100均セリアでこれらの雑貨を購入してきました。…さあ、どう使おう。

一応、普通の手芸店も覗いてはみたんですが、心動かされる材料は無かった。寧ろこの100均雑貨だけで作った方が、面白いのが出来そう。

ナースチャ「古代北欧関連の本を読み込んだおかげで、バルバラのバレエ衣装デザイン、大体の方向性が見えてきたわおねがい

バルバラ「えっ?

…いや、だって、北欧神話のヴァルキュリヤの衣装、どんなのか解ったんだから、もう、このまんまをただ衣装に興せばいいだけじゃないの?驚き💦」

ナースチャ「いえいえ、そうはいかないのよ。

…まず、バレエ衣装は、動きやすさが何よりも重要だから、王道の形は大体決まっていて、そこから先はあまり大胆なアレンジはできないし、重量も変えられないわ。そこは演劇やオペラの舞台衣装とは、全く性質の違うところね。

そして舞台衣装のデザインは、全体のバランスが重要だから、一つの役だけ派手にして、浮かせてしまうのはダメ。逆に、舞台上で、全く映えない衣裳も、当然ダメ。そういう規定の中で、ヴァイキングらしさや北欧の神々らしさ、そのキャラクターの性格を、的確に表すものでなくてはならないのよ。

その上で、どうしようかしら…細かな縫い取りは、私のデザイン学校のクラスメイトたちが、手伝うと申し出てくれたし、採寸については、何度も何度も、バレエ学校の衣装担当スタッフの方々と、意見交換もしたわ。バルバラにも、目が回るほど、体の寸法を取らせてもらったわね🤔」

バルバラ「いや…こんなに体のサイズを細部まで測られたの、初めて。

1枚の服を作るのに、ここまで細かい測定が必要だとは、思わなかったよチーン📐ガーンもやもや

 

ナースチャ「まず、ヴァイキングが防具として欠かさなかった鎖帷子は、どうしても私、欠かしたくないわ。

勿論、本物の金属を使えば、舞台で何かに引っ掛かれば大怪我をしてしまうし、重さもオーバーするし、動きやすさも殺いでしまうから、使えないわね。

客席から見て、スポットライトを浴びた時に、鎖帷子のように見えて、軽くて動きやすい素材を使うことが、重要だわにっこり

そして何より、今回重要なのは、バルバラの高すぎる身長をカバーし、スタイルの美しさを強調するデザインにすること。

…そうね、胸部にはこのレースを使いましょう照れ

 

バルバラ「レースを?…あの、本当にそれで、北欧海賊の女…北欧神話の女神らしく見えてくるの?驚き

 

ナースチャ「私の予測ではね。でも、実際に作って、あなたに着せてみないことには、解らない部分もあるわ。

それにしても、今回、あまり時間をかけてはいられないわ。兎に角、本番まではあと数日しかないのよ。バルバラにも、何度も試着してもらう必要があるわね。

でも、バルバラも、朝から夕暮れまでは、ずーっとバレエの練習をしているわけだから、試着はどうしたって、夜になるわ。

ある程度は、私の勘で進めていかなくては🤔」

 

バルバラ「全然、知らなかったわ…アセアセ

 

ナースチャ「…あら、何を?」

 

バルバラ「バレエの衣裳デザインを考えるのって、こんなにも大変なことだったんだ…。

私、これまで自分のことしか考えていなかった。衣装係の人のことも、レッスン場を管理する人たちのことも、メイクや音響や照明の人のことも、大道具小道具の人たちのことも、一切考えたことがなかった。

衣裳なんて、ダンサーに実力さえあれば、どんな服着てたって同じだって、考えてたのよ…ショボーンあせる

ナースチャ「本当だったら、一年でも二年でもかけて、あなたのバレエ衣装をデザインしたいわ。
それをたった一週間で、何とかなるかしらね。

兎に角、資料を集めて読み込むのと、あなたの体の採寸だけで、まる3日を費やしてしまったから、もう、残すはあと4日しかないわ。

友達にも、徹底的に情報を集めてもらったし、あなたの動きに合わせた衣装にするには、あなたのバレエ学校の衣装係の方が協力を申し出て下さって、本当に良かった。…頑張るわ✨筋肉

