健康塾の皆様には既にお話した内容ですが、鉄欠乏性貧血時にいくらレバーやひじきをとっても貧血が改善されることはありません。従来より、鉄欠乏性貧血にはヘム鉄をシッカリといわれ続けていますが、鉄欠乏時にはそれは全く、的はずれなことでしかありません。

 

 鉄欠乏時ほど非ヘム鉄をシッカリとることこそ改善のポイントです。詳細は健康塾でお話したとおりですが、分かり易い間違いのところだけをブログを見ておられる皆様にもご紹介いたします。

 肝心なことは、このような医療に関わる人は、間違いを広めることはほどほどにし、真摯に基本から勉強しなおすことが必要ということです。

 

 また、一度に高濃度の鉄剤のようなものををとると三日間は鉄が吸収されない体の仕組みが働くということを、ご存じない方も多いのではないでしょうか? 消化器官を傷めるだけのものでしかないということです。


 

鉄欠乏性貧血の治し方

 

●鉄欠乏対策に関する嘘や間違い

 

 鉄欠乏に良い食品といいますと、“レバー”、“プルーン”、“ひじき”、“ほうれん草”、“納豆”などが有名ですが、これらをいくらしっかり食べたからといって、いっこうに貧血はよくなりません。これは、単に間違ったことをことをしているための、当然の結果なのです。

 

・プルーンに鉄が多いと言う嘘!:

 

 鉄分を含む果物の代表といえば“プルーン”と信じているヒトが多いようですが、実はプルーン含まれる鉄分は非常に少なく、スイカや夏みかん以下量しか含まれていません。小松菜・サラダ菜など葉物野菜に比べるとその1/30程度です。プルーン100gと香辛料に使われるバジル0.17gに含まれる鉄分はほぼ同じ量です。そろそろ“プルーン=鉄”という商業的な呪術から脱皮したいものです。
 果実としては、梅に含まれる鉄分は際立って多く、梅漬け、梅びしお、梅肉エキスなどからの摂取が効果的です。

 

・ほうれん草には鉄分が多い!?:

 

 “ほうれん草”が鉄分の多い葉物野菜というのは過大評価です。確かに、葉物野菜類の中では低いほうではありませんが、特に多いというわけでもありません。鉄分の多い葉物野菜は、パセリやつるな、小松菜、サラダ菜、ふだんそう、ダイコン葉などです。葉物野菜の中では平均的な鉄量(ほうれん草には鉄吸収を阻害するシュウ酸が多く含まれ、実際の鉄吸収量はかなり少ないかもしれません)。

 アメリカはポパイの国ですから、葉物野菜といえばほうれん草となるのかもしれませんが、日本にはもっとも優れた野菜類があるということです。

 

・鉄欠乏時の鉄補給はレバーでという間違い:

 

 そのー1:鉄欠乏時はヘム鉄でなく非ヘム鉄の摂取がポイントになります。鉄欠乏時の鉄補給には吸収率の低いヘム鉄は適してなく、鉄欠乏時には吸収性の高い植物性非ヘム鉄の摂取が重要です。鉄欠乏時にヘム鉄の多いレバー!レバー!と好きでもないレバーを摂ってもさほどの効果は得られません。


 そのー2:レバーや肉に鉄が多いって本当なのでしょうか? 豚レバーや鶏レバーには比較的多くの鉄が含まれますが、牛レバーには少なく、馬肉とほぼ同程度です。ただし、豚レバーや鶏レバーであっても固形分当たりの鉄量は小松菜・サラダ菜の鉄量と同程度の量でしかありません(鉄欠乏時吸収率では半分以下となります)。概して、肉類に含まれる鉄量は少ないのです。魚介類では、天然アユ(コケを餌とする)は比較的多くの鉄を含み、特に内臓部には豚レバーの5倍もの鉄を含んでいます。しじみ、ホッキガイ、あさりにも比較的多くの鉄が含まれています。

 

・海藻類・きのこの鉄は吸収されない

 

 海藻類やきのこ類に含まれる鉄分はいくら含有量が多くとも十二指腸から吸収されることはありません。ごくごく少量の鉄が溶出することは考えられないことはありませんが基本的に“ゼロ”と考えるべきです。これらに含まれる食物繊維は小腸で消化されることはなく、大腸ではごく一部が発酵(消化)されます。
 このように、ひじき(×全く吸収されない)、プルーン(×鉄分は極めて少ない)、納豆(よく噛まないと吸収量少ない)、レバー(鉄欠乏時にヘム鉄は非ヘム鉄より吸収率はかなり低い)、ほうれん草(シュウ酸などの影響で吸収率はさほど高くない)ということで、鉄欠乏性の貧血が改善されないのは当然の結果ということになります。

