なぜか今頃2024-7
『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』
私が長年映画を観続けて、
信用してないものがいくつかある。
一つは、アカデミー作品賞。
しつこいが、『エブエブ』(2022・第95回アカデミー賞において、作品賞、監督賞、主演女優賞など7部門を受賞)は本当にひどかった。
それで未見の過去作/アカデミー作品賞受賞作で、『エブエブ』同様に素性のアヤしそうなのを探していたら、2014年作・第87回作品賞の『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』に行き着いた。
アヤシそうだと言う判断基準は、
本作の監督アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥの過去作、
2006年の『バベル』の徹底的な支離滅裂ぶりに、
私は当時クリエイター志望でドラマ構成を真剣かつ緻密に突き詰めていた頃で、こんなハズレくじみたいな映画に出くわして本当に腹が立った。
(以下再掲・2010年01月21日)
『バベル』(2006)
「人と人が、国や言葉を隔てただけで、わかりあえない悲劇に胸がしめつけられた」
とかいう感想を多く聞いたが、そして映画は表向きそういう感想を導き出すために展開するが、「聾唖(ろうあ)者なんてこんなもんだろ」とか、「モロッコ人なんてこの程度だろ」っていう、監督の浅はかな蔑視の姿勢があちこちからプンプン臭って、非常に不快だった。
こんな映画でヌードになって、菊地凛子も脱ぎ損だよ。
だけど、観客をまんまと煙に巻いたから、カンヌじゃ賞を穫ったんだよね。
アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督は「しめしめ」とほくそ笑んでるんじゃないの?
あほくさ!
とにかく『バベル』を観た時に、「この監督の作品は絶対信用しない」と心に決めて、
それは『ダンサー・イン・ザ・ダーク』(2000)
高校の英語教師時代(2000年。39歳の時)
廊下で女生徒に呼び止められる。
私が映画通と知っていて、
「先生、昨日お母さんと、『ダンサー・イン・ザ・ダーク』(2000)見てきました。
なんなんですか、あの映画?
どういうつもりなんですか!」
いや、別にオレが作ったわけじゃないし……。
ラース・フォン・トリアー監督。
風の噂によると、鬱(ウツ)で新作が撮れないらしい。
こんな映画つくってるようじゃ、あたりまえだね。
『ドッグヴィル』(2003・未見)の鬱(うつ)病監督、
ラース・フォン・トリアー(アカデミー賞受賞歴はなし)の作品も同様、
とにかくこの二人の監督作品は信用できず、意図的に鑑賞を避けてきた。
そしたら『ノマドランド』(2020・第93回作品賞)はけっこうまともで、
チャッP
『アコライト』の3・4・5・6・7話までの視聴と並行して、
『バードマン』も観ておくかなと。
たしかに『バベル』から8年が経過し、
このイニャリトゥ監督もだいぶまともに成長したようで、
全編ほぼワンカット撮影〈風〉(実際は暗転で別撮影をつないじゃいるが)は見もので、
等をホウフツとさせ、
それを見るだけでも退屈はせず、撮影技法的には傑出していた。
ただしセリフやプロットはその撮影の道標・道しるべみたいなもんで、
具体的な内容はほとんどなく、劇中劇の舞台劇もいいかげん。
でもって本作が示したのは、
マイケル・キートンはまだまだ現役で、
これがあったからの
『モービウス』(2022・未見)のカメオ出演等の
マーベルスーパーヒーロー作品への出演、
公開中止に終わった『バットガール』(2022)と、
翌2023年の『ザ・フラッシュ』で、
ついに本家DCスーパーヒーロー、
かつて演じたバットマン
ブルース・ウェイン役に返り咲いた。
おまけに7月5日に『フェラーリ』を鑑賞した際、
『ルックバック』は原作読んじゃってましたし、
『フェラーリ』は史実を知ってるから、特に驚きはないんですよね…
中々新鮮な驚きは味わえない年齢になってしまいました。
久々のティム・バートン監督作、
『ビートルジュース ビートルジュース』が9月27日に公開と知り、
2024/06/06
ますますのマイケル・キートン大復活に、ひたすら驚くのであった。
おしまい。
公開時期がまん延防止等重点措置と重なったせいか、結局未見に終わりました・・・(悔)。
前の年(2019年・第92回)の「パラサイト 半地下の家族」が、