ポムちゃん🍎🍏「いよいよ、さつき君、今日、『季節の扉』の向こう側に帰っちゃうのかあ
」
」
トチーちゃん「………」
幽子「五月人形の役割は『厄祓い』だからなぁ…。
一日でも長くいてほしいけれど…
」
100均樹脂粘土の鯉のぼり。
さつき君「いかにも…。
されど、某、夕刻までは、ここに滞在する予定でござる。
今日は『子どもの日』。童らが表で遊ぶ刻までは、この世界に居るべしというのが『季節の扉』の決め事ゆえ
」
」
クックちゃん「あ～あ、寂しいなぁ…
…ねね、さつき君、午前中は、僕らと一緒に沢山遊んでね！
」
」おばあさん「…まあ、あなた方、さつき君とトチーちゃんのお話する時間を割いては、いけませんよ😟
」
」
ロビンちゃん「ちょっとだけだよ～。ちょっとだけ～
ロビンカフェで、さつき君とお話ししたいの～💦」
💦」マレットちゃん「さ、さつきさんと一緒に食べたいと思って、私達、新作スイーツを作ったんですっ
」
」
おばあさん「おやまあ、あなた方と来たら…
」
」トチーちゃん「いえ、良いのよ
だって、子どもの日だもの。子供たちが主役でなきゃ…
🎏」
🎏」おばあさん「トチーちゃん…」
」・・・・・
幽子「ランチタイムには、さつき君の送迎パーティか何か、ここで開く予定でいるのかい？
」
」
ラーク「最初はその予定でいたんですが、さつき君自身が、あまり華美を好まないお人なので…。
それに、華やかなスイーツなら、ロビンカフェで色々、既に振る舞われていそうですし
それで、さつき君本人に、お昼に何が食べたいか聞いてみたら『うどん』というので、シンプルにうどんを打つことにしました
これだったら、消化も良いですし、幽子さんも一緒に食べられますよね」
」100均樹脂粘土とレジン、100均音無しクラッカーの部品を使った、うどん。麺がなかなか細くならず、これが精一杯。
バミューダー「幽ちゃん、あんまり無理しないで、君はリビングでゆっくりしてておくれよ
…お昼ご飯を作るのは、僕らがみんなやるから」
幽子「いや、体調は、昨日一晩グッスリ眠って、もう大分良くなったよ
少しは動いて手伝わないと、お腹の赤ちゃんにも、良くないし…
」
」
ラーク「あ、それでしたら、うちの母の話相手をしてやってくれませんか。
ホント、台所は、僕らがやりますので…
」
」幽子「…ラークさぁ、うどん打つのに、あたしがまた、高速遠心分離機を使うんじゃないかとか、疑ってない…？
」
」ラーク「うっ
…幽子先輩、まさかそれ、今回持ってきてないですよね！？
…幽子先輩、まさかそれ、今回持ってきてないですよね！？あと、爆発物も持ち込み禁止ですからね！？
以前、先輩、大学の配膳室の壁を爆破して吹き飛ばしたの、忘れてませんよね？
」
」幽子「しっつれいな奴だな。あん時使ったのは、爆発物なんかじゃないよ
かまどが壊れてて、パン焼くのに、カフェテリアのオバチャンたちが手間取ってたみたいだったから、化学実験室にあったニトログリセリンを…
」
」ラーク「…おっ、お母さぁーん！
…すみませ～んっ。そちらで幽子さんと、お話していて頂けませんかっ！？
」
」幽子「…ちえっ
」
」おばあさん「…幽子さん、此方に来て、一緒にお茶を頂きましょう」
」・・・
バミューダー「…ああ、やっぱりここに来ると、幽ちゃんが元気になるねえ
…良かったぁ、幽ちゃん、体調を崩しちゃって以来、ずっと表情が沈んでてねぇ…
僕と二人っきりだと、やっぱり寂しかったのかな
幽ちゃん、明るく振舞って、隠そうとしてるんだけど…何か、解るんだよね…」
」
ラーク「………😟」
」・・・・・
100均軽量紙粘土＆樹脂粘土＆レジン製、レアチーズケーキ。ケーキ本体は軽量紙粘土、タルト部分とブルーベリーが樹脂粘土です。
・・・・・
幽子「さつき君、先日は、私の話を聞いてくれて、ありがとね
お陰で、大分気持ちも軽くなってきたよ。あたしも勇気を出して、バミューダーと一度、ちゃんと話をしてみるよ」
」
さつき君「某も、それがいいと思うでござるよ
幽子殿は、トチー殿に似ておられる。…他の人のことには情熱的でも、自分のこととなると、打って変わって消極的で、後ろ向きになるでござるな。
我が身を粗末にしてはいけませぬぞ。…まして、今は大事なやや様の宿る身」
」幽子「…うん」
さつき君「ここは皆が、幽子殿の味方でござる。何事かあれば、トチー殿もラーク殿をも、頼られよ。
災厄は、某が持って去るゆえ。一人で抱え込むことは、無いでござるよ」
」幽子「そうだね…」
さつき君「御身大切に、達者に過ごされよ。