 

・精製すると減少する鉄分(砂糖、穀類)

 

 食品に含まれる鉄分量は精製により顕著に低下します。全粒小麦は100g当たり2.8mgの鉄を含みますが、胚芽には9.4mg含むも精白した薄力粉では0.6mgとなります。そばについても表層は4.2mgですが内層は1.7mgと少なくなります。黒砂糖は4.7mgの鉄を含みますが精白された上白糖にはほとんど鉄は含まれていません。
 このように食嗜好の変化により精白した食品が増加したことも鉄不足に拍車をかけることになっています。

 

・乳・乳製品と肉中心の食事が鉄欠乏を招く

 

 肉類には吸収率の高いヘム鉄が含まれ鉄分不足の改善には適しているとにイメージが強いのですが、肉そのものには鉄分は少なく、固形分当たりで見ると小松菜などの葉物野菜の1/20程度の鉄量しか含まれていません。先に述べたように鉄欠乏時にはヘム鉄よりも非ヘム鉄の吸収率が高く、実際にはその差はもっと広がります。
 一方牛乳にはほとんど鉄は含まれず、チーズでもごく微量であることから、乳製品はむしろ鉄を含まない食品と考えてよいようです。吸収率が仮に100%であっても、1mgの鉄を摂取するためにはチーズ300gは必要で、吸収率30%とすると1kgが必要ということになります。

 

・豆類・種実類の鉄はほとんど吸収されない

 

 大豆やソラマメをはじめとする豆類には比較的多くの鉄分を含むものがありますが、概してタンパク質の多い豆類は消化が悪く十二指腸上部で消化していることはほとんどありません。また、フィチン酸塩など鉄の吸収を阻害する物質をも含むことから鉄の吸収量としてはかなり少ないのです。また種実類にもエゴマやゴマ、カシューナッツ、アーモンドなどにも多くの鉄を含むものもありますが、これらの種実類は油分が多く豆類と同様に十二指腸上部で充分に消化することはありませんので、鉄分の補充には適していません。ただし、エゴマやゴマなどをすり潰し和え物などの具材として用いる場合には有用でしよう。

 

●鉄欠乏が起きる原因-1

 

 成人男性であれば1日1mgの鉄をとれば充分な量であり、成長期の子供、運動選手、妊婦、生理など出血をともなう場合であっても、一日に1mgを追加的にとるだけで充分量は確保できます。1mgというと香辛料のバジル0.8g、ふだんそう、ダイコン葉、小松菜など葉物野菜の約30gに含まれる量です。
 しかし、牛乳、ヨーグルト、乳酸菌飲料にはほとんど含まれず、チーズでは1kgが必要となります。また、小麦胚芽では11gですが、精白した薄力粉では170gとなり、玄米では50g弱ですが、精白米では125gに含まれる鉄量が1mgです。ヘム鉄の牛レバー25g、牛ヒレ肉90g、豚肉やささみでは170gが同量となります。
 このように、乳・乳製品や小麦粉など精白した穀類を中心とした食事では、わずか1mgを食事に取り込むだけでも容易でないことが分かります。さらにダイエット等で食事摂取量を減少するようなことがあれば1mgさえの鉄を食事から取り込めなくなるのが現状です。このように、間違った知識が氾濫し、間違った食事指導がなされています。いわゆる、葉物野菜類が少なく、乳・乳製品、精白穀類、肉中心の食事による鉄量の少ない食事となっていることに、鉄欠乏性貧血の原因があります。

 

鉄分の吸収率を上げるには:

 

 ヘム鉄は鉄欠乏時にはさほど効果を発揮しませんが、鉄欠乏を起こさないために少しずつ日常的ににとるのに適しています。特に消化器官内のpHや同時に摂取する他の食品の影響を受けにくいなどの特長があり安定的に摂取することが可能です。
 一方、非ヘム鉄は鉄欠乏時には吸収率も著しく向上し、鉄欠乏時の鉄分補給には適しているとはいえ、次のような腸管内環境因子の改善が必要です。

 

・胃内容物を充分に酸性にする

 

 無機鉄はイオン状態にしないと吸収されないため、胃で充分に酸性にしておく必要があります。食事前の水分取りすぎは胃液を薄め好ましくありません。また、胃薬に含まれる制酸剤は酸度をアルカリ化するため好ましくありません。ピロリ菌保菌者ではピロリ菌の出すアンモニアで酸度をアルカリ化することがありますので、除菌が必要となることもあります。

