被害者側が示談を発表するという極めて珍しいケース | 言語分析未来予測

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 通常、示談をするのは、被害届を取り下げてもらうためであり、加害者側の弁護士が尽力して、被害側を説得するものだ。そのために慰謝料を提示し、相手の損害を弁償や賠償、補償などするのである。そのため示談の発表は加害側が行う。
 しかし今回の海老蔵さん殴打事件での示談とは、被害者側の弁護士が被害者に強く勧めており、示談の発表も被害側が行っている。
 被害側の示談の目的は、「リーダーは傷害を負ったが、その原因究明は行わず、被害届を提出せず、損害賠償の請求はしない」ことと、加害者に暴行を認めさせること、の2点だけ。24日の示談を受けて、伊藤リオン容疑者は警察の取り調べで、暴行を認め反省し、さらにリーダーを殴っていないと供述している。
 特にリーダーの被害届や損害賠償請求の阻止を目的としていたようだ。

 被害届を取り下げないのは、加害者がすでに逮捕、起訴されているからで、東京地検に公判請求を望まないことを上申しても、裁判は行われる。ただ示談が成立しているので被告は検察の論告求刑を受け入れスピード結審で執行猶予が付き釈放となる。

海老蔵さん殴打事件、15日からの報道のまとめ
12月15日、藤本勝也弁護士による発表では、7日の海老蔵の謝罪会見について、元暴走族のリーダー格男性(29)は、自分の言い分との食い違いがあるので会見を開いて話してほしい、と任されたとのこと。会見は16日午後5時から都内で開く予定。
16日、予定された会見は中止。理由は、会場の司法記者クラブに定数25席を上回る100件超の取材申し込みが殺到し、同クラブからキャンセルを申し出たため。リーダー格男性の被害届(顔面打撲など全治約4週間の診断書を所持)を提出することはまだせず、「法廷で争うか、大人の対応をするか」を繰り返した。
20日、藤本弁護士、「委任関係を解消し、辞任する」と発表。理由は「方針の不一致など」。
21日、東京地裁、傷害容疑で逮捕された伊藤リオン容疑者(27)の勾留延長を認める決定。期間は今月31日までの10日間。
24日、伊藤リオン容疑者(27)、「海老蔵さんは(加害者グループの)元暴走族のリーダーを殴っていない」と供述。暴行理由は「生意気だった。かなり酔っぱらっていて、態度がひどかった」。
28日( 12:25 記事の更新時間)、リーダー格男性、警視庁捜査1課の事情聴取に「海老蔵さんから乱暴な介抱を受けた」。
28日( 17:10 記事の更新時間)、海老蔵さん示談会見、傷害容疑で逮捕された伊藤リオン容疑者(27)と今月24日に示談が成立したことを説明。

■海老蔵さん示談会見

深沢弁護士の説明
 元暴走族リーダーと伊藤リオンさんとの2つの示談。
 22日、23日に検事さんと海老蔵さんが面談し、海老蔵さんが何らかの行動をした可能性が高いとの指摘されたが、海老蔵さんは否定。
 海老蔵さんの主張を裁判所の法廷で通すのは困難と判断。示談を強く勧める。金銭のやり取りは否定。
 起訴するかしないかは検察官、検察庁の判断。
 元リーダーの傷害を究明しない示談では、海老蔵さんに有利、不利とは考えてない。
 被害届を取り下げることはない。
 示談は正当なもので、灰色行為、何かを隠そうというような意図はない。
 金銭的受け渡しは一切ない。
 海老蔵さんは被害者。
 今回の事件によって損害があるとすれば、損害賠償請求権は松竹さん側にある。

示談の内容
(1)海老蔵さんは元リーダーに対して、酒席でのふるまいが海老蔵さんとリーダー間のトラブルの一因となったことを認め、真摯に陳謝し反省する
(2)リーダーは傷害を負ったが、その原因究明は行わず、被害届を提出せず、損害賠償の請求はしない
(3)海老蔵さんとリーダーは当事者同士、その家族、職場その他の関係先に対し、手紙や電話、訪問などの連絡、接触をせず、相互に誹謗中傷を行わない

示談の条件
(1)伊藤リオン容疑者は暴行を認める
(2)伊藤容疑者は上記行為によって、海老蔵さんに傷害を負わせ多大な損害を与えたことを認め、反省し陳謝する
(3)海老蔵さんは、傷害事件が偶発的な犯行であると認め、真摯に反省し、陳謝していることを受け入れ、伊藤容疑者の早期の社会復帰と更正を切に希望し、東京地検に公判請求を望まないことを上申する

海老蔵さんの説明
 海老蔵さんは加害者を「さん」付けで語る。
 相手とは初対面でなかった。3度目だが、そのときも酒を飲んでいて記憶がない。関係者の方から指摘があった。
 相手が怪我をした記憶はないが、客観的な裏付けがこんなんで、自分の振る舞いにも問題化あり、示談となった。
 私の社会的責任感のなさや日頃の酒癖の悪さに要因があったと深く反省。
 加害側が反省し家族もあるため、公判は望まない。
 7日の会見での複数からの暴行に関し(記憶の問題)、警察、検察から違った否定的な指摘を受けていた。
 弁護士の先生2人から強く示談を進め納得してない、の質問に、暴力を振るった記憶はないが客観的に証明する証拠がない現状で、結果的に示談を選択し納得している。
 自分が被害者という認識は変わらない。
 元リーダーに対して(けんかを)たきつけたか、の質問に「暴力をふるったことはいっさい記憶にございません」。
 顔面の麻痺、しびれが残っている。体のいろいろな部分が痛い。
 事件に至るプロセスには自身の酒癖の悪さがあることを認める。
 (元暴走族リーダーに対して)挑発したのか、の質問では、3週間前には、まったく記憶はなかったが、警察、検察の説明で、そういえば言ったかもしれない、と記憶が蘇ってきた部分もある。
 前回の会見では自分の記憶が真実だと認識していたが、捜査の方々に指摘されたことで、別の可能性があったのではないかと思うようになった。記憶は曖昧だったが、少なくとも、暴力をふるったことはないと思っていた。
 よく思い出してみると、11階に上がった記憶がある。
 灰皿でテキーラを飲ませた記憶はありませんし、警察からもそのようなことがあったと聞いていない。酔っている方にお水を飲ませたのは事実。
 リオン被疑者と面識はない。

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