生活のかんじょう -2ページ目

歌を作る行為はセラピーになったか?

昨日は感情がぶつかってくる歌として、百人一首の歌についての記事を書きました。

現代のような感情の発露が抑制された時代からみると、一層強い印象を受けます。

昔の歌人達も年がら年中感情を発露させていたわけではないでしょうが、歌に思いを託すと言う行為は、何らかのセラピーになったのではないかと私は思うのです。

あくまでも、ストレスの多い現代の目線からしか語っていませんが。

感情がぶつかってくる歌

このブログでも頻繁に百人一首の歌を取り上げいますが、 勉強するまでの私の印象では、百人一首は当時の貴族を中心に読まれた優雅でのどかな文学というものでした。


そのようなものもありますが、どちらかといえば少数派と思います。


しかし実際に読んでいて驚かされるのは、感情を吐露する非常に迫力のある歌が多いと言うことです。


たとえば、この歌なんていい例でしょう。


玉の緒よ 絶えなば絶えね ながらえば 忍ぶることの よわりもぞする
  式子内親王


わが命(玉の緒)よ、絶えてしまうなら絶えてしまえ。このまま生きながらえているならば、堪え忍ぶ心が弱まるといけないから。


自らの命に「絶えてしまえ」と命令するその激しさ。そして後半では(この恋が)、心に秘めきれずに他人に気づかれてしまうかも知れないと恐れる心。

この感情の揺れ。適切な言葉で表現するすべを持たない私は、すごいとしか言いようがありません。


明日に続きます。




梅雨入りで仕事に差しさわる

以前に書きましたが、『五月雨(さみだれ)』という言葉は、もともと梅雨の長雨を意味します。
陰暦の五月は今の六月に相当しますので、このような字で書きました。


今年は関東地方は観測史上2番目に早い梅雨入り。『五月雨』という言葉が文字通り『五月』の『雨』となりましたね。


この時期のことを詠んだ江戸川柳です。


さてもよふ降ると米櫃がたつかせ


※米櫃=こめびつ


昔は天候により仕事を左右される人が今よりとても多かった時代でした。


大工、左官などの職人、八百屋、魚屋、貸本屋などの様々な行商人…

現代のサラリーマンのような月給制ではない当時、これらの仕事に就く人たちは雨により仕事がお休みになると、その分収入が減ります。雨が続くとその日の飯米にも事欠くようになってしまう…。


参考書籍 川柳 江戸の四季 下山 弘著 / 中公新書 


この短い句だけで、当時の人々の生活がかいま見えますね。そして「米櫃がたつかせ」とややユーモラスな表現で句を詠む作者は、恐らく職人や行商人などの当事者ではない、少し離れたところから眺めている第三者でしょう。

そこが又興味深いところです。

ほととぎす 

ほととぎす。時鳥。


皆さんはこの鳥の名を聞いてすぐその鳴き声を思い浮かべることはできるでしょうか?


私は… 思い浮かびませんでした。


そこでネットで動画を検索し、その鳴き声を確認し、「あっ、これなら知っている」と,

ごく当たり前の感想を持つのでした。


時鳥むせていたので聞きはぐり


江戸川柳の中からご紹介です。

昔はほととぎすの初値を聞いて夏の到来を実感するという、風流な楽しみがありました。

そしてこの初音は夜中から明け方にかけて聞くものだとされており、この初音を聞くために、風流人は一晩中起きていなくてはなりません。


そうした苦労の末、ついに鳴いた現場に立ち会ったのに…


食べ物か飲み物かにむせて、せっかくの初音を聞きはぐれてしまった.


何はともあれ、この鳥は夏の歌に用いられることが非常に多かったようで、古今和歌集の夏の部三十四首のうち、二十八首までがほととぎすを題材にしているということです。


参考書籍 川柳 江戸の四季 下山 弘著 / 中公新書 

 

3ヶ月たって

本ブログを始めてから3ヶ月以上がたちました。

父の遺稿を出版するという具体的成果を出すため、自分の行動管理を行うという意味で、活動記録をつける、また出版化を進めるものとして原稿の内容をより深くとらえるために、父が生前に著作の題材としてきた古典文学を知り、ブログ上で紹介するということをこれまで主に行ってきました。

外に向けてブログという形で発信し、しかも自分にとって未知の「本の出版」というものに取り組むのですから、ブログを書くという行為は外に広がりを持つ行為だと当初は思っていました。

実際そうした面もあるのですが、記事を書く中で自分の内面を少しづつ探り出して行くようなこともそれと同じくらい多いです。内側に広がりを持つ行為とでも言いましょうか。

そして自分にとっては、その行為によって、得るものが非常に大きいと感じています。

と、少しまじめに書いてしました。
もっとブログの内容を面白おかしくしたいと考えているのですが、矛盾する行為でした。

明日からはまたモードを変えていきます。