(1)就学前の子どものIQはしばしば低めに出る
就学前の子どものIQは低めに出ることがしばしばあります。
知能検査では、口頭で問題を提示するのですが、その意味をよく理解できないことがしばしばあるからだと思われます。特に自閉スペクトラム症の特性があると、実際の知的能力よりも数値が低く出てしまう傾向にあると思います。
例えば、小学校に入学前に平仮名の読み書きができる子は知的障害である可能性は低いと思います。しかし、そのような子のWISC検査をするとIQが60代のことがしばしばあるのです。
年長時のIQが60代だったために、小学校は知的学級に入級したものの、小学校2年生、3年生でIQを再検したら80代である例がしばしばあります。
「IQが知的障害の範囲だから、知的学級へ」と安易に決めてしまい、小学校1年生~2年生を知的学級で過ごすと学力が伸び悩み、IQが実際は高いと後に判明しても通常学級に戻ることが困難になってしまいます。
(2)就学で迷ったら自閉情緒学級にした方がいい
通常学級で学ぶよりも少人数の特別支援学級で学んだ方が
①その子のペースにあった内容の学習ができる
②少人数の教室なのでほめてもらえる機会が多い
③多少の問題行動があっても特別支援学級では大目に見ることができるため、叱られることが少ない
などの点から、子どもたちにとってよいことが多いです。
多くの場合本人も、「特別支援学級に移ってよかった」と言います。
ただし、知的の特別支援学級に移ると、学習のペースがゆっくりになるため、通常学級に戻ることが困難になります。
知的学級か自閉情緒学級か迷う時は、
「自閉情緒学級にした方がよい」
と私は思います。
子どもたちにとって適切な環境を選び、子どもたちの可能性を最大限に広げてほしいと思います。
こちらの記事もご参照ください。