三文オペラ | Mevrouwのブログ。。。ときどき晴れ

念願かなって、ようやく見ることができた!

しかも、バリー・コスキーの演出だ。

ベルリンからアムステルダムに引っ越し公演してくれた。

 

私はもともとエラ・フィッツジェラルドのマック・ザ・ナイフが大好きで、

このオペレッタの存在を知った次第だった。

 

De Dreigroschenoper 

Berliner Ensemble / Barrie Kosky 

at ITA Amsterdam (20 May 2022)

 

gebaseerd op
John Gay's Beggar's opera
door
Bertold Brecht (tekst) en Kurt Weill (muziek) in samenwerking met Elisabeth Hauptmann
regie
Barrie Kosky
muzikale leiding
Adam Benzwi / Levi Hammer
scenografie
Rebecca Ringst
dramaturgie
Sibylle Baschung
licht ontwerp
Ulrich Eh
kostuums
Dinah Ehm
 

cast

Macheath ("Mackie Messer"/"Mack the Knife");Nico Holonics, 

Polly Peachum ;Cynthia Micas, 

Jonathan J. Peachum ;Tilo Nest, 

Celia Peachum ;Constanze Becker, 

Tiger-Brown;Kathrin Wehlisch, 

Lucy Brown; Laura Balzer, 

Spelunken-Jenny;Bettina Hoppe, 

Der Mond über Soho;Josefin Platt,

Chorus ;Julia Berger, Julie Wolff, Dennis Jankowiak, Denis Riffel, Heidrun Schug

 

band

Levi Hammer, James Scannel, Jonas Schön, Otwin Zipp, Sebastian Trimolt,Ralf Templin, Lorenz Jansky

 

これは文句なく楽しかった❣️
よくできてる。
元々がユーモア溢れるすじなんだが、演出と役者達の才能ある演技とノリとスタミナ、そして何よりも音楽がいい。
 

バンドはピアノ オルガン トランペット サキソフォン トロンボーン アコーディオン ギター パーカッション 

 

出だしのふにゃーっとした管楽器の演奏からしてうれしくなる。

ちょっと隠微な感じの、たとえは悪いがちんどん屋さんみたいな、

どうも懐かしくも哀愁漂う音なんである。

ドラムと合いの手で観客にアピールするボードビルパターン。

歌も悪くない。

 

セットはシンプル。

黒ラメのストリングカーテン、足場というかジャングルジムのようなスティール枠が数本並んでいる。

小道具はバケツや、ちょっとした花火、長い長い鎖、白アスパラを載せたワゴン、絞首用ロープ

このプロダクションはコーミッシュじゃなくてベルリナーアンサンブルのもの。

バンドも彼らの味がでている。

そして舞台にたびたび参加する。

役者はつねに足場を登ったり降りたり、ダンスしたりこけまくったりしながら

演技をし、歌うわけだ。タフでなければできない。

それが彼らはよく鍛えており、素晴らしい舞台をみせてくれた。

 

簡単ストーリー

ロンドンの乞食組合会長のピーチャムは会員のあがりをピンハネする親分。

その娘ポリーはふと知り合ったギャングの親分メッキーメッサー(マック・ザ・ナイフ)と電撃結婚。

ポリーの両親は二人を別れさせようとメッキーを刑務所に入れる企みをするが

実はメッキーは警視総監のタイガー・ブラウンの幼なじみで、これまでどんな悪事を働いてもおめこぼしになり、逮捕されたことはないということがわかる。

メッキーはプレイボーイで、愛人が多く、娼婦のジェニーやタイガー・ブラウンの娘のルーシーにも手を出している。

ポリーはルーシーと鉢合わせて言い争う。

一方、ピーチャムはタイガー・ブラウンに、メッキーを逮捕しなければ会員の乞食全員6000人ほどを女王の戴冠式パレードの最中に動員してデモをしてやると脅す。

しかたなくタイガー・ブラウンはメッキーを逮捕。数々の殺人や強盗で、死刑が宣告される。

絞首刑になる直前、女王の恩赦がおり、メッキーは助かる。

そして全員でこんなご時世、貧乏だと食べるのがさき、道徳なんてありえん。

貧乏人は惨めに死んでいくんだ。だから少しくらい悪さをしても許してくれよね、と歌う。

 

コスキー版では、流しの歌うたいではなく「ソーホーの月」がマック・ザ・ナイフを歌う。

ソーホーの月は、漆黒(?)のストリングカーテンから顔だけ出す。

 

それからタイガー・ブラウンは女優が演じる。どうやらメッキーとは同性愛の関係らしい。

そしてメッキーが死ぬ前になにか欲しいものはときかれシュパーゲル(白アスパラ)とこたえ、

タイガー・ブラウンは白アスパラをふるまう。

 

 

その後、メッキーは実際に首を吊られる。

だけど、女王の使いがくると、奇跡が起きてケロリと生き返るのである!

このシーンは楽しくできてる!

 

音楽はどっぷりヴァイルの世界で、マックザナイフの他にはソロモンソングというのがまことに哀愁漂っていて好みだった。

 

今回は客席に突然スポットライトを当ててひとりの女性客に「なんかオランダの歌を歌ってください!」っと無茶振りして、そのお客さんちゃんとオランダ式誕生日の歌を歌い出し(偉いわ)👏、

みんな歌えるようだとわかりステージから会場みんな歌って〜と指示。

結局会場全員で大合唱 in de Gloria in de Gloria ♫ で又盛り上がる。

 

終演後。満席の観客総立ち 拍手が鳴り止まず

 

いわゆる硬いクラシックとは違う。

素晴らしいエンターテイメントの世界で、上質である!

このオペレッタ見終わって、ボブフォッシーのキャバレーを見たい、とたまらなく感じた。