ピーター・グライムズ | Mevrouwのブログ。。。ときどき晴れ

Peter Grimes

Music Benjamin Britten Text Montague Slater

Conductor Simone Young
Production Christine Mielitz
Set and costume design Gottfried Pilz
Choreography Roland Giertz
Peter Grimes, ein Fischer Jonas Kaufmann
Ellen Orford, Witwe, Lehrerin Lise Davidsen
Balstrode, Kapitän eines Handelsschiffes im Ruhestand Bryn Terfel
Auntie Noa Beinart
1. Nichte Ileana Tonca
2. Nichte Aurora Marthens
Bob Boles Thomas Ebenstein
Swallow Wolfgang Bankl
Mrs. Sedley Stephanie Houtzeel
Reverend Horace Adams Carlos Osuna
Ned Keene Martin Häßler
Hobson Erik Van Heyningen
 
ウイーン歌劇場にはじめて行った。
空港からウイーン市内は近くて電車も安くて便利だ。
シュテファン大聖堂の近くに安い宿をとって2泊した。



この日はめあてのカウフマンとダヴィドセンによるピーター・グライムズ
 
コロナで各地の歌劇場で、キャンセルされる演目が散見される時期だったので、
いつ、このオペラもキャンセルされるかとハラハラしつつ現地に行ったのだった。
幸い、無事上演。

ストーリー
漁師のピーターは見習いを死なせてしまった事を責められてはいるがピーターに罪はないという判決になる。だが村の人々は彼を気味悪がり罪があると見ている。教師のエレンだけが彼の味方で、長老格のボルストロードもピーターに同情して助けてやりたいと思っている。新しい見習いの少年がピーターの元に来るが、どうもピーターに暴力を振るわれているようだとエレンが気づいてピーターに助言しようとするが、ピーターは余計な事だと今度はエレンに手をあげる。村人たちはピーターを攻め、追い詰められてますます人と意思の疎通ができず、逃げ惑い、見習い少年にも無理をさせ死なせてしまう。正気を失ったピーターにボルストロードは船を沈めろと命じる。(漁師をやめろ)ピーターにとってはこれしかないと思っていた生きる道が閉ざされたわけだった。
 
しかしそれにしても、これはとてつもなく暗く、救いようのない筋だ。
どうしてこんなに暗くて心がささくれだったオペラを書いたんだろうと思うほど。
 
カウフマンのちょっと暗めの声はたしかにこのピーターの役にはあっている。

誤解され、孤立し、追い詰められていく男。

ダヴィドセンは清らかな未亡人教師という役柄ぴったりの声のふくよかさがあり、歌も素晴らしかった。

あまりアリアというようなものはないオペラであるが、数少なくはあったが、デュエットはとても美しかった。

ターフェルはすごい。何も力もいれずかるーく歌っているようなのであるが、ビンビンと響く。

オーケストラはさすがに必死さが現れており、

緊張感ある演奏だった。

演出は、あんまりピンとこない。

でも、余計なことをしていないのでまだましか。

原作に忠実ではあった。

が、舟を引くシーンはもう少し工夫が欲しいなと思ってしまった。

こんな小さなボートだから仕方ない。

ロープがピーターを拘束しようとするものの象徴、という感じで使われていた。

 

とにかく、ブリテンのオペラを見られたこと、

そしてなによりも、カウフマンとダヴィドセンのデュエットを聴くという目的は達成できてたいへん満足だった。