日本では、フィットネスクラブに通っている人はどのくらいいるのでしょうか?
業界誌の統計によると、全人口に占めるフィットネスクラブ参加者の割合は、ここ数年は3パーセント台で推移しています。
一方、フィットネスビジネスが最も盛んなアメリカでは、全人口の17~18パーセントの間を推移しています。
肥満率の高さや健康保険制度の貧弱さも背景にありますが。
しかしながら3パーセントという数字が示すように、日本国民のほとんどはフィットネスについて知りません。
以前も書きましたが、ダイエットをテーマにしたブログは山のように存在しても、フィットネスというテーマのブログは見付けにくい。
いまだにエアロビクスといえば、ハイレグレオタードで踊るイメージを持っている人もいます。
もっとも、参加していない(できない)人々には理由があります。
適度な運動は大切と頭ではわかっていても、クラブに通うようなお金や時間に余裕がない。(働き方や収入の問題が関係しているのでしょう)
身体を動かす自信がない、人目につくところで運動をするのに抵抗がある、運動についてつらい思い出だけが残っているなど…。(日本のスポーツが競技スポーツ偏重で人作りに使えないものになっている弊害といえます)
さらに、入っても続かないことから、家で運動している方がいいかな…と思う人もいます。(そう言って、家でも結局やらない、というケースも多いですが)
広く日本国民の間にフィットネスが広まるには、従来フィットネスクラブに参加できなかった層が参加できるようになる仕組み作りが必要ではないかと思います。
発達障害児向けの個別指導スポーツ教室「チットチャット」は、その良い例だと言えます。
「スポーツを嫌がる子はいない」「個別対応すればできない子はいない」「できない子にしているのは指導者」チットチャットの代表、森嶋勉氏はこう説きます。
(障害児はその数は少なくても、一人一時間のマンツーマン形式でのサービスにすれば、それなりの規模のマーケットになるでしょう)
従来参加できなかった層を取り込んだ試みは、この他にも見られます。妊婦、母親と乳幼児向けのクラスなど。
カーブスのような、大手総合クラブに参加しにくかった健康状態に問題を抱える中高年女性を取り込んだクラブもあります。
フィットネスビジネスは多様化してきていますが、その流れがより進むといいと思います。
関連記事:
「アデハデ」に込めた想い・第24回 発達の問題とフィットネス