 

・三価鉄を二価鉄に還元する

 

 食品に含まれる無機鉄は三価鉄で存在し、体内への取り込みは二価鉄だけですのでイオン化された三価鉄を二価鉄還元する必要があります。十二指腸粘膜頂端部の鉄取り込み口には還元酵素があり三価鉄を二価鉄二還元する機能は一応備わってはいますが、腸管内で二価鉄に還元しておけば吸収率も向上します。ビタミンCはその還元作用がありますので吸収率を上げます。また、ブドウ糖も強い還元力があるため、炭水化物をよく噛み一部を二糖類やブドウ糖にまで消化させると鉄の吸収率は上がります。
 また、二価鉄は反応性が非常に高く吸収される前に他の物質と反応する可能性が高いため、有機酸や含硫アミノ酸を含むタンパク質などと会合させることやクエン酸、リンゴ酸などとのキレート化させることが有効です。おすすめは、炭水化物は良く噛むこととクエン酸、ビタミンCがよいのです。

 一方,リン酸(卵、牛乳、チーズなど)、シュウ酸(長ネギ、ほうれん草、タピオカなど)、タンニン酸(茶葉など)は二価鉄イオンと非常に反応しやすく、難溶性の鉄塩をつくり吸収率を低減させます。また、カルシウムは腸管で鉄と干渉しあうため多量のカルシウム摂取は鉄吸収を顕著に低減させます(特に牛乳など)。
 なお、鉄の吸収口は鉄以外に亜鉛、マンガン、カドミウム、銅、コバルト、ニッケル、鉛と共用であり、食品中の有害物質(カドミウムや鉛)やサプリメントなどによるミネラルの補給を行っている場合はその配慮が必要です。
 食事中の飲み物として玉露のような上物のお茶及び牛乳は飲まないこと、鉄欠乏時は長ネギやほうれん草は極力とらないことなどの配慮が必要です。
 
●鉄欠乏が起きる原因-2

 

 体内の鉄バランスを乱すを内因的要因として、妊娠やC型肝炎などによる鉄過剰や、結核や癌、歯周病、肥満など慢性炎症時の鉄欠乏が知られています。この鉄欠乏の機序は、IL-6やTNFαなどの炎症性生理活性物質が肝臓でのヘプシジンの産生を促進し、鉄の吸収を抑制するとともに、肝臓やマクロファージからの貯蔵鉄の供給を停止させることによって鉄の組織への供給量を低下させます。これは感染症による細菌や癌細胞の増殖にとっても鉄は必要不可欠な物質であり、正常細胞より優先的に鉄を取り込もうとすることへの防御体制の一環です。いわゆる、細菌や癌細胞に対する人体の兵糧作戦です。この状態で、鉄剤などの投与を行うと病態は一段と悪化することになります。

 

 一方、語られることは少ないのですが「酸化ストレス・炎症体質」では、IL-6やTNFαなどの炎症性生理活性物質が産生され、同様な鉄欠乏現象を引き起こします。しかし、「酸化ストレス・炎症体質」は特定された疾患ではなく、さまざまな疾患を引き起こす体質であるので見逃されることが多く、安易な鉄剤の投与などが行われることもあります。鉄剤の投与により一時的な鉄欠乏症状は改善は可能ですが、根本的な改善はなされないばかりでなく病態を悪化させる可能性もあります。多くの場合貯蔵鉄(フェリチン)の顕著な低値は認められませんが、血清鉄やヘモグロビン値だけが低くなることが多いようです。近年、ヘモグロビン値は基準内であり、貯蔵鉄だけが低値を示す潜在性貧血とともに、このような貯蔵鉄は基準内であるがヘモグロビン値が低値を示す貧血が増加しているように思われます。


 

 血液の健康も「酸化ストレス・炎症体質」の改善から

健康に良いと言われるものと、毒として作用するものがあるんです。健康によいといわれるのは反芻動物の消化器官細菌で造られるバクセン酸というもので、体内で共役リノール酸(ルーメン酸)に代謝されます。この共役リノール酸はω7系の脂肪酸ですが、プロスタグランジン1系などのエイコサノイドの生成を亢進します。抗がん作用があるとの事で、サプリメントとしても市販されているものです。これらのトランス脂肪酸は分析方法も確立されており、その影響も単品として調査することが出来ます。

 

一方、工業的に製造される精製植物油(サラダ油やマーガリンなど)などに含まれるトランス脂肪酸はプログラスタンジン2系の炎症性エイコサノイドの生成を亢進し、活性酸素の発生や炎症を亢進することには議論の余地は有りません。

 ところで、植物油や魚油に含まれるトランス脂肪酸にどれくらいの種類があるかご存知でしょうか?