 

・・・・・

「さあ、デザインは決まったし、裁断もした。後は友人たちと手分けして、縫う所まで来たわニコキラキラ

縫ってしまえば、後は衣装係さんと一緒に、バルバラに着せてみて、実際の動きやすさを確認するだけだからね。

バルバラはレッスン中だし、クラスメイトに縫ってもらうこれ、学校に届けなきゃ…。…ああ、バスが着いた🚍️」

 

???「…おっと、そこのお嬢さん!

トランク、座席に置き忘れてますよ🧳驚きピリピリ

 

ナースチャ「…ああっ!ポーン汗

まあ、いやだわ!…もう少しで、とんでもない忘れ物をするところだった叫び💦

…どうも有難うございます。このトランク、何よりも大切なものが入ってましたの✨ニコニコ

 

???「ほう、そのトランクの中には、札束か金塊でも詰まってるのかい?にっこり

 

ナースチャ「まあ、アハハ、違いますわ泣き笑い

でも、このトランク一杯の金貨にも、この中身は代えられませんの。…本当に助かりましたわおねがいハート

 

???「それは良かった。…時に君、どこまで歩いてゆくの?」

 

ナースチャ「デザイン学校までですわ」

 

???「そうなんだ。…僕もここで降りるんだけど、同じ方向だから、途中まで一緒に行っていいかい?」

 

ナースチャ「ええ、構いませんわニコニコ

 

・・・・・

???「そうか、君は、アナスタシアさんっていうのか。良い名前だねえ」

 

ナースチャ「ええ、でも皆、私をナースチャと呼びますわにっこり

 

???「僕は、バミューダー。旅回りの演奏家をしていますニコ

ナースチャ「まあ、ではあなたも、ステージに立つお方ですのね!おねがい

実は私は今、舞台衣装をデザインしておりますのニコニコ

 

バミューダ―「ほう。…じゃ君は、プロの舞台衣装デザイナーさんなの?🤔」

 

ナースチャ「いいえ、ここへは留学で来ていて、今はまだ、デザイン修行中の学生ですわ。

訳あって、今、友人のバレエ衣装を大至急、デザイン中なんです。このトランクの中身は、その裁断した布とデザイン画で、学校で、縫製を手伝ってくれるクラスメイトたちの所に、大急ぎで届けるところでしたの。

これをバスの中に忘れていってしまったら、本当に恐ろしいことでしたわ…ほんわかあせる

 

バミューダ―「そうか、君はここの人ではなくて、留学生なんだねえ。

…僕も昔、この街の音楽院の留学生だったよ。そして、この街で学生結婚した奥さんを、今、海外に残してきていてねえ」

敢えて、体の線が定まらず、ぐにゃぐにゃになるように作った演奏家、バミューダ―さん。

マイイメージとしては、こんな感じなのです。(なかえよしを「まどべのおきゃくさま」より)

ナースチャ「まあ…では、バミューダーさんは、単身でこちらでお仕事を?びっくり

 

バミューダ―「こちらで、というか…毎年夏から秋にかけての数カ月間は、世界各地を演奏ツアーで巡っているんだけどねえ。

10月の末には、また奥さんの所に戻る予定なんだよほっこりドキドキ

 

ナースチャ「…数ヶ月間も?奥様を残して?

