ボブ・マーリー『Bad Card』和訳  | African Symbol Jamaica アフリカンシンボルのジャマイカブログ

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今回は、ボブマーリーの映画『ONE LOVE』日本公開にちなんで、

ちょっと変化球ではありますが、『BAD CARD / バッドカード』を和訳してみました。

この曲は映画『ONE LOVE』には出てきませんが、ボブがなぜこの曲を書いたかの原因が映画『ワンラブ』の中に出てきます。

この曲は、ボブ・マーリーのマネージャーを務めていたドン・テイラーにあてた曲だそうです。

 

ドンテイラーはヒットマンがボブを暗殺に来た時、一緒にキッチンにいて銃弾5発を胸に受けてマイアミで緊急手術を受け生死の境をさまよいました。

《ネタバレ》

映画では ボブの前に飛び出てかばったみたいになっているっぽいですが、実際はたまたまボブが切ったグレープフルーツをもらおうとして、ボブの方へ手を伸ばした瞬間に弾が飛んできたそうです。

ドン・テイラーは顔も名前も知らない白人の父を持ち、母が13歳の時にキングストンで生まれ、彼もまた13歳で家出して独立し、ハスラーとして生き抜いてきた10代を送ったそうです。

その後米国に渡り、パティ―・ラベル、ドリフターズ、ベンEキング、スライストーン、マーヴィン・ゲイ他米国の超有名アーチストの付き人やマネージメントに関わって経験を積み、アイランドレコードのクリス・ブラックウェルにスカウトされてボブ・マーリーのマネージャーとなったようです。

 

BAD CARD』とは良い意味ではありません。

ずる賢い事をするとか、油断のならないトリッキーな事をするとか。

それも親しい仲間のグループ内でそういった狡猾な事をする輩の事を言うそうです。

ドン・テイラーはマネージャーという職権を利用して、長年ライブコンサートの依頼者に多めのギャラを請求して私腹を肥やしていたのでした。

1979年にボブは西アフリカのガボン共和国の大統領オマー・ボンゴの娘パスカリーヌ・ボンゴと彼女が米国に留学していた時に知り合い、親密な仲となり、ガボンでコンサートをして欲しいと頼まれ快く引き受けたボブだったが、その後、到着したガボンでパスカリーヌから『マネージャーに高額のギャラを支払わされた』と聞いて激怒。

(映画ワンラブではリタがボブに伝えている)

ボブはドン・テイラーを蹴り倒したそうです。

キングストンに戻り、ボブはドン・テイラーを問い詰め、その内容をテープに録音していたが、ドン・テイラーは30分おきに自分が証言した内容と違う事を言い、嘘をつきまくり。

そのたびにボブはテープを巻き戻し、「嘘つくな!」と激怒し、ドン・テイラーはどつかれていたそうです。

ドン・テイラーはこのギャラ搾取によりマイアミに豪邸を建てていて、相当な額を搾取し続けていて、それが原因で80年にマネージャーを解雇されます。

その後ドンテイラーは、グレゴリー・アイザックスやジミー・クリフなどのマネージャーとなったそうです。

詐欺師的な人物ですが、経験あるやり手マネージャーだったのは間違いないようです。

 

《ネタバレ》

『ワンラブ』映画内でボブのドン・テイラーへの暴行があまりにも凄まじく、ひいた人が多いショッキングなシーン。

事件の発覚で、それを隠すために何度も嘘をつき、新しい事実がばれるたびにボブに殴られ蹴られされていたらしいので、映画はその何回分を一回にまとめた量のお仕置き暴行という事で激しく撮ったのかもしれません。

 

 

Bob Marley『BAD CARD』和訳

 

You a-go tired to see me face

おまえは俺の顔を見るのもうんざりだろう

Can't get me out of the race

だけど、俺を排除できないぞ

Oh, man, you said I'm in your place

おいおい、おまえは俺と一緒の仲間だと言ってたよな

And then you draw bad card

それなのにずるいことするんだ

A-make you draw bad card

それで悪知恵をはたらかせてだますんだ

And then you draw bad card

そして嘘をつき続けるんだ

 

Propaganda spreading over my name

俺の名前の悪いうわさが広がっていく

Say you want to bring another life to shame

おまえは他の人の人生を恥ずかしめたいんだろう

Oh, man, you just a-playing a game

おいおい、遊んでるのかよ

And then you draw bad card (draw bad card)

それで悪いことを企てる

A-make you draw bad card (draw bad card)

おまえは悪知恵を働かせて

A-make you draw bad card

ずるい事をする

 

I want to disturb my neighbour

ご近所さん、迷惑をかけさせてもらうよ

'Cause I'm feelin' so right

俺は、とってもいい気分なんだ

I want to turn up my disco

音楽のボリュームを上げるよ

Blow them to full watts tonight, eh

今夜はフルワットで響かすぜ

In a rub-a-dub style, in a rub-a-dub style

ラバダブスタイルでね

In a rub-a-dub style, in a rub-a-dub style

ラバダブスタイルでやるよ

 

'Cause we guarding the palace so majestic

俺たちが守っている御殿は本当に威厳があるのだから

 

Guarding the palace so realistic

俺たちが守護している御殿は本当に実在するんだよ

(御殿=ラスタファリズムの事)

 

Them a-go tired to see we face (oh yeah)

やつらは俺たちの顔も見たくないだろうよ

Me say them can't get we out of the race

だけど俺たちを排除できないんだ

Oh, man, it's just a big disgrace

なんてこった、どえらい恥だよ

The way you draw bad card (draw bad card)

そうやっておまえはずる賢い事を企てる

The way you make wrong moves (make wrong moves)

なんとも間違った動きをする

The way you draw bad card (draw bad card)

お前がずるい事を企てるるように

A-make you draw bad card (draw bad card)

お前は信用ならないことをやる

A-make you draw bad card

お前はずるい事を企てる

In a rub-a-dub style, rub-a-dub style

ラバダブの音楽でね

 

 

1番はドンテイラーのトリッキーな行いについてで、

2番からはラスタについてのバビロン批判になっているっぽいです

 

ラバダブスタイルは70年代終わり頃から80年代初期に流行った音楽スタイルで、ドラム&ベースのヘヴィーなリズムに、男女が腰をくっつけあって踊るスタイルですね。

この時代からディージェイ・スタイルのトースティングが流行りだし、当時の流行り言葉だったと思います。

 

『BAD CARD』のトリッキーで詐欺師的な輩を非難した曲に『In a rub a dub style』のフレーズを絡ませる内容になっています。

そして、『ご近所に響かせる音楽をフルボリュームでかける』という展開を加えています。

 

このご近所さんというのは、『ラスタを毛嫌いしている人々』でしょう。

ボブの家(現ボブマーリー・ミュージアム)は、キングストンのアップタウン地域にあり、

ボブの歌(ラスタファリズムな内容)を嫌う近隣の人々に、自分の音楽を堂々と奏でている様子を表している部分でしょう。

 

『Them a-go tired to see we face やつらは俺たちの顔も見たくないだろうよ 

 them can't get we out of the race だけど俺たちを排除できないんだ』

out of the race は音楽業界の中を指していて、ボブマーリー(ラスタファリズム)の認知度と評価が高まり音楽業界の中から排除できないくらいに浸透している状況を表現していると思います。

 

『ラバダブスタイル=音楽』という意味合いで考えて、

『音楽業界の中で人をだまして搾取する輩』と、『音楽業界の中で頭角を現しているボブを嫌う人々』、そしてボブはラスタを守り、音楽を奏で続けているという形でまとめられているようです。

 

(解説・和訳 Pumpkin Yoko)

 

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