50kmを過ぎると、長めの上り坂がでてきた。
見ただけで足がとまってしまう。
心のなかでは、この程度の上りなら楽勝!と思っているのに、身体がだるくて気持ち悪い。
走ろうという気力が全く湧いてこない。
まずは次の54.5km地点にあるエイドまでたどり着かなくては。
54.5kmエイドには、ドロップバッグ(各自必要な着替えや食料を預けられるシステム)がある。
ドロップバッグに、緊急用にいろいろ詰め込んだはず。
そこで様子をみて、この先のことを考えよう。
走って先を目指すか。。リタイアか。。
自分のドロップバッグを受け取る。
このままでは完走は厳しい。どうせだめなら、やれることを全部やろう、と開き直った。
簡単にはあきらめたくない。
むかむかするので、まずは胃腸薬を飲んだ。それから、足の筋肉に違和感があったので芍薬甘草湯を飲んだ。
食欲はないが、無理やりおにぎりを食べた。他にバナナやオレンジ、黒糖も。
それからバッグに入れてあったアミノバイタル、アミノサプリ、昨日湧別のツルハドラッグで買ったヴァーム顆粒とか、持っているものを総動員してみた。
最後に、エアーサロンパスを両足にくまなく吹きかけた。
(エアーサロンパスは、ユウさんのアドバイスで前日に急遽購入。今までこういうの使ったことないので初めて使ってみました。)
気がつけば、休憩で20分程経過している。
スタート前に、ユウさんに関門時刻の表を貰ったのを思いだした。
時間を確認。頑張ればまだ希望はある。
身体も少し楽になった気がする。
よし、行けるところまで行こう。
気持ちをあらたにして走り出す。
しっかりと食べられたおかげなのか、身体が動く。自分なりのペースをとりもどえsた。
時間に余裕はないが、まだあきらめたくない。
自分のペースを取り戻し走れるようになった。
50km~60kmは、いいペースで走れた。
白帆・斉藤商店。
前日のユウさんのコース案内で教えてもらったが、名物エイドらしい。
辿りつくと、顔を拭いてください、と温かいタオルを渡された。
気持いい。
冷たいゼリーをいただく。
身体の内側が気持ちいい。
〆は、温かいお茶。
いたれりつくせり。リフレッシュできた。
関門を突破してください!と声援を受け、再び走り出す。
大きな旗を振って応援してくれる方も。
足全体が疲労しているが、走れないほどではない。
足裏が痛い。。両足おそらく水ぶくれができている。
ゆっくりでも足をほぼ止めることなく、
80km地点まで来れた。
この先が、サロマ湖ウルトラマラソンのクライマックス、ワッカ原生花園。
ここから先は、前日確認できていないので未知の世界。
ミストシャワーをくぐりぬける。
ワッカ原生花園の入り口。
木々が現れ、細かなアップダウン。
お~なんだかテンションがあがります。
木々を抜けると、一気に視界がひらけた。
右側がオホーツク海。左側がすぐサロマ湖。
細~いところを走っていきます。
風はちょっと強くて寒いですが。
どんどん走っていきますが。。先が見えない。
どこかで折り返してくるはずなんですが。
どこまで続くのだろう。。
ところどころ可愛らしい花が咲いているけど、景色はずっとこんな感じ。
折り返し地点まであと1km
やっと看板がでてきました。
1kmか。。疲れた身体に1kmは長い。
折り返しまであと200m
一所懸命がんばって走ってるつもりなのに、先ほどの看板から800mしか進んでいない。
この橋を渡って折り返し。
時間に余裕はないけど、ゴールまであと8.5km。
ちょっと安心して、北海道の炭酸飲料、リボンナポリンをいただく。炭酸苦手なので、ちょっとだけ。
このペースでいけば、ゴールできるはず。
あせって力むと、思いがけず足が攣ったりするので、脱力を心がける。
脱力すると、着地の衝撃も足だけじゃなく、体全体で、分散して受け止めているような気がして楽気がする。
ワッカ原生花園を抜けて街中へ。
ここは通称ヴィクトリーロードと呼ばれるらしい。
ここまで来れば、まずゴールできるらしい。
沿道で、ユウさんの奥さんがミク(愛犬)を抱いて応援してくれていました。
ありがとうございました。
ゴールが見えた。
ゴールではユウさんが待っていてくれました。
ユウさんは、腰の痛みから42.195kmでリタイアしたらしい。
昨年、完走しているだけに残念です。
ありがとうございました。
無事じゃないけど、ゴール!
苦しかったけど、なんとかゴールできました。
おそらく、一人で参加していたらゴールできていなかった。
ユウさん夫妻に助けられた部分はかなり大きいです。
ユウさんのアドバイスがなかったら、早い段階でリタイアしていたと思います。
ユウさん夫妻、いろいろと有難うございました。
ゴール後、わりと元気だったのですが、ユウさん宅に戻ってから玄関で靴を脱ごうとしたら、腹が攣って(横隔膜?)悶絶。大変、ご迷惑をおかけしました。
時間はかかりましたが、完走できて嬉しい。
また機会があれば、参加。。今はしたくありません(笑)
願掛けというわけではないのですが、絶対に完走する!と密かに心で強く思っていました。
自分が完走したからといって、何かが変るわけではありません。
それでも、やり遂げる姿を、今回弟へ伝えたかった。
弟へ
100kmゴールした。こんな兄でも頑張ればなんとかなったよ。