“音楽の違法ダウンロードはいけません。音楽業界の衰退に繋がり、結局良い音楽が聞けなくなります。”というツイートが今朝目に入った。この考え方はある意味正しくある意味安直なのではないだろうか? 今音楽は、1秒間に2万曲、一日換算で約17億曲違法ダウンロードされると言われている。一曲100円換算で1日に1700億円の損失という計算になる!確かに今現在の音楽業界のビジネススキームがこのまま続くと仮定すると違法ダウンロードが業界の衰退に繋がのはまぎれもない事実だろう。しかし、これは非常に限定的な論理だ。 ソーシャルネットワークがウェブ上に出来た今、消費者同士で情報が自由にやりとりされるようになっている。音楽もその情報の一つだが、著作権があり、それをダウンロードする行為が違法とされているという違いがある。勿論、この法律を盾にこの大きな社会行動の流れと戦うという選択肢もある。 あるいは、音楽業界のビジネスモデルそのものを再編するという方法もある事を忘れてはならない。 例えばLastFMやMyspaceのような音楽中心のSNSサービスは確実に多くの無名ミュージシャンに多くの人々に作品聞いて貰い、リスナーとエンゲージしそこからライブに動員し収入の確保するという機会を与えている。 そしてサービス自体もトラフィックを増やす事で広告収入が得られている。この違法ダウンロードの流れが果たして本当に良い音楽の減少に繋がるかと言うと私はそうは思わない。勿論、法律でそれが禁じられている以上違法ダウンロードやってはいけない事には違いないが、その行為が音楽を殺しているという発言は少し乱暴かと思う。

ソーシャル・メディアの出現により、ユーザーの行動や購買行動は大きくシフトした。それに気付いた特にフォーチュン1000社の多くが企業のマーケティング手法をマスマーケティングから、コミュニティエンゲージメントやインフルエンサープログラムの運用といったところに向けだしている。 
これらの企業活動において、鍵を握っているのはインフルエンサーと呼ばれる一握りのユーザーである事を昨日の記事で説明した。 そして、そのインフルエンサー達が活躍しやすい土壌つまり、コミュニティ作りが必要だと述べたが、今日はこのコミュニティ運用に焦点をあててみよう。

大半の企業では、一度コミュニティ運用に乗り出して、失敗している。
その理由として目立つものが以下にあげる7つの大罪である:

 戦略の欠乏: 長期的ビジョンや戦略が不明確である事
 KPIの欠乏: 目的が不明確である為、効果測定ができず上層レイヤーの理解が得られない
 資金の欠乏: バジェット化されておらず、施策が尻切れトンボ状態に陥る(始める前より悪い状況に陥る)
 人員の欠乏: コミュニティのオーナーが不在に近い状態に陥り、モデレーションができていない
 ガバナンスの欠乏: 会社全体として統率されたコミュニティエンゲージメントができていない
 知識の欠乏: それ以前にコミュニティをマスマーケティングの場として扱ってしまうという致命的なミス
 土壌の欠乏: 結果として、インフルエンサーが活躍できる土壌がなくモチベーションエコシステムが上手く回らない

これらの大罪はそれぞれが有機的に相互作用しており、どれか一つが欠けても、コミュニティは上手く回らないものだ。 次回より上記、それぞれの大罪の詳細解説と、アンツ・アイ・ビューが手がけてきたコミュニティエンゲージメント施策の成功事例を紹介していく。
企業が提供する商品やサービスを実際に使うユーザーの中には一握りだけ、他の消費者に多大な影響力を持った人々がいる。 こういった人々をインフルエンサーと呼ぶ。 インフルエンサーを理解する上で避けては通れないのが90-9-1という弊社(Ant's Eye View)の米国スタッフBen McConnel氏lとJackie Huba氏によって考案された法則だ。

90-9-1の法則とは
オンラインコミュニティでのユーザーの行動を分類した法則だが、とてもシンプルである。


オンラインコミュニティは3つのグループによりエコシステムが形成されており、それぞれが相互にモチベートし合っており、3つのグループの比率が90対9対1に近い状態にあれば、そのコミュニティが活性化するとされている。

  • 90% : “オーディエンス”読むだけで、アクティブな貢献はない
  • 9% : “エディター”コンテンツの編集や情報のリンクは行うが、ゼロからの作成はしない
  • 1% : “クリエーター”コミュニティを引っ張る役割や、新たなコンテンツの創造を積極的に行う


ソーシャル・ネットワークの旅-pyramid

幾つか、実例を紹介しよう:
  • 167,113に渡る Amazon上の書籍レビューはトップ100レビューワーによって書かれた。
  • 50%以上のWikipedia上のコンテンツは0.7%のユーザーによって書かれている:たった、524人
  • 0.16%の全YouTubeユーザーしかビデオのアップロードは行っていない。
  • 0.2%のFlickrユーザーしかアップロードは行っていない。

コミュニティを活性化する上で、非常に重要となってくるのが、この1%のクリエーターや、9%のエディターたちが活動しやすい土壌を作る事である。