来年、可愛いやや様にお会い出来るのを、心待ちにしているでござる」
」・・・・・
・・・・・
クックちゃん「♪やねよ～り～ た～か～い こいの～ぼ～り～
」
」ロビンちゃん「♪おおき～い～ まごい～は～ おとう～さ～ん～
」
」マレットちゃん「♪ちいさ～い ひごい～は こども～た～ち～」
」
100均樹脂粘土の栗ようかん。
・・・・・
さつき君「…さて、それでは某、扉の向こうに帰る刻でござる」
」
ポムちゃん🍎🍏「…さつき君、色々有難う
とっても楽しかったね。
とっても楽しかったね。また来年、桜が咲く頃に、ここに来てね🌸」
マレットちゃん「ま、また、ヨーヨーやけん玉を、沢山教えて下さいねっ
」
」
さつき君「バミューダー殿、某、そなたに刀を向けてしまって、誠に…」
」バミューダー「ああっ、いい、いい！そんなこと
…僕、さつき君ともう少し長く、お話してたかったなあ…
」
」さつき君「幽子殿とやや様を、大事に守って差し上げて下され」
」バミューダー「うん。僕も、君みたいに、愛する人を守れる強い男にならなきゃね
良いパパになれるよう、頑張るね✨
」
」さつき君「…………」
」
ラーク「さて、じゃ、ここから先は、トチーちゃんに『季節の扉』まで、さつき君を送り届けてもらいます」
」トチーちゃん「え？…私が一人で？…皆は？
」
」ポムちゃん🍎🍏「ポムは、新しい植物学の本の下書き、今日中にまとめなきゃならないんだ
📖」
📖」
おばあさん「私とラークは、お皿の後片付けをしておきますよ
子供たちも、手伝うと言ってくれてるし」
バミューダー「僕、幽ちゃんと一緒に、夜のお散歩に行ってきますね
お医者様から、幽ちゃんは、一日一回は戸外を歩いた方がいいと、言われているので」
トチーちゃん「えぇ…」
」ラーク「トチーちゃん、宜しくお願いします。
さつき君、本当にここに来てくれて、有難う 来年も、僕ら、君が来るのを楽しみにしています」
来年も、僕ら、君が来るのを楽しみにしています」・・・・
トチーちゃん「えっ、と…
…さ、さつき君、お父様やお母様によろしくね。
がっ、学校のお友達の皆様にも、先生方にも、元気でいて下さいとお伝えしてねっ！
（え、何？何を喋ってるのよ、私…）」
）」さつき君「はい」
」
トチーちゃん「お、大イタチから助けてくれて、有難う。さ、さつき君のお陰で、命拾いしたわね、私…
（違う！…私、こんなこと喋りたいんじゃないのにっ）」
さつき君「…はい」
」トチーちゃん「わ、和菓子…沢山作って、送るわね。えっと…（可愛い弟だから！）
…そう、可愛い弟だからね！さつき君は、私のっ（…違う、なんか違う！）」
）」さつき君「…そうですね。有難うございます」
」トチーちゃん「………（うう…どうして私、こんなにも口がもつれて、言いたいことが言えないんだろう…）」
（うう…どうして私、こんなにも口がもつれて、言いたいことが言えないんだろう…）」
さつき君「では、トチーさん、僕、扉の向こうに帰りますね。一年間なんて、あっという間です
僕、ずっと、トチーさんのこと、扉の向こうで守り続けますから。どんな災厄も、この扉からは、一歩もここへは踏み込ませはしません」
トチーちゃん「…はい…」
」
さつき君「では、また一年後に逢いましょう。どうか、待ってて下さいね。
僕は、どんな時でも、トチーちゃんのことが大好きです。…ずっとあなたに『可愛い弟』だと思われていてもです
」
」
トチーちゃん「…あっ！（さつき君、今、私をトチー『ちゃん』って呼んでくれた？）」
）」
・・・・・
ラーク「うーん、一人いなくなると、何かやっぱり、部屋が妙にがらんと広く感じてしまいますね…」
」ロビンちゃん「お雛様たちとも、さつき君ともさぁ…
いくら厄除けのお人形とは言っても、お別れするのって、せめて行事の翌朝とかじゃ、ダメなのかな…
」
」マレットちゃん「…あのう、もし『季節の扉』から『お別れ』を帰らせてしまって、出て行った途端に、扉にしっかり施錠してしまったら、どうなるんでしょうね…
そしたら、もう、誰ともお別れしないですむんでしょうか…？
」
」ポムちゃん🍎🍏「そうね、そうかもしれないけど、
…きっと、その代わり、この世界から『四季』もなくなっちゃうんじゃないかな」
」クックちゃん「『災厄』も、いなくなってくれなくて、増えに増えちゃって、この世界は、僕たちが住めない、怖いところになっちゃうのかもしれないね…」
」
おばあさん「トチーちゃん、寂しいでしょうけど、よく笑顔でさつき君を送り届けてきたわね
お疲れ様」
」