そんなに長いことおひとりで、お寂しくはございませんの?…奥様も、バミューダーさんも…😟」

 

バミューダ―「うーん、演奏中は正直、国のことを考えるゆとりすらないことも多いけど…💧

時には、妻が一緒だったらって、思うこともあるねえ…。

君は、国を一人で離れてきて、寂しくなったりすることってないの?」

ナースチャ「ああもう、寂しかったですわ。最初の頃は…えーん

今はこの衣装のデザインに、心血を注いでますけど、…私にも、国に戻れば、婚約者がおりますのほんわかハート

 

バミューダ―「そうか、じゃ、僕も君も、同じような立場なんだねえにっこり

…君は…そのフィアンセ君を、自分がいない間に、誰かにとられたりしないかと、不安になったりすることはない?」

 

ナースチャ「そうですね、あの…それを考え始めてしまうと、胸が締め付けられるように苦しくなることもありますわ。なるべく、考えないようにはしてますけれど…。彼、若い頃は、女の子たちにとても人気があったらしいので…ショボーン

でも、遠距離恋愛でも、彼とは毎日のように、通信で話をしていますの。

でも…あり得るかしら…いいえ、ないわ。

待っててくれるはずだわ。彼は、私をおやすみドキドキ

バミューダ―「そうか…お互いに信頼し合い、愛し合っているんですねえにっこり

ナースチャ「バミューダ―さんは、奥様を疑っていらっしゃいますの?😟」

 

バミューダ―「いやいや、とんでもない。疑うなんて。僕は彼女を全力で愛しているよ。…ただ、彼女、ドライな人でねえガックリ

いや、ドライとは違うな。逆に、とても面倒見が良い、誰に対しても、情け深い人なんだよね。

彼女は、苦境に立たされた人を見ると、放っておけないタチでね、全身全霊で寄り添おうとするのよ。

だから時々、僕に対しては、実は割と淡白なんじゃないか…って思っちゃうことがあってねええーん

たまに、無性に声が聞きたいと思うんだけど、向こうは向こうで、僕が忙しいらしいと思って、なかなか連絡をくれないんだ赤ちゃん泣き

…ハハハ、僕も、随分と心の狭い、重たい男だよねえ。自分でも、よく解ってるんだけどさ😅」

ナースチャ「そんなことありませんわ。
…心狭いなんて、有り得ません。独占欲は誰にだって、あるのが当たり前ですものおねだり

 

バミューダー「ほう…?」

ナースチャ「私の婚約者は…あの人は、ほんの一瞬、当たり前のそれをちらつかせた為に、昔、あまりにも大きなものを失ってしまいましたの。

その為に、彼は、未だに自分自身のことを、赦せずにおりますの」

 

バミューダー「…………」

 

ナースチャ「だからなんでしょうね、私に対しても、独占欲らしい感情を、一度も見せてくれないのは…ショボーン

ただ、私には時々、それが虚しく感じてしまって…悲しい

 

バミューダー「君のほうは、独占欲や嫉妬で、胸が塞がってしまうことがあるのに、…って?」

 

ナースチャ「ええ。そうよ、そうなんです。

ちょっとでも、妬いてくれたらって、時々考えてしまうことが…大泣き

バミューダー「君にそこまで深く愛されている、そのフィアンセ君は、本当に幸せな男だねえにっこりラブラブ

 

ナースチャ「バミューダーさんも、奥様に対して、ほぼほぼ私と、同じお気持ちですのねおやすみドキドキ

でしたら、奥様も、お幸せな方ですわ」

 

バミューダー「ハハハ、考えてみたら、その通りだねえ泣き笑い

僕らは、多分、似た者同士だ。…ひょっとして、君のフィアンセって、理系の男かい?」

 

ナースチャ「ええ。…もしかして、バミューダーさんの奥様も?びっくり

 

バミューダー「うん、当たり。…彼女は理系学部にいたよ」

 

ナースチャ「…バミューダ―さんが、気持ちよく演奏に集中できるように、奥様も、甘えたい気持ちを、懸命に押し殺しておられるのかもしれませんわおやすみ

 

バミューダ―「そうかな。…だといいな。

…ああ、ここじゃないの?君のデザイン学校」

 

ナースチャ「ああっ、そうだったわ。私、なんだか、すっかり舞い上がってますわねあせる

有難うございます、バミューダーさん。お話が出来て、楽しかったですわ。

…たまにはバミューダ―さんの方から、奥様にご連絡差し上げてみると、いいかもしれませんわほんわかキラキラ

バミューダ―「ああ、そうだねえ、そうしてみようほっこり

君と話をして、僕も少し気持ちが開けたよ。…こちらこそ、有難う。

君にも、君のフィアンセ君にも、そのバレエ衣装を着るお友達にも、運命が常に微笑みかけますようにニコニコ

・・・・・

 

