(前編より続く)
■カタナ3.0の登場
VTR1000Fを売却した私は、当初、数ヵ月、遅くとも1年以内には、次のバイクを手に入れようと考えていた。
ちなみにその当時、最も購入の可能性が高かったのが、ヤマハのXSR900。
3気筒エンジンへの興味があったのと、あと、ワイズギアから出ていた初期型RZ250風のオーセンティック外装には、正直シビレた。
マフラーはSP忠男、ホイールはゲイルスピード……などと妄想しながら楽しんでいたそんなある日、私は「新カタナ」の噂を知った。
新カタナの噂は、過去にも何度も出ては消えを繰り返していたから、またそれかと思いつつも、今回はどうやら様子が違うようだった。
本当に出るのか!?
こうして、私のバイクナシ期間はさらに伸びていくことに(苦笑)。
そして、2017年のミラノショーに、衝撃の「カタナ3.0」が登場する。

イタリアのバイク雑誌(?)が企画・制作したモデルとのことだったが、デザインの好き嫌いはともかく、GSX-S1000をベースにした、市販車と見まがうようなモデルが、実際に形になって登場して来たインパクトは大きかった。
そして、まもなく、スズキから新カタナが登場することが確実となった。
スズキは、「カタナ3.0」への返答として、どんなカタナを出すんだろう!?
その全貌が発表されるまでの数ヵ月、本当にワクワクさせていただきました。
楽しかったなあ……(遠い目)
■新カタナ登場
そして、2018年10月、ついに新カタナが正式発表された。

新カタナは、ほぼ「カタナ3.0」のデザインのままで登場した……。
ライトまわりをはじめ、一部、手は入ってはいたが。
ブランニューな方向性でデザインされ、見事なまとまりを見せていた「3.0」(ほんとにスズキとの共同開発ではないのだろうか??)をベースに、市場を意識したであろう旧カタナの意匠を部分的に加味――。
それが、新カタナだった。

ところで、皆さんは「カタナ3.0」のラフスケッチ(?)をご覧になったことがあるだろうか?
「旧カタナっぽさ」という意味では、このスケッチに描かれたバイクは、3.0に比べてさらに「(旧)カタナっぽくない」。
スモールフェイス&ショートテール(シングルシートか?)によって、結果的にタンクの存在感が増し、なおかつ、カワサキのZ1000のような、フロントカウルが明らかにタンクよりも下にくるようなバランス。
シートどころかタンクまでもがハネ上がった斬新なデザインは、ハンドル位置を下げることなく、ライダーのポジションバランスをとっているかのよう。
新カタナのハンドルを、いかに低く設置するかで試行錯誤が続いている現在のカスタムシーンとは、まったく逆の発想だ。
このまま作ったら、シート高が90cmを軽くオーバーしてしまいそうだが(笑)、このラフに描かれたバランスと佇まいこそが「3.0」の本来の姿だったと思われる。
■3型カタナ
「日本刀」のイメージを、いかにオートバイのデザインに落とし込むか。
そんな大喜利のようなお題に対する解答のひとつとして、ハンス・ムートのあのデザインが圧倒的な「正解」として君臨していることは、歴史が証明している。
だが、正解はひとつだけじゃなくてもいい。

私はスズキ社内でデザインされた「3型」がすごく好きだ。
ハンス・ムート・デザインに対する、スズキデザイナー陣の回答。
あの美しいオートバイのデザインは、もっと評価されていいと思う。
リトラクタブル・ヘッドライトという思い切ったメカニズムを取り入れたことによるフロントヘヴィなバランスを解消した、あらたな「3型」を本気で見てみたいと思う。
私が、「3.0」を提示されたスズキのデザイナー陣がどんなカタナを出してくるのか、心からワクワクしていた理由もそこにある。
結果は、3.0とほぼ一緒という、逆の意味で意表を突いたものになったが……。
■カタナとは
カタナとは。
一にも二にも、まずデザインありき。
しかも、カタナの場合、そのデザインは「突出したもの」でなくてはならない(奇抜なもの、という意味でない)。
ハンス・ムートのデザインによるオリジナル・カタナは、本当に素晴らしい。
だが、リスペクトやオマージュではなく、それが「呪縛」になってしまっては、あらたなフェーズへと舵を切ったカタナに未来はない。
カタナの歴史は、これからも続く。
そして、スズキ カタナは、私にとって、これからも“特別なバイク”であり続けるだろう。
完(笑)
P.S.
このブログの「赤/銀カタナ」の写真は、すべてAOSHIMA(スカイネット?)の1/12サイズのダイキャストモデル(ヨシムラパーツが一式付属したこだわりまくりの逸品! すごく良く出来てます)。私が生涯で唯一、所有しているカタナです(笑)。
そして、新カタナをめぐる紆余曲折(?)から約1年後、結果的に、私の次期モデルは、なんとドゥカティ ハイパーモタードに決定!
そのあたりは、またあらためて。
そして、私は今、ドゥカティ ハイパーモタードに夢中です(爆)。






