トチーちゃん「うう…去年のお別れよりは、辛くないけど…
でもっ、やっぱり結局、お別れの時には、涙は出るんじゃないの〰️💦」
💦」
トチーちゃん「…もう決めたっ。やっぱり私には、恋愛とかそういうの、向いてないっ
どうしたって、お別れの時は、絶対に寂しくなるんだもの。
私は一生、そんなものとは、無関係で生きるわっ…そうよ。自立した女としてっ
」
…そうよ。自立した女としてっ」
クックちゃん「でもさ～、トチーちゃん、和菓子の作り方を沢山覚えて、さつき君にも作って、送るつもりなんでしょ？」
」トチーちゃん「ええ、当然、それはそうするつもりよ。さつき君は私の『可愛い弟』なんですものね。
でも、それは恋とか愛とかそういうのじゃないのっ
そうよ、違うもんっ」
そうよ、違うもんっ」おばあさん「まあ、トチーちゃんったら…🤭」
」バミューダー「………」
」ラーク「………」
」幽子「やれやれ…
💦」
💦」
・・・・・
これまでのお話
登場人物＆設定
・・・・・
「彼女に告げてよ」ファルヴォ
君の友人に伝えてほしい
僕が夢も希望も失ったと
永久に変わらぬ人生の望みを
…あの人に伝えたいんだ、でも言葉が出て来ない！
僕は彼女を愛している、とてもとても愛している
僕が君を忘れることはないと、彼女に伝えて
鎖より激しい情熱に、僕の心は痛めつけられている
ああ、生きていられないほどに！
涙が輝きながら流れ伝う
僕に話して聞かせてほしい
愛のまなざしで 僕だけを見てほしいんだ
互いに仮面を取り去って、真実の言葉で向き合わないか
愛しているんだ
とてもとても愛しているんだ
この鎖は決して断ち切れることがない
優しい夢よ 僕の肉体の吐息よ
呼吸をするように、僕は君を求める
生きる為に、僕には君が必要なんだ
・・・
カンツォーネならではの、燃え上がるように情熱的で激しい愛の詩。
…こんなの、間に立って、長々聞かされる友人もどうかなって思うけどね
私なら、自分で彼氏（彼女）に言えやそれｗ…って言いそうだ
（「ジョニイへの伝言」もそう思ったｗ）
（「ジョニイへの伝言」もそう思ったｗ）何か…イタリアのカンツォーネって、友達やマンマに、恋愛について愚痴るケース、多いよね…
それにイタリア男って、こういうのは生涯、何万人に言ってんだよｗって気がするよねw
って気がするよねwYuniでさえ、散々声かけられたしけ…（ローマで）
（ローマで）日本だと、地方訛りをスッゴイ見下してるから、のっぺりした標準語に訳すより他、なくなるんですけど、
カンツォーネは本来、強いナポリ弁(訛り)が使われてるのが特徴。
海辺の方言だから、訛りがキツく、訳すのは至難（結局、既成の訳詩に助けてもらうしかなくなる…）。
「愛してんだっぺよ。言葉さ出てこねえほど。あいづさ伝えでけろや」みたいな感じ。
それで訳してみますか、いつか…
大体、どの国でも、都というか、標準語圏ってのはインテリぶってて、田舎のほうが情熱的で、本能に忠実。
日本でもそうですよね。
イタリアは、南北で教育程度も文化も全然違ってまして、南にいけばいくほど、教育水準は下がってゆきます。
北から南へ、ミラノ→フィレンツェ→ローマ→ナポリ→シチリアと聞くと、ピンときませんか。
ヨーロッパの中心地だった北イタリアに対し、ナポリから先は「南イタリア」で、スペインに支配されていました。
北は大昔から、ガリレオやミケランジェロや、ボッティチェリ、ヴェルディ・レオナルド・ダ・ヴィンチらを生んだ、学問と芸術の中枢。
ローマから南は、遺跡や自然美の観光やサッカーで食べてて、文化人教養人は殆ど出てない。
Yuniが今、思い出せるのは物理学者のフェルミ(ローマ市出身。フェルミニウムは彼の名から取られた。実は原爆の親)くらい…
学校の教育内容そのものも、北と南で全く違い、またその不平等を、イタリアはキリスト教独特の理論で正当化してる。
（キリスト教の理論に『貧しき者は、神と共にいるから既に幸せだ』って考え方があり、貧富の差を是正しない。
SDGｓだ！お先進的な欧米白人様に追い付けぇ～！
…と焦ってるの、日本だけだよ
）
…と焦ってるの、日本だけだよ）両者の反発も激しく、互いにバカにし合ってる感じも。
北は南を「教育のない野蛮な連中」と思っているし、南は南で北を「インテリ気取りの生っ白い俗物」って目で見てる。
…ま、フィレンツェとシチリアじゃ、話が合いそうにもないよね。明らかにインテリメガネとマフィア。
・・・・・
ドングリや松ぼっくりで作ったお人形さんを使い、野生の鳥の写真撮影をする写真家さんの作品。
めちゃくちゃ可愛い…