ナースチャ「バミューダーさん、演奏家さんでいらっしゃるのね…

道理で、芸術家特有のカリスマというのか、何ともシュールな、不思議な雰囲気をお持ちの方だこと。

…髪を細かく編んだ、あの髪型、何と言ったかしらね?🤔あの個性的な容姿だけでも、彼の熱狂的なファンになる女の子たちは、大勢いそうだわうーん

そういえば、バミューダーさんって、何の楽器をご演奏なさるのかしら。つい、聞きそびれてしまったわ。

毎年、リサイタルツアーをなさるほど、世界的に有名な演奏者なのでしょうから、クラスの誰かに訊けば、彼を知ってるかしらね🤔もしかしたら、バルバラも…

…あっ、でも、そうそう、今はそれどころじゃないのよ。…バレエ衣装、バレエ衣装だわ驚き💦」

 

・・・・・

バミューダ―のマネージャー「バミューダーさん、20分の遅刻ですわ⌚

一体、どこで時間潰しをなさってたんですか?🧐むかっ

 

バミューダ―「ああ、すまないね。若い頃の妻みたいな女の子を見つけたんだ。つい、話しかけてしまってねえ」

 

マネージャー「奥様に似てらしたんですか」

 

バミューダ―「うん、…ただ、顔立ちが似てるわけじゃなくて、誰かの為に常にひたむきだった、キラキラしたまなざしと、横顔がねほんわかドキドキ

…マネージャー君、僕、あと一か所、大学に足を運んでもいいかな」

 

マネージャー「あなたの母校の音楽院ですわね。

それは構いませんけど、夜にはテレビ局と新聞社のインタビューも入ってますし、明日の早朝には、この街も出発致しますよ📋️飛行機

 

バミューダ―「ああ、そうだねえ。…演奏旅行も、あと残り一ヵ月かあ。

…ああ、ゆ~ちゃんに逢いたいなぁ。

ゆ~ちゃんも、たまには人魂のひとつも、飛ばして来てくれたって…えーんダウン

 

マネージャー「それで以前、毎年のように宿泊していたホテルが、軒並み、出禁になっちゃったんじゃありませんか。

『当ホテルに幽霊ホテルだという悪評が立てば、他のお客様が寄り付かなくなってしまわれます。恐れ入りますが、人魂を纏ってらっしゃる方のご利用はご遠慮下さい』って。…もうお忘れですかぼけーDASH!

それより、バミューダーさん、お急ぎを。ファンの方々が、通路で大挙して待ち構えてるんですから、私が皆様の注意を引き付けている間に、裏口から急いで、楽屋に入って下さいませんと🧐」

 

バミューダー「ううう。幽ちゃあん…😭ハートブレイク

 

・・・・・

クックちゃん「幽子さぁーん!

僕ら今日、ここのうちにお泊りだから、夜、ポムちゃんのひいおじいちゃんのお部屋で、また怖いお話してよ!ニコニコキラキラ

 

幽子「…クックちゃんは、全然平気なんだね、怖い話…驚き

 

クックちゃん「うん、大好き!おねがい

こないだ話してくれた、ひとりでに動く電動車椅子のお話、すっごくスリルあって、面白かったよ!ドクロ

 

ロビンちゃん「僕は嫌だっ!…僕は絶っっ対に聞かないからね!怒りあせるあせる

怪談なんて、大っ嫌い!お兄ちゃん一人で聞いてよ。あとから僕に話すのもやめてよっ!おーっ!あせるあせる

100均の装飾パーツ。砂糖のかかったゼリー菓子みたい。綺麗で美味しそう。
 
クックちゃん「えー?最後までちゃんと聞いてみれば、そこまで怖い話ではないんだけどなあ…えー?

