ブラインドライター 松田昌美さん | 艶(あで)やかに派手やかに

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「女性」✕「発達障害」✕「アラサー」×「グローバル」の立場からダイバーシティ(多様性)について発信しています。

ココライフ女子部のメンバー、ブラインドライターの松田昌美さん。ココライフ編集部内ではマチャミと呼ばれます。

マチャミは物心つく前から全盲でした。ですが、母親は「甘やかしてはいけない」という考えを持っていて、厳しく育てました。厳しすぎた面もあったかもしれません。しかしマチャミはそれでも這い上がりました。そこから生きる力が身に付いたようです。
盲学校を卒業してから企業に就職したものの、仕事らしい仕事を任せてもらえず、席に座っているだけ、良くて一人で簡単な作業をするだけの日々。職場には「君は座っているだけでいいんだよ」という考えを口にする人もいました。視覚障害者がコンプライアンスのための数合わせの道具としかみられない現実がここにも。相手にされないつらさから、仕事を辞めて別の会社に転職しますが、そこでも座っているだけ。そんな転職を繰り返しました。マチャミはすっかり自信をなくしてしまっていました。
そんななか、見えないなかで研ぎ澄まされてきた聴覚を、雑誌の編集者に見出されました。マチャミは「ブラインドライター」と名乗って、テープ起こしのプチ起業をしました。これが、多様性が生み出すイノベーションです。
テープ起こしはかなりのハードワーク。徹夜したこともあります。だけどマチャミはイキイキとしています。それは「思いっきり力を試したいんだ!」という若さと情熱からできることです。
どんなに早口で話しても、マチャミは書き起こしてしまいます。拍手の音の大きさから、集客数を当てることもできます。
マチャミはファッションモデルもしています。「テンボ」というバリアフリーのファッションブランドを営む鶴田能史さんがデザインした美しいドレスに身を包み、ステージを歩きました。

マチャミが最近、大学で講演しました。
以下、リンク先より。

「私は視覚障害者として見える見えないを競って同じ輪の中で生きる事に興味はないんです。それより健常者の中で波に揉まれてもその中で上を目指す生き方を選んで目標に向かって目指し生きる道を選択し続けたい」
と伝えた瞬間学生の視線が一気にこちらを見て私語がピタッと止まりそれ以降リアクションるの声が聞こえる事がなかった。まさにみんなの気持ちを掴んだなという瞬間でした。
この声はまだ届くんだ。伝え続ける事に意味があるんだと感動しました!