巨大IT企業グーグルの世界各社を合わせた全社員のうち、障害があると自認する社員の割合が2018年には7.5%だったことが、同社が今年4月3日に発表した“diversity annual report”(ダイバーシティアニュアルリポート)からわかりました。
グーグルは対外的に多様性あふれる企業文化を発信してきましたが、元社員による「多様性批判メモ」の問題や、幹部のセクハラ問題が注目され、発信と実態との乖離が疑われていました。そうしたなか、同社は、女性や非白人その他マイノリティの社員採用や管理職登用に一層力を入れる方針を明らかにしました。
今年4月3日には、2018年の多様性方針への取り組みの成果を示す“Google diversity annual report 2019”を発表しました。
"This Year"の章の"New demographic data"に、「障害があることを自認する社員は7.5%」という数字が出ています。これは日本の障害者の法定雇用率2.2%を大きく上回ります。
また、LGBTと自認する社員は8.5%であることも掲載されています。
障害者への理解に加え、障害認定の制度が日本と海外で異なり、海外は日本より障害認定の範囲が広くなる傾向があることも、高めの数字が出やすい理由とみられます。
7.5%の障害者がどんな職種についているのかが気になります。グーグルで働いている障害者像として考えられるのは、自閉症スペクトラムやアスペルガー症候群で高いスキルを持ったエンジニアなどでしょう。またグーグル社内には、無料の食堂や、シャワー、トレーニングジムなどもそろっています。エンジニアとしての雇用だけでなく、社内施設のスタッフとして雇用されるケースもありそうですね。
また、日本法人の障害者雇用事情(2017年11月時点で従業員数およそ1300人、必要な数は29人)も気になります。
予想される要求水準からすると、とても働ける人が限られそうなイメージですが、実は全く逆でした。
GAFA(Google, Apple, Facebook, Amazon)の社会的責任が問われているなか、良い情報です。
最近は、世界の有名企業が社員の多様性に関する構成比を自主的に公表するケースが増えてきました。
障害者の雇用率も公表されていることがあります。
アメリカなどは割当雇用制がないなかでも、ここまで積極的に雇用している点が評価できます。