ポムちゃんやラークさんは、全然平気だよねニコトチーちゃんも…」

 

トチーちゃん「ふふふ。そうね。

でも、私も怪談はちょっと苦手だから、遠慮しておくわ🤭

クックちゃんは、ポムちゃんやラークさんと一緒に楽しんでいらっしゃいねほんわか

ロビンちゃん「僕とトチーちゃんは、その間、ヨーデルと一緒にキッチンにいて、デザート作ってるからいいっ!不満ピリピリ

 

幽子「…ホント面白いな、君たち兄弟…アセアセ

 

ラーク「不思議な兄弟ですよね。

旅好きのクックちゃんは、どんな怖い話を聞いても、真っ暗な場所にいても、全く動じないんですよ。放浪の旅が出来るように、自然と心身が適応してるんでしょうね。

クックちゃんがたった一度、本当に怯えたのが、僕が仕掛けたイノシシ罠に嵌ってしまった時だと思います。一か所に閉じ込められることの方が、自由奔放な彼には、恐怖なんですよ。

反対に、ロビンちゃんの方は、夜は、怯えずに済む家の中にじっとしているようにと、不思議と心身が出来ています。

真っ暗な夜の森での一人きりの野宿なんかは、ロビンちゃんは怯えてしまって、無理だろうなと思いますにっこり

 
・・・・・

カタカタカタカタ

 
バルバラ「…ナースチャ?こんな夜更けまで、まだ起きてるの?」
 
ナースチャ「ええ。朝までに、これだけは仕上げてしまうわ。
…バルバラ、起こしてしまってごめんなさい。眩しいかしら」
 
バルバラ「ううん。全然…」
ナースチャ「あなたは、昼間のレッスンで、疲れ果てているはずよ。
ちゃんと睡眠を取らなくてはいけないわ。…おやすみなさい」
 
カタカタカタカタ
バルバラ「………」
 
カタカタカタカタ
 
バルバラ「ねえ、ナースチャ…」
 
ナースチャ「なあに?…バルバラ?」
バルバラ「ううん、なんていうか、何だろ…
ラークがまたしても、私の恋敵になりそうだなって、思って…」
 
ナースチャ「………?」
バルバラ「いいえ、何でもない。…おやすみ、ナースチャ」
・・・・・

 

・・・・・

 

これまでのお話

 

登場人物&設定

 

・・・・・

「モスクワ郊外の夕べ」ソロヴィヨフ

 

庭では葉擦れのざわめきすら聴こえず

ここは朝まで静寂の中

僕にとって、どれほど大切かを知ってもらえたらなあ

モスクワ郊外の夕べが

 

小川は流れているのか、流れていないのか

銀色の月光の中に包まれている

歌声は聴こえたと思えば、また途絶えたりもする

この静寂の夜には

 

可愛い人、君は何故うつむいたきりで

時として、横目で僕をチラッと見つめるの?

言おうか言うまいか、悩ましいものだね

この胸に秘めた思いは

夜明けが近づいてきたね

どうか君、忘れないでいてほしいんだ

このモスクワ郊外の夏の夜を


・・・

…よく思うんだけど、

なんでロシアの曲って、日本ではみんな「ロシア民謡」って紹介されているんだろう…?うーん

この「モスクワ郊外の夕べ」は冷戦下の1956年、WW2の終戦後10年も経って作られた、ソ連の新しい「歌謡曲」です。

歌詞もメロディーも美しく官能的で、私は大好きな「歌謡曲」なんですけどね。

 

現在、日本で多くの人が「ロシア民謡」だと勘違いしている「カチューシャ」は、1938年に書かれた労農赤軍の「軍歌」。

こちらにはハッキリ、プロパガンダ色が付いています。

日本の歌詞「林檎の花ほころび 河面に霞立ち♪」には、その箇所は全く反映されていませんが、ロシア語の歌詞を調べてみれば、すぐに判ります。

国境警備に当たる赤軍兵士と、故郷で銃後と純潔を守る娘カチューシャ(エカテリーナ)の恋について書いた歌で、戦争を美化・鼓舞する内容です。「戦時歌謡」が「軍歌」になってったもの。

