これからのK-POPの音楽性の方向 | アカデミアからのぞくJ-POP, K-POP, HIP-HOP

アカデミアからのぞくJ-POP, K-POP, HIP-HOP

このブログではアカデミックな立場から(主にアメリカで)どのようにJPOP, KPOP, HIP-HOPが認識・議論されているかを文献なども紹介しながらお話ししていきます。のんびり書いています♪

こんにちは!

日本は暑いですね〜。

昨日は海に行ってみました晴れ波

 

さて、本日は、

 

これからのK-POPの音楽性の方向

 

ということについて

お話しします。

 

日本に帰ってきて、音楽番組を

見たり、TVコマーシャルを見ていると、

「ぷっちょ」のCMに&Teamが出ていました。

一緒に見ていた母親が、とっさに、

「この人たちがBTS?K-POPの人たちだよね?」

と言い出しました。

&TeamがK-POPだということは正解ですね。

私の母親も、K-POPのグループがどういう

スタイリングなのかは理解しているようです。

つまり見た目が決め手。これもK-POPの特徴かと

思います。

 

先日、BTSのジョングクさんがソロ活動

初めてのシングル、『SEVEN』

発表されました。↓

 

有名な女優さんとMVで共演されてて、

すごくいい感じです。

 

一応、私はArmyでもあるし、ジョングクの歌い方は

好きなので、待ちに待っていたシングルでは

あるんです。

 

ただ音楽は・・・これがK-POPだ、という

決め手に欠けるというか、わかりづらい。

K-POPは、アメリカンポップスみたいな

感じになっていくのでしょうか。

(アメリカで次々とレコードレーベルを

買収しているHYBEらしい戦法。)

 

ジョングクの「SEVEN」を聞いていると

彼がK-POPを代表する大スター

BTSのメンバーだという

事実と背景はあるものの、曲自体

歌詞も英語でアメリカンポップスであり、

音楽性でのK-POPの要素があまり感じられ

ません。

アメリカのヒットメーカーがプロデュース

しているものなのでそれはそうなのですが、

この曲を、仮にチャーリー・プースや

ジャスティン・ビーバーが

歌っている状態を簡単に想像できます。

違和感はないです。

 

最近、ビルボードにチャートイン

しているYOASOBIの「アイドル」

と比べてみると面白いです。

まず、「アイドル」がJ-POPである

理由は「日本のアニメの主題歌」

であるということ。そして、日本語で

あるということ。YOASOBIの

プロデュースであるということ。

(外国のプロデューサーを

使っていない)

音楽性はJ-POPだと明らかに他のジャンルと

区別がつきます。

 

以前にも書きましたが、

K-POPは明らかにビジネステンプレート

であり、ブランド化しています。

音楽性の特徴ではなく、その

「ブランド力」のみで売っています。

ですから、BTSのジョングクという

ブランド力が大事なのであって、

音楽そのものがK-POPなのかどうか

については疑問。

このブランド力を差し引いてこの曲を

みると、アメリカンポップスを歌っている

アジア人です。

つまりは、Kの要素がない。

ハイブリッド文化と言われることも

ありますが、ハイブリッドだと

文化間に格差はないものだと

いう主張があります。

つまり、どちらかの文化が上位・下位に

ならないこと。ところが・・・

わかりやすくアメリカに寄せるK-POP。

寄せ過ぎている感じもあり、

ここまでくると、アメリカに媚びている

ようにも見える。

アメリカで売るのが目的とは言え、

これだとK-POPの良さは伝わりません。

アメリカがあくまでも優位に

あるということがはっきりしているだけ。

(もちろん、アーティストに問題は

ありませんよ。ジョングク大好きです。)

 

このTXTとJonas Brothersの

『Do it like that』にも同じことが

言えます(HYBE傘下の同じレーベルだし)↓

 

 

なので、この部分に注目し、

これは実は音楽としては本物ではない

という学者もいらっしゃいます。

K-POPとして生き残るにはKを

残した方がいいという主張は

あるのです。

 

今、韓国で人気のあるものと

アメリカで人気のあるK-POPグループに

多少なりともギャップはあるようです。

アメリカに寄せれば寄せるほど

韓国人の心に刺さらなくなっていく。

ビジネス戦略により過ぎてしまうと

何かを失うかもしれない。

皮肉にもそれは韓国独自の個性。

 

逆にXGのようにK-POPなのか

なんなのかはっきりと言わずに、

K-POPビジネステンプレートお借りして

世界行きますよ!と、堂々としていた方が

潔いのかもしれない。

K-POPとはっきり言っていないのだから。

でも、Kビジネスには敬意を払いますという

スタンスを貫く。

となると、ますますK-POP独自の音楽

に関しては、個性を失ってしまう。

 

ただ、それがK-POPなのだ、とゴリ押し

すれば、それはそれで一つの特性なのか。

これからどうなるのか・・・。

 

では、また次回。