」
ナースチャも、そしてラークさんも！バミューダーさんと幽子さんにも、是非是非、あの二人の姿をお見せしたかったわ
」
おばあさん「…本当に、素晴らしいお式でしたよ
アナスタシアさんは、瑞々しい大輪の白百合のようでしたし、ラークも毅然として、アナスタシアさんに付き添っていたのよ。
アナスタシアさんのお姉様がたや、弟さんも、本当に皆さん、お気持ちの良い方々で…
」
ポムちゃん🍎🍏「うん。でも…子供たちは、暫くしたら、ちょっとそわそわしてたっけ。
式、長かったしね…
」
トチーちゃん「ええ。
…だから、途中から、マレットちゃんのママやバルバラさんが、子供たちを連れて、庭園をお散歩に行って下さってね…」
バミューダー「そっ…か…
」
さつき君「今日は、此方で、祝言の宴でござるな」
」
お内裏様「麿もじゃ。…ラーク殿はさぞ、凛々しき婿殿におなりであろう
」
ポムちゃん🍎🍏「皆、来てくれて嬉しいよ。さあ、これから、ラークさんとナースチャを皆で迎えよう
」
」
ナースチャ、まるで陽の光の中のアジサイみたい…。ラークさんも、とてもカッコいいよ！
」
ロビンちゃん「凄い！どっちのお洋服も、ナースチャがデザインしたんでしょう？
凄く素敵だよ
」
」
ラーク「お雛様ご夫妻、さつき君、そしてユールニッセちゃんたちも、皆さん、この日の為に時間を作って、はるばる『季節の扉』の向こうより、いらして下さって、誠に有難うございます」
」
ユールニッセ「サンタクロースのおじいさんが、一日のお休みを許して下さったの」
さつき君「さよう。『季節の扉』が、珍しくも出入りを許可してくれたお陰でもござる」
お内裏様「遠つ国では、六月に華燭の典を挙げし花嫁を『ジューン・ブライド（June Bride）』と呼ばるるのだそうな
」
お雛様「まこと、朝露に輝く花の如き美しさでござりまするぞ、アナスタシア殿
」
ナースチャ「まあ、…あ、有難うございます
ああ、お雛様…皆さん…。うう、私…
」
」
幽子「ほえ～、凄いな。
…こうして見ると、なかなかイイ男じゃないか、ラーク。見直したわ
」
ラーク「えっ…
…あ、あの、今までは僕を見損なってらしたんですか、幽子先輩…
」
バミューダー「そんなことないってば。…本当に綺麗だねえ、ナースチャも、ラーク君も
いいなあ、新婚時代、懐かしいよ
」
トチーちゃん「さあ、私とキングフィッシャーさん、そしてポムちゃんが、この日の為に腕によりをかけましたよ
フルコースのお料理をご用意いたしました。皆様、どうぞ、召し上がれ
」
…これ、私達の為に作って下さいましたの？
」
そちらは、僕の監修で、マレットちゃんとお兄ちゃんと一緒に、作りましたよっ
」
ラーク「ああ、君たち、本当に有難う」
…これは、野菜と海老のゼリー寄せ？
アスパラ…こっちはフィレ肉、キャベツで巻いた鴨肉と温野菜、ホタテとイクラの…。
お品書きが欲しいようだな」
」
バミューダー「あっ、僕の為にわざわざ、本当に有難うございます」
100均樹脂粘土のキュイジーヌ。イクラだけが「すけるくん」。ゼリー寄せはレジン。
スープとかも作りたかったけど、テーブルに多分乗らない…。
…おめでとう！末永くお幸せに
」
幽子「…あれっ、子供たちは、キュイジーヌは要らないの…？」
クックちゃん「うん、僕らはコース料理より、ピザやお肉やオープンサンドの方がいいや
」
ロビンちゃん「さあ、お昼の後はスイーツタイムですよ～
立食なので、ご自由にどうぞ
」
ここまで沢山あると、流石に迷っちゃうなぁ。夢の国に来たみたい！」
」
こっちはイチゴのタルト、ゼリーケーキ、とろりとしたチョコレートケーキ、そして、こっちは…。
まあ、目移りしそう…」
ラーク「凄いな。もう既に本格的なパティシエだね、ロビンちゃんは」
ロビンちゃん「えへ。ラークさんの農園の果物も牛乳もバターも卵も小麦粉も、凄く質が良いから、腕を振るっちゃった」
」
クックちゃん「お祝いに来てくれた皆さんにも、僕らが作ったスイーツ、い～っぱい、お土産に持って帰って貰ったよ
」
ナースチャ「あらまあ。紋白やヨーデルちゃんたちにも、とっても可愛らしいケーキが…」
犬猫用のケーキ。こっちも100均樹脂粘土製です。
犬さんや猫さんも、安心して食べられるスイーツです。ロビンちゃんが考案しましたっ
」
・・・・・