 二重結合の数により多くなり、リノレン酸(二重結合:3)では2の3乗-1=7のトランス脂肪酸、EPA(二重結合:5)では2の5乗-1=31、DHA(二重結合:6)では2の6乗-1=63が有り、ほとんどが同定されていない(分析できない)のです。

 そのため、魚油の精製油には100種類以上のトランス脂肪酸を含む可能性もあります。

 このようなことから、エイコサノイドの代謝にかかわる事のないωー9系脂肪酸などのトランス脂肪酸などを定量し目安にして議論がなされる事になります。

 

 少し、一般の方には難しくなったかもしれませんが、要は、

●反芻動物のトランス型の脂肪酸と精製・加工油に含まれる工業製トランス脂肪酸を混同してしまうことは、「味噌と○○を一緒にする」ようなものだということ。ただし、昔ながらの低温圧搾法による植物油にはトランス脂肪酸はほとんど含まれていません。工業的に精製加工されるときに生成される毒性のあるトランス脂肪酸は、ダイオキシン類と同じように人間が製造した自然界には全く無い化学物質なのです。

●工業的に造られたトランス脂肪酸はほとんどのものが分析できる状態でなく、摂取すると健康を害する事だけは分かっていると言う事です。

 

さて、あなたが有能な行政担当官だったら、どのようにして国民を欺きますか?

 

答えは昨日記述しましたように、トランス脂肪酸に関する英文の原文と和訳を対比してみるとよく分かります。

 

自分の健康は自分の頭で考え、自分で守らないといけない世の中になってしまっているという事なのです。

 

 

ひじきに含まれる無機ヒ素についてもそうだが、何故、行政は「トランス脂肪酸」の危険性を隠蔽しようとするのか理解に苦しむ。

 

確かに代替手段が無い(トランス脂肪酸に規制をかければ、工業的に安全な油をつくる事が出来ない/エステル化という方法でトランス脂肪酸を排除できるが、エコナで有名になった発ガン性物質グリシドール脂肪酸エステルの危惧が生まれる)

●余りに多くの食品に使われており経済的影響が大きすぎる

などの理由は分からないでもないが、一方では国民の健康を蔑ろにしてよいのかという問題は残る

 

日本人はトランス脂肪酸の摂取量が少ないので問題ないですと?????

●米国人との違いを言うのであれば、年代間の食事の違い(高齢層と若年層)、地域間(都市部と農村部)、体格(肥満度や痩身度)のデータくらいは開示すれば

●御用学者に都合の良いような間違ったデータ解析結果を説明させたり、根拠のない仮定仮定の計算式で摂取量を求めるのは何故?

●特に安全性に問題の無い反芻動物のトランス型の脂肪酸と有毒な工業的なトランス脂肪酸を混同し国民に情報公開したり(これらは、病理的作用が異なるため分別すると国際的になっているにもかかわらず)するのは何故?

●工業的トランス脂肪酸は余りに多数で一部しか同定されてなことを理由に、トランス脂肪酸は分析できないとする(このような表現は日本だけです)のは何故?

 

 このあたりの真実を知りたい方は、一度英文で書かれた原文を行政がどのように日本語に訳しているかをみると、如何に国民をごまかそうとしているかがよく分かります(トランス脂肪酸の有害性や行政上の諸問題等については著書「あなたの知らない化学物質汚染食品の恐怖・アレルギー・炎症誘発体質の真実」77ページ~88ページに記述しています)

 

 トランス脂肪酸は虚血性心疾患だけの問題ではなく、ごく少量の摂取であってもTNFα(腫瘍壊死因子)という、有害な生理活性物質などを生成する事が知られており、何%から害があるとか、平均値でみると、などが全く通用しないのです。

 花粉症をはじめ鼻炎、喘息、アトピー性疾患などアレルギー疾患、糖尿病、脳卒中、心臓病、脂質代謝異常、高血圧、癌、痛風、骨粗鬆症、肥満、など生活習慣病、乾癬、リュウマチ、クローン病、膠原病などの自己免疫疾患、などを発症する酸化ストレス炎症体質を誘引する諸悪の根源と考えられるものなのです(詳細な機序は前著67ページに記述)

 

行政機関の方でこのブログを読まれることがあるようでしたら、以下をお尋ねします?

●目先の経済性と国民の健康はどちらを優先するか?

●何故原文を枉げて国民に知らせるのか?

 

また、私の記述に異議があるのでしたら、化学的な真実については、いつでも受けて立ちます!