(1)重症喘息発作
ある方の以下のようなコメントがありました。
「ひどい喘息発作で救急外来を受診したら、当直医が聴診器を当ててもそれほどひどく思えないと言い出して、動脈穿刺をして動脈血の酸素濃度を確認し(30分以上、苦しいままで何の治療もありませんでした)、その状況を知った、偶然他の治療で当直していた部長医師が慌ててすっ飛んできて、やっと治療してもらえたことがあります。」
喘息発作おいては、気管支が狭くなるのが呼吸苦の原因です。
気管支が狭くなるのに従い、「ぜーぜー」する音が大きくなるのですが、更に発作が重くなると、通過できる空気の量が少なくなってしまい、「ぜーぜー」する音が小さくなっていきます。
今では経皮酸素飽和度モニターで簡単に酸素飽和度が調べられるのですが、この機械が一般化するまでは、動脈血ガスを採血しなければ、動脈血酸素飽和度はわからなかったのです。
「重症の喘息発作は喘鳴が小さくなる」ということを知っているか、知らないかの違いだったと思います。
このコメントを投稿された方には耐えがたい経験だったのでしょうが、「経皮酸素飽和度モニターが一般化する前だったら仕方がないことだったかもしれない」と私は思います。
(2)若い医師の研修と都会と地方の医療格差
大学の授業、教科書、ガイドライン等で机上の知識は学ぶのですが、実際に患者さんを見なければ十分に活用できないのが、医療の現実だと思います。
投稿者さんがおっしゃるように、「経験があるものだけが深く理解できる」のだと思います。
そのため熱心な研修医は、多く症例を経験できる病院で研修しようと考えます。
規模の大きな病院の方が多くの症例を経験できるので、地方の中小病院よりは都会の大病院で研修することを望む若い医師が多いです。
若い医師の研修と都会と地方の医療格差をどのようにバランスを取っていくか?
難しい課題だと思います。