「もてなし」や「さま」、「ありさま」など、
誰かの様子や態度を表す語が来れば
要注意!!
【もてなし(持て成し】
【名詞】
①振る舞い。態度
②取り計らい。取り扱い。処理
③取り扱い。処遇
④もてなし。ごちそう
【ありさま(有様)】
【名詞】
①ようす。状態
②外見。風采(ふうさい)
③境遇
*Weblio古語辞典より
誰かの「様子」や「態度」が書かれていることは
間違いありません!
…ならば、
誰の、どういう態度か
が、聞かれる可能性が高いんですよ!
つらきも憂きもかたはらいたきことも、思ひ入れたるさまならで、我がもてなしありさまは、いとあてはかにこめかしくて、
傍線部 直前を見ると…
「~で(打消接続)」までで否定されている内容は、
尊敬になってないので、夕顔の様子のはずです。
そして、傍線部 直後、
「いとあてはかに、子めかしくて」も、
尊敬語が入ってないので、
夕顔の様子です。
なので、
1.光源氏の(×)、夕顔の思いを考えないで来たい時だけに来る、薄情で自分勝手な(△)振る舞い。
2.光源氏の(×)、夕顔の辛さやきまり悪さも忘れさせてくれるような、上品で優雅な様子。
3.夕顔の、嫌なことも恥ずかしいことも、気にすることもないような、子どもっぽい態度。
4.夕顔の、光源氏の言うことを素直に聞いて(△)、恥じらっている(×)ような、かわいらしい(△)様子。
5.夕顔の、辛さもきまり悪さも表面に表さない(△)でいる、上品であてやかな様子。
3と5の選択肢で迷いますが、
「思ひ入れたるさまならで」の文脈に沿うのは、
どっちでしょうか…ね?!
(o´・ω・`o)ノ
正解…3