フェスティバルホール
首席客演指揮者を務める鈴木優人が指揮して、ヴィヴァルディの「四季」とピアソラの「ブエノスアイレスの四季」を合わせて編曲した「二つの四季」とストラヴィンスキーの「春の祭典」を指揮した。コンサートマスターは木村悦子。
「二つの四季」では、バンドネオンの三浦一馬と、ヴァイオリンの成田達輝が協演した。この曲の編曲は、鈴木優人自身と萩森英明によるものらしく、なかなか趣向を凝らした作りになっていた。
ヴィヴァルディとピアソラが交互に現れたり、重なったりしながら、季節ごとの四つの楽章に分かれて演奏される。鈴木優人もピアノとチェンバロ、そしてMCで場を盛り上げた。
どちらかと言うとピアソラが多めだったと記憶している。時代も場所も異なるこの2曲が、合わさると言うから、もっとファンタジックなのかなと思っていたら、そこまででもなかった。ただ、クラシック音楽を新たな視点から見れるということで興味深い面があったのは事実だろう。ただ、2つの曲を合わせただけあって、演奏時間は1時間ほどで、楽章ごとのMCが無ければ集中が途切れてしまう人もいただろう。
鈴木優人いわく、「大阪ではないとできない企画」だとか。まあ、その通りかもしれない。あえて語りはしないが、、聴いた人なら言わんとしていることは分かるだろう。
後半は真面目な「春の祭典」であった。もっと神秘的というか、現実離れした情景を浮かび上がらせてもよかったのではないだろうかとも思うが、それは私自身が今まで聴いてきた「春の祭典」がそうであっただけなのかもしれない。
ちゃんと数え間違いがなければ、弦14型?だったと思う。それ故か弦が埋もれるところが見られた。オーケストラの大きさ的に弦16型でやるのは難しかったのかもしれないが、5管編成で弦14型は厳しいということだろう。
そして、今回はかなりの招待があったようで、制服姿の集団など、普段では見ない客が多くいた。今回を機に是非いろんなコンサートに行ってほしいと思うが、このプログラムでどこまで惹かれてくれたか予想はつかない。