トチーちゃん「では、お祝いに、皆で歌いましょう」
」
ラーク「えっ？どうしたの。
何故、僕に謝るんだい、ナースチャ…」
ナースチャ「いえ、ご婚礼の儀の時よ。…わ、私の叔母や従兄が、あんな無礼なことを言って。
私、お式の途中で、いたたまれなくなってしまって…
ラークさんにも、お母様にも、いらして下さった方々にも私、申し訳なさ過ぎて…
」
ラーク「いや、…何の話だい？」
ナースチャ「父や母にも、随分私、言ってあったはずなのだけれど…
…やっぱり、父も母も、解ってくれているようでいて、解っていなかったのね。
姉たちや弟はすぐに気付いて、咄嗟に間に入って、話を止めてくれたけど…」
」
ナースチャ「…いいえ、嘘よ。気づいたわ！
…ラークさんのお母様や、アイビスさんやバルバラは勿論、クックちゃんやロビンちゃん、マレットちゃんたちでさえもよ。
ポムちゃんは、いつもの通り、のんびりして見えたけど、さっと顔色を変えたわ。あの物言い、聞き慣れてるから…
ラークさんのお母様は、ラークさんのお妹さんの…アイビスさんの話し方をお気にしてらしたけど…アイビスさんは私、初めてお逢いしたけれど、とても感じのいい、お優しい方でしたわ私の身内の方が、何十倍も礼儀知らずだったわ。
姉や弟たちは、私に、ラークさんや皆様に、どうかくれぐれも謝っておいてほしいと言っていたの。姉や弟たちは若いし、特にターニチカ姉様とアリョーシャは、まだ独身で、一般社会に出て働いてるのよ。だから、伯母たちの言葉に、すぐに違和感を感じたのね
私の身内の中には、何故、私たち一族が王冠を失ったのか、未だに気付いてない人たちがいるわ。
…私、とっても恥ずかしかった…」
それを気にして、君は、披露パーティの間も、どことなく沈んだ顔色をしていたんだね
可哀想に…ごめんよ、僕がもっと早くに気付いてあげればよかった
」
ナースチャ「ポムちゃんもトチーちゃんも…ラークさんのお母様も、クックちゃんたちまで、皆、気付かないふりをしてくれたけど…
元王族なんて、一皮むけばただの人で、見た目ほど品の良い人ばかりじゃないのよ
植物学者をなさっていた、ポムちゃんの曽祖父様だって、結局、それに愛想を尽かして、私たちの一族から、離れてゆかれたんだもの
お留守居をして下さったバミューダーさんや幽子さんだって、さつき君やお雛様ご夫妻だって、婚礼の儀で何が起きたか、きっと、すぐお察しになったわ…」
ラーク「…ナースチャ、聞いて。
…君が今、気にしているだろうことは、僕自身は全く、問題にしてやしないよ
」
ナースチャ「で、でも…😟」
ラーク「僕は、君が、心を閉ざしていた頑なな僕を、心が擦り切れそうな瞬間もありながら、必死でここまで追って来てくれたことを、よく知っている。
僕は君が、どんな王冠をかぶって結婚するかよりも、どんな人と結婚するかの方が大事だと言って、僕のところに、天使のように羽ばたきながら舞い降りて来てくれたことを、知っている
…それで十分じゃないか」
ナースチャ「ラークさん…」
ラーク「大丈夫。…みんなだって、解っているはずだよ
僕の母は勿論、ポムちゃんやトチーちゃん、バミューダーさんや幽子先輩、子供たち、さつき君やお雛様ご夫妻、ユールニッセちゃんも、アイビスもバルバラも、みんなみんな。
ナースチャは、みんなから愛されていて、君の為にみんなが喜んで集まって、婚礼披露パーティを開いて、ご近所の方々も僕の農園の方々も皆、心からの祝福の為に、お祝いに駆けつけてくれた。…君の為にだよ
ゲルダ・イソラだって、リュシエンヌ先生だって、バレエ学校の生徒たちだって、君のデザイン学校のクラスメイトたちだって、僕のP市の学友たちだって、みんな、君の幸せを願って、祝辞を贈ってくれた。
君自身が、君の伯母様たちとは、同じ考えでないってことは、みんなが知っているんだ」
ナースチャ「ラークさん…。ああ、私、あなたを夫に選んで良かった…」
🕊🕊」
これまでのお話
登場人物＆設定
ポムちゃん🍎🍏「ナースチャの披露パーティ編、この記事ひとつに収めきれなかったエピソードが沢山あるから、次の記事に回すね
🥕」
「ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品35」チャイコフスキー
ヴァイオリンの神様、ヤッシャ・ハイフェッツによる演奏。