2024.5.5(日)ガルガンチュア音楽祭 バリー・ダグラスリサイタル | Concert memory

金沢市アートホール

 

 この音楽祭で来日している、最も名の知れた巨匠バリー・ダグラスのリサイタル。曲目はラフマニノフ 2つの小品、プロコフィエフ バレエ「ロメオとジュリエット」からの10の小品より3,4,5,6,7,8、ブラームス 7つの幻想曲より1,3,4,7、そしてベートーヴェン ピアノソナタ第8番より2楽章。

 ラフマニノフだけなぜかチェロとの二重奏で、地元で愛されているルドヴィート・カンタと共演した。前半のラフマニノフとプロコフィエフでは本領発揮とはなかなかいかなかったようで、この先どうなるのかと冷や冷やした。カンタと息があわないということもそうだが、曲的にも重めの深い音色が合わなかったのもあるのかもしれない。

 ベートーヴェンやブラームスになるとなんともいい演奏を聴かせてくれた。近年、軽やかな音色でよく演奏されるが、ダグラス氏は重厚過ぎないが深く落ち着きのある音色を響かせた。本人的にも前半二曲よりも思い入れがあるのか、表現も豊かで、余韻を大事にしているように思えた。アンコールはチャイコフスキーの「四季」より10月「秋の歌」。

 この不思議なプログラムは、集客を狙ったのと音楽祭のテーマに合わせたということなのだろうが、ピアニストが出す音色に合う合わないというのも考えて曲を決めてくれるといいのだが、、

 音楽祭であるから普段コンサートに来ない人が多く来ていたせいだと信じたのだが、演奏中話しながら入ってくる人やいびきをかきながら睡眠をとられる方がいたことに対しては、もう少し周りを考えていただきたいなと思う次第である。寝てしまう演奏はいい演奏なのだとある評論家の先生がおっしゃっていたが、いびきをかかれるとなんとも、、最近話題のフライング拍手もあったわけだが、なぜ奏者が完全に手を下すまで待てないのか、、最後の休符まで、ホールに残る残響まで全て音楽なのだ。こちら側が気にしすぎるのもよくないのかもしれないが。