今年も春の便りをお届けいたします。
夢前川の桜です。
ほぼ満開に近い状態まできました。(4月3日、撮影)
夢前川は、兵庫県姫路市の南西部、南北38キロにわたって流々と流れる川です。
長い川の東岸、西岸に、延々と連なる桜並木があり、春になると、まるで美を競うかのように一斉に開花します。
東西と南北にずらり。圧巻ですよ。
夢前川には、美しいスポットが幾つもありますが、
写真にある桜は、夢前川の最南端にある通称『踏切待ちの桜』と呼ばれる場所で、桜のトンネルが本当に美しいですよ。
近くに山陽電車「夢前川」の駅があるのと大型スーパーがあることから、大勢の人が写真を写しに来る撮影スポットです。
私が訪れた日も、プロのカメラマンらしき人が、高価そうな一眼レフを駆使しながら撮影に余念がありませんでした。
いい写真が撮れたでしょうか。
時々、踏切を電車が通過します。
この桜と電車が、最近では一つの風景となりつつあります。
川の土手下からの撮影です。
ちょっと角度を変えて写してみました。
夢前川の桜は、『全国の桜の名所100選』に選ばれていませんが、
今や名所100選を凌ぐほどの美しさになりつつあります。
元来、花という植物は、太陽に向かって上を向いて咲くものですが、
桜はなぜか太陽を背にして、下を向いて咲いています。
人間に『見て欲しい』と主張しているようです。
人が桜を好きなように、桜も人間が大好きなのです。
人と桜は、相思相愛なのですよ。
早朝の人の少ない時間帯でも、この賑わいでした。
この桜のトンネルには、『桜セラピー』と呼ばれるほど特別に願をかけに来られる人もいます。
心の中に下りたままの遮断機を開けるためです。
何か悩みを抱えている人。
決断を迫られている人。
人生の分岐点に差し掛かっている人。
癒しや安らぎを求めている人。
夢を持っている人。
遮断機の開いた踏切を乗り越えて、長いトンネルを抜けて下さい。
この桜の花びらは、そんな人の心に寄り添い、優しくそっと背中を押してくれる心強い味方でもあります。
今がちょうど見頃ですよ。