ウクライナ侵攻後のロシアの戦勝記念パレードでも「カチューシャ」は演奏されました。

 

私は「カチューシャ」は、中学の音楽で「ロシア民謡」として教えられました。

日本では何故かこれらは、反戦を唱える「うたごえ運動」の人たちによって「ロシア民謡」として広められていったのです。

 

私もこの「カチューシャ」好きではあるんですが…

これが何故ロシア「民謡」なのよ?どう考えても、おかしいでしょ…😟と、ずーっと思ってました。

 どちらの曲も、作曲者&作詞者が明確です。

 

…「仕事の歌」「ともしび」「バイカル湖のほとり」「ポーリュシュカ・ポーレ」なんかも、実は赤軍の戦意高揚歌、或いはプロパガンダソングです。

だからって、歌っちゃダメとは当然、全く言ってないですよ。何度でも言いますが、私は好きです、これらのソ連の「軍歌」。

でもさあ、日本の歌に対しては、全く同じ人たちが、文部省唱歌「冬の歌」の中の「過ぎし戦の思い出語る」という歌詞でさえ「戦争美化だ!」と喚きたてて、それこそ墨塗り教科書の如く、虱潰しに潰しまくってませんでしたっけ…?

日本の戦争はダメな戦争だったけど、ソ連など社会主義国の起こす戦争は聖戦だ、という、日本の子供たちへのプロパガンダ、それを70年以上もやって来た、って解釈で、よろしいかしら…?🤔

今「ロシアがウクライナに仕掛けている戦争は絶対に許さない!私達はロシア政府の蛮行を肯定したことは一度もない!むかっ」と声高に主張する某左派政党ですが…正直、信じられませんw 彼らは、子供たちと違い、ロシア語を知っているはずなのですから。

「カチューシャ」については2023年9月現在、Wikiにははっきり「軍歌」と明記されています。

 

イリヤ・レーピン「思いがけなく」(1884-88)。
ロシア。革命家の男が突然帰宅してきた時の、家族の有様が描かれています。一人一人の表情が物語るものが凄い。一幕の芝居のような、緊迫感に満ちた絵です。
部屋に入ってきた息子を見て、思わず腰を浮かす老母。親子としての情愛は今もある筈で、複雑でしょうね。恐怖に凍り付いた目を見開き、男を凝視する妻(か妹)。室内に侵入した害虫でも見るような召使いたちの目。
右端の幼い兄妹は、兄の方は男(父親?長兄?)を少し英雄視しているのか、女ばかりの家に飽き、男の肉親の帰宅が嬉しかったのか、少年らしくこの状況を楽しんでいるようにも見えますが、妹の目は歓迎せぬ客への畏怖と憎悪に満ちています。
下も同じタイトルの作品で、こちらは女性の革命家が不意に帰宅してきた有様。
 

 
【民謡】主に民衆の生活の中で生まれ、口承によって歌い継がれてきた歌の総称。
その地域に伝わる伝承歌。作者不明の事が多い。
 
この定義に照らし合わせて、ハッキリ「これは確かにロシア民謡だ」と言えるのは「コロブチカ」「カリンカ」「黒い瞳(ロシアンジプシーの民謡)」など。
 
日本では「ソーラン節」とか「中国地方の子守歌」「木曽節」「磯節」「佐渡おけさ」「会津磐梯山」「谷茶前」「江差追分」とかが「民謡」に該当します。
「別れのブルース」や「くろがねの力」を「日本民謡」カテゴリに含めたら、明らかおかしいよね。
それと同じようなもんだよ。
 
「カチューシャ」や「ともしび」に「軍歌」って言葉使われるのがそんなに嫌なら「ソ連の歌謡曲」でいいじゃん。
どう考えてもロシア「民謡」でないものを「民謡」カテゴリに入れるの、やめましょうよ。…なんか怖いよ😱
義務教育でそう擦り込まれてきたのが原因なんですが、これらを「ロシア民謡」と呼ぶ人のあまりの多さに、白目なるわ絶望