(1)難関大学出身者は優秀か?

 

 日本では偏差値の高い大学に通っている学生や卒業生は「優秀である」とみなされています。

 

 「優秀な人が多い」という意味では真だと思いますが、中には例外もあると思います。

 

 

(2)(学歴)=(本人の能力(+特性))×(本人の努力)×(環境)

 

 学歴は、「本人の能力」だけでなく、「本人の努力」によっても大きく変わります。いくら高い能力を持っていても努力しなければ学力は高くはならず、難関大学への進学は難しいでしょう。ここまでは誰もが納得できることだと思います。

 

 もう一つ考えなければいけないことは、「環境の影響は大きい」ということだと思います。

 

 環境の影響には「家庭環境」と「学校の環境」があります。

 

 「親がどのような子育てをするか」によって、子どもの勉強に対する姿勢は大きく変わると思います。

 

 中学受験に積極的かどうかによっても子どもの学力は大きく左右されると思います。中学受験には

①中高一貫校は学力が伸びやすい環境である(理由は後述します)

➁中学受験の経過中にハードに勉強するために、勉強の習慣がつく

などの学力が伸びやすい性質があると思います。

 

 学校環境に関しては中高一貫校と公立中学のと比較がわかりやすいと思います。

 

①授業レベルは生徒が理解できるレベルに設定されるので、中高一貫校の方が一般に生徒のレベルが高いため、授業レベルが高く、(授業についていけずに落ちこぼれるリスクはありますが)、同じ授業時間でもより高い学力を身に着けることができる

 

➁カリキュラムの工夫(数学や英語の授業スピードを速めて、中学生のうちに高校範囲の学習を始めるなど)により、学力が高くなる

 

③私立中学は勉強に対して前向きな生徒が多い。勉強に対して後ろ向きな生徒も多い公立中学校とは同級生からの影響が大きく異なる

 

などの違いがあると思います。

 

 私立中高一貫校と公立中学校とでは環境が大きく異なり、学力への影響も大きいと思います。

 

 このように学力は「本人の能力」や「本人の努力」だけでなく、家庭や学校など「環境の影響も大きい」と思います。

 

 さらにつけ加えるのなら、ADHDやASDの特性があると学力が十分に伸びないこともしばしばあると思います。

 

 また、家庭の経済的な環境によって学力が高くても学歴を伸ばすことができないこともあります。

 

 よって、学歴は以下のような式で表すことができると思います。

 

(学歴)=(本人の能力(+特性))×(本人の努力)×(環境)

 

 

(3)人事課の方にお願いしたいこと

 

 企業の活動が成果を上げて、従業員により高い給与を支払い、より多くの税金を支払うことが日本国のプラスになり、日本国民のプラスになると思います。

 

 ですから、各企業は優秀な人材を採用して、収益をあげてほしいと思いますし、人事部の方には優秀な学生を見逃さないでほしいと思います。

 

 高学歴の人は優秀な人が多いのは事実だと思いますが、そうでない人も一定数います。

 

 学歴があまり高くない人の中にも、環境に恵まれなかったために高校生時の学力は高くなかったけれど、「実は優秀」である人も一定数います。

 

 学歴だけで学生を判断するのは企業にとっても、日本にとっても得策ではないと思います。

 

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