
コメディーシーンのクオリティーが異常に高い良質な映画
「ヒロイン失格」は幸田もも子さんの同名漫画を実写映画化したもの。メガホンをとったのは「ハンサム☆スーツ」の英勉監督。主演は「女子ーズ」などの桐谷美玲さん。相手役を演じるのは「まれ」「L・DK」などの山﨑賢人さんと「海街diary」などの坂口健太郎さん。
ストーリー:自分をヒロインと信じて疑わない松崎はとり。彼女は幼なじみの利太に恋をしているが、長年の絆があるため恋に対しては余裕だった。だが、ある日、利太が地味な女子の安達さんと付き合うことになってしまう。ショックを受けたはとりの前に現れたのは、弘光康祐というイケメンの男子だった。そして、弘光君ははとりにアプローチをかけていく。
面白かったです!これは!
相当どうかしてますよ。この映画。2週目で「進撃の巨人」から首位を奪ったのもうなずけます。少女漫画原作の作品は去年から結構観るようになってきて、割と質が高いものが多いと感じていますが、その中でもこの「ヒロイン失格」は異色の作品だと思いました。
何と言ってもコメディーシーンがどうかしてました。
いやぁ、頭おかしい。ネタバレになっちゃうと面白くないからあまり詳しくは書かないですが、僕の隣に座っていた女の人(当然知り合いでも何でもなくて、たまたま隣に座っていた人)が「嘘でしょ……」とつぶやいたのもわかります。そのくらいどうかしてる。
特に前半は笑いっぱなしってくらいコミカルなシーンがたくさん入っています。これが楽しいんですよね。桐谷さんはホントにヒロインなの!?ってくらい色々やってるし、なかなか良かったです。でも、そのコミカルなシーンがはとりのキャラクター描写にそのままつながっているという面もありましたし、ただ「安い笑い」を取りに行ってるわけではなく、良かったですね。こういう必然性があるけど、笑えるシーンっていうのは面白い映画を構成する上で重要な要素の一つだと思いました。
また、利太とはとりの関係がどうなるのか、というのも気になるところなんですが、恋のライバルとなる安達さんや弘光君もすごく丁寧に描かれていました。それぞれの役者さんの演技が良かったというのもありますが、脚本も上手く作られていたと思います。
安達さんはちょっとやな奴に描かれ過ぎていた気もしますが。
弘光君は観覧車の中でつぶやくセリフがあるのですが、それがもう最高ですね。いやー、わかる!わかるよ!ってなりました。
弘光君かっこいいんだ。ホント。すっごく。
「何、この目の覚めるようなイケメン」っていうセリフで表現されるのはちょっとキツかったと思いますが、その中で坂口さんはかなり上手くイケメンを演じていました。かっこ良かったです。
ポスターとか見たら山﨑さんの方がはるかにかっけぇだろ!って思っていたんですが、劇中ではどっちも同じくらいかっこいいですね。むしろ、役の性格とか考えたら坂口さんの方がかっこいいかも。
そのくらい弘光君が魅力的に描かれていたのは今作のとてもいい点でした。
これによって、「この映画は少女漫画のお約束(最初に出て来たヒーローとヒロインが結ばれる)を踏襲しないのではないか!?」と思わせてくれます。つまり、先が読めなくなるんですね。
実際はどうなるのか。これはぜひ劇場で見てもらいたいです。
賛否はあるかもしれないですが、僕は好きでした。あのラスト。
そんなこんなで、前半はたくさん笑って、後半は恋の物語にハラハラドキドキきゅんきゅんするという素晴らしい恋愛映画でした!これはおすすめ!
公式サイトはこちら。
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