アメリカでのK-Pop低迷期が来るのか | アカデミアからのぞくJ-POP, K-POP, HIP-HOP

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このブログではアカデミックな立場から(主にアメリカで)どのようにJPOP, KPOP, HIP-HOPが認識・議論されているかを文献なども紹介しながらお話ししていきます。のんびり書いています♪

こんにちは!

 

何事もサイクルがあるものです。

 

本日のテーマは、

 

 アメリカでのK-Pop低迷期が来るのか

 

と言うことで、

Rick Beatoのアメリカにおける

ビルボードヒットチャートの

解説を元にお話ししていきます。

 

この動画解説にはK-Popは一切出てきません。

つまり、アメリカではK-Popというのは

Popの中に含まれていると思われます。

というか、メジャーなジャンルではないの

でしょう。

ただ、このチャートが今後のK-Popの音楽性

にも影響が出るかもしれないということで

引用させてもらっています。

 

以前からお話ししていることですが、

これは、アメリカでのhip-hop人気の

下降と関係しています。

アメリカでよく聞かれている音楽ジャンルは

  • Hip-hop 27%
  • Pop 27%
  • カントリー 20%
  • ロック 19% 
  • R&B 9%
  • ラテン 6%
  • ダンス 3%

(数字はヒットチャートで占める割合

指しています。)

 

こう見ると、トップはHip-hopと

Popがチャートを占めていることが

わかりますが、実は・・・

ここ数年でHip-hopが下りに下がって、

27%まで下がってのPopと肩を

並べる結果なのです。

 

アメリカではHip-hopの人気が

だんだん下がってきました。

いわゆる、EDM、トラップ系です。

このグラフを見ると、2019年、2020年には

ビルボードのチャート、なんと50%以上も

占めていたhip-hop(赤線)がどんどん⤵️下降して

いるのがわかります。

 

音楽評論家の分析によれば、

そろそろアメリカ国民が

Hip-hopに「飽きてきた」そうです。

そして、ヒップホップに代わる人気の

ジャンルは、以下の二つ。

チャートを占める割合も急上昇。

 

カントリー(8% 右矢印20%) (+150%右上矢印)

ロック (12% 右矢印 19%) (+58% 右上矢印)

 

ヒップホップ (43% 右矢印 27%) (-37%右下矢印)

(こちらは下降です。)

 

ポップは平行線ですね。

全体的に、曲調がアップテンポから

スローになってきているということです。

つまり、ゴリゴリダンス曲がもう

アメリカでは聞かれなくなってきている

現象が起こっています。

アメリカ人がゴリゴリHip-hopや

トラップにお腹いっぱいになり

味変したくなるタイミングに

来た、それが2024年だそうです。

 

これもサイクルです。

 

そして、楽器で言うと

ピアノ曲がへり、ギターがメインの

曲が増えてきた。

また、曲の長さが短い。

二分〜三分。

これも、ビートルズの頃の

傾向ですね。

ビートルズの曲も短かったみたいです。

 

さて、K-Popでいうと、

90年代後半からシンクロダンスを

売りにダンス曲で売り出してきました。

まさに、90年代というとヒップホップの

人気に火がつき、ヒップホップ人気が

上昇していた頃でした。

 

しかし、ロックやカントリーが

人気が上がってきている中、

そろそろダンス中心のK-Popも

あまり同じパターンでやっていると

飽きられるのかな、と思います。

「またこれか」と。

だから、たとえば、HYBEは

ラテンを攻めていく、と

いうことを打ち出していました。

が、これはこれでどういうこと

なのかまだよく把握できていません。

ラテン系の曲をK-Popに使っていくのか、

それともラテン系のアーティストの

プロデュースをしていくのか?

これでアメリカにすぐに影響される

K-Popがどう変わっていくのか。

ダンス曲が減るかも?

ただ、今のままだと確実に

頭打ちになるだろうと思います。

 

やはり、ブレない音楽性が

必要になってくると思います。

(逆に、私は日本のhip-hopが

独自の方向でその隙間に入って

行くかもしれない、と期待はしています。)

アメリカの真似ではないもので

勝負がいいと思います。

 

それではまた次回。