【X-Pop】X-Popはわけのわからないもの? | アカデミアからのぞくJ-POP, K-POP, HIP-HOP

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このブログではアカデミックな立場から(主にアメリカで)どのようにJPOP, KPOP, HIP-HOPが認識・議論されているかを文献なども紹介しながらお話ししていきます。のんびり書いています♪

 

【X-Pop】X-Popはわけのわからないもの?

皆さん、こんにちは!

 

XGはK-Popではなく、X-Popなのだ、

と、Billboardでも答えていました。

 

K-Popでもなく、J-Popでもない。

韓国で、韓国人に受け入れられなくてもいい。

なぜなら、韓国がターゲットではなく、

『世界』だから。

日本のマーケット特化型でもない。

日本が第一優先ではない。なぜなら、

ターゲットはあくまでも『世界』だから。

(しかし、自ずと日本人に応援されるであろう

という意図はあるようです)

 

Avexの調査だと、XGのリスナーの30%が

日本から。20%がアメリカから。そして、

50%がその他の国から、だということ。

これが、Avexにとっては「理想的な」分布だ

という。

引用元:ビルボード記事↓

 

 

ここで問題となってくるのは、

韓国で歌番組に出ていて、K-Popの

カテゴリーであるにもかかわらず、

アメリカの音楽に影響を受けている。

全てが英語歌詞。

K-Popにリスペクトがない。

などの批判でなかなか韓国国内では

まだ他のK-Popグループのように人気が

出ないようです。

 

で、「X-Popというわけのわからない

ことを言っているからだ。

素直にK-Popに切り替えたほうがいい。

売り方を変えない限り、韓国で受け入れられる

ことはなく、歌番組にも出られなくなるだろう」

という意見もあるようです。

 

いや・・・確かに。

それもそうだとも思います。

その意見が間違いだとは思いません。

しかし、J-Popのビジネステンプレートでは

世界進出は無理なのだからK-ビシネスを

利用するしかない。(これが、日本で

初めてSMエンターテイメントと

手を組んでK-Popグループを日本で

売ることに成功させたAvexの狙いだと

思います。次なるプロジェクトです。

ここで終わらないよ、という。)

 

その売り方、態度も含めてが

X-Popなんだと思います。

【異端】だということです。

誰もやってこなかったことを挑戦する。

その態度がX-Popです。

そこに関してはサイモンPDがしっかりと

説明をされています。

挑戦しなければ失敗か成功かわからない。

そして、K-Popとの区別。

K-PopともJ-Popとも差別化を図り

独自の方向性に進んでいく。

多様性を強調する。アメリカでは

『多様性を重んじる』ということが

教育方針でも出てきます。そこを目指している、

ミッションにしている教育機関が多いです。

うまくできているかどうかは

別として、その意識は日本より高いと

思います。

 

さてさて、アメリカにもいわゆる

ガールグループは存在していました。

アメリカにはFifth Harmonyという

ガールグループがいました。

The X Factorというオーディション番組で

選ばれたメンバーから構成されています。

 

2018年まで活動していましたが、現在は

それぞれがソロ。

リードシンガーの、Camilla Cabelloが2017年に

グループを脱退。ソロとして活動開始。

その後、解散をしたわけではないですが、グループ

としての活動はないです。

 

 

この方々の力強い歌は好きですね。

声量と歌唱力がすごい。

アメリカではかなり人気がありました。

このグループは、女性の強さを発揮する、みたいな

コンセプトで古典的で、否定的な

ガールグループのイメージを払拭して

自分たちの主張を言っていこう、という

力強いグループでした。

 

こういう強い女性のイメージで売っていくグループも

K-Popのガールグループにも増えてきましたね。

Camillaの歌い方を真似た人、結構いると思います。

 

XGはただただ強いだけではなく、

他人と違ってもいいんだよ、という

メッセージもあると思います。

なんでもかんでもアメリカがいいという

前提でスタイリングしてしまうとダメだと

思いますが、日本人であるというアンデンティティーを

失わなければ個性的なグループになると思います。

アイデンティティーはポイントです。

アメリカが全てだというスタイリングでは

「世界」を目指せない。なぜなら、どこまで

行っても「アメリカが上」だから。

これでは、アメリカ覇権主義がまかり通ってしまうし、

グラミー賞K-Pop部門というように、サブカテゴリーで

止まってしまうのです。

アメリカを驚かせてほしいし、超えてほしい。

「世界」=アメリカという戦後の敗戦国、

日本みたいにならないでほしい・・・という

個人的な願いはありますね。さすがに

それはないか。

 

2024年はどのような曲で、どのような

スタイリングでカムバしてくるのか、

楽しみですね。

 

それではまた次回。