セカンドの美学「ルパン三世・峰不二子」
BSプレミアム 2019/9/21 ~
ちょっと話がそれるが、
私は子どもの頃から絵がうまかった。
幼稚園時代に「つまんない」とつぶやいたら、
母親に、先日(2019年6月)消滅した、
松原団地D地区郵便局と同じ敷地にある、
集会所(白い真四角屋根)のお絵かき教室に連れて行かれた。
ノムラ先生から、
「好きなものを描きなさい」と言われ、
赤の細マジックペンで、
紙の真ん中に小さなヒヨコを1羽描くと、
「もっと描きなさい」と言われて、
紙を無数の赤いヒヨコで埋め尽くした。
2日目は「運動会の絵を描こう」
画面の片側に、走っている体操服の男性を描くと、
また「他にも描き足そう」と指導され、
反対側にもう一人の男性を、
しかし小さめに描いて、
運動場トラックの遠近感を表現したら、えらく褒められた。
小一の入学したて。
朝自習に小五や小六の上級生が指導に来ていた。
「今日は自由」と言われたので、
自由帳に
↓サンダーバード3号(上)をクレヨンで描いてたら、
指導役の上級生が集まって自分の絵をながめて驚いていた。
高校は県下名門に入学するも、
町の秀才ごときは、国家の天才たちの中にはすっかり埋もれ、
たちまち劣等生に転落。
挽回できるのは美術の時間で、
後に東大に入学するような優秀頭脳の同級生が、
「お前、ホントは頭悪いんちゃうんか!」
とツッコミたくなるぐらい絵がヘタクソで、
人物を描くと、目の上(おでこのあたり)に鼻を描きかねないほどに、
サイテーの空間把握能力と描写力で、
それに比べて自分の絵は抜群にうまかった。
美術の時間だけ、
劣等感に
優越感に浸れた。
校内写生で学生食堂のプレハブを油絵で描いてたら、
学食のおばさんにえらく褒められ、
完成した作品を食堂に請われてプレゼントしたら飾られて、
カツ丼を何日分もおごってもらった。
私は大学が教育学部の中学教員養成課程の美術科、
つまり中学校の美術教員になるために通っていたので、
絵画、彫刻、工芸の基本技能はたたき込まれた。
よって、作品の造形の善し悪しには、
平面、立体を問わず目利きがする。
画のうまい人には、学生時代から惚れ惚れしたが、
へたくそなヤツには、そのセンスの無さにとにかく呆れて、
↓はいだしょうこ(右)や
↓生田絵梨花のように、歌のうまい美人が
↑絵がヘタでもほほ笑ましいが、
絵が下手な人が画業(絵で食っていく)を選んだ場合、
満足に仕事にならないのに、
プロと呼べるのかとイライラする。
作品から受ける第一印象は、永遠に
キライな絵は、何歳になろうがキライなままだ。
今回取りあげる番組は、
なにしろ「セカンドの美学」なので、
自分の大大大大大キライな、
が話題の中心に取りあげられるのか、
それはカンベンだなあと。
実際には、第2シリーズだけではとても成立しないので、
「ルパン三世」漫画/アニメ全史から、
代表作を抽出していたので少し安堵したが、
それでもセカンドの場面が出るたびに萎えた。
もうね、センスがないのよ!
選び取る描線の1本1本に、
「なんでそうやる?」と品がなくてさ。
第2シリーズ第1話の本放送で、
「こりゃアカン」と頭を抱えた40年以上前が思い出されて、
悪夢の時間。
そういえば、はるか昔の
2013年12月3日、
この記事(「ルパン3世」PART2赤ジャケ実写案/いきなりそっくりさん(20))で、
セカンドの作画監督、
北原健雄(※2013年の9月16日没)氏の画力をクサしたら、
大山さんという方が、
かなりていねいに経過を追い、
コメントを重ねて下さった。
大山
アニメ雑誌で北原氏による描き下ろしを何度か見たことがありますが、後半のタッチでした。描き続けてこなれてきた可能性は?
なるほど、客観的に見れば、ご指摘のとおりだと思います。
ただ私の気持ちとしては、同じ絵描きとして北原氏をあまり評価できないというか、いくら不慣れだからって、あの初期設定は、センスが疑われても仕方ない気が……。
ご本人も、当時以来、一切ルパン関連のお声掛かりがないと、関連書でこぼしてましたが、現役時代しか評価がないのは、根本的には本人の手がけた作品(絵)の魅力やパワー、オーラの不足に起因する気がします。
それこそが、プロの世界の厳しさだろうと。
しかしアニメーターとしてとても優秀な方だったのではないでしょうか?ルパン以外の仕事も多いです。
こちらのサイトでは不当に(言いがかりと言える程に)評価が低いと思います。
……あれ?全編この絵柄だったらいいかも、と思っちゃいました。