ミルづくし/2202第11話「デスラーの挑戦!」感想 | アディクトリポート

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宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 4 [Blu-ray]
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今回は、せっかく前回いただいたコメントの再掲から始めます。

 

Doburokutao

純情だったんだなぁ…

 
これまた昔のヤマトの話になりますが…
TV版の2を経て、作を重ねる事に不思議だったのが「デスラー」と「古代」の友情という奴で…
仮にも一星の主であった総統が、一戦闘員となんで好敵手で友情なのかでした。まぁそんなもんか「好敵手」って歌ききながら、そういうお話だからなぁ…と思っておりました.
というわけで、このあたりを何とかしたいから、デスラーは王の称号で次期デスラーさんになるキーマンさんはヤマトに乗り込み男の友情をはぐぐんでるんだなぁ…と勝手に想像して楽しんでいます。
 ちなみに私、TV版の2で奸計でデスラーを追い込もうとするサーベラ―を叱り脱出を助ける大帝のシーンは好きだったりします。
 
Doburokutao氏だけに、
多くの人がふり返らず、
そもそも覚えてすらいない、
作品の細かなひだをていねいに読み取り、
真意をストレートにくみ取っていたんですね。
 
『さらば』での「全部オシマイ」を取り消して、
話は永遠に続ける、と決まったとき、
古代や森雪、ヤマトを存続させるなら、
デスラーも生き延びさせたいと考えたのは、
自分像を重ね合わせた西崎氏でしたね。
 
それからです。
ヤマトキャラの生死に、まるで興味がなくなったのは…。
 
 
 
コメントは、もう一人からもいただきました。
 
JOE
ヤマト2は……
 
2199、2202を含め、ヤマト2以降は無かったことにしている旧ヤマトファンです。
ヤマト2以降のTV版にトホホな印象があるのは、小泉謙三氏が総作画監督であったために作画レベルが低かったせいではないかと思っています。
故ケッダーマンさんに伺ったことがあるのですが、小泉氏の作画力は総じて低いと。かつてケッダーマンさんが編集された「ラポートデラックス・ヤマト大事典」も、小泉氏の下手なアニメーター振りを世に訴えるために作っている、と仰ったのを今でも覚えています。
確かに小泉氏の下手さは、大事典に掲載された原画を見れば目を覆わんばかりで、例えば一見雑に見えても動き出せば宝石のような輝きを放った金田伊功氏の原画とは比べ物にならない雑さでした。
もし、2以降の総作画監督が白土武氏や芦田豊雄氏であったなら、ここまで1と2の落差は無かったのではないかと妄想してしまったりします。(ヤマト3では芦田豊雄氏や高橋信也氏、宇田川一彦氏らのクセがモロに出た総作画監督不在状態だったので、3の絵で2をやっても……という気も無きにしもですが)
 
 
なつかしいなあ、小泉謙三
実はアニメーターとしての名前は71年の「ルパン三世」の頃から見かけました。
 
人を見かけで判断するのはよくないですが、
↓このように、なかなかいかついご面相で、
「こんなクマ五郎に、洗練された絵柄が描けるわけがない」
と、察しがつきましたよ。
 
なにしろ、キャラ表の段階から、
映画『さらば』からテレビ「ヤマト2」への変更は明らかな劣化。
↓ズォーダー
↑サーベラー
↓ゲーニッツ
 
↑ラーゼラー
↓(左)ゴーランド/(右)タラン
↓(左)ミル/(右)ザバイバル
↓バルゼー
 
 
キャラ表だから、まだこの程度なんで、
本編映像の悲惨さは目を覆わんばかり。
変更ってのは改善のためだろうに、
湖川友謙の『さらば』(左)から小泉謙三の「ヤマト2」(右)への変更は改悪ばかり。
 
『さらば』公開当時は、三善英史(みよし・えいじ)を連想させたLGBT系人物、
ミルなんか、極太眉毛に変化して台無し。
カマキリみたいなドレス姿のテレサは、
↓松本零士の原案(中)があったと、ずいぶん後に知った。
とはいえ、
芦田豊雄氏や、
白土武氏って言うのも、賛同はいたしかねますが。
 
というのも、
「勇者ライディーン」(1975)の頃から、
しゃーきん
現サンライズ原形のアニメ群で、
たら
↑ボツ企画「地球奪還指令テラホークス」(1977)↓
たら
安彦良和はキャラもメカもうまい!
こんぶい
女性キャラもカワイイ!「超電磁ロボ コン・バトラーV」(1976)
 
安彦良和の洗練された絵柄が女性ファンを掴み、
かたや虫プロに端を発し、
raki
あしたのジョー(1970〜71)
東映動画
他
魔女っ子メグちゃん(1974〜75)
れいじ
「惑星ロボ ダンガードA(エース)」(1977)
はーけん
花の子ルンルン(1979〜1980)
かお
聖闘士星矢(1986〜89)
motto
東京ムービーを渡り歩いた荒木伸吾/姫野美智らと共に、
1まいえ
すぎの
ベルサイユのばら(1979~80)
もりり
「宇宙伝説ユリシーズ31」(1981)
 
スター作監ブームを確立する中、
arare
「Dr.スランプ アラレちゃん」(1981〜86)
kenn
北斗の拳(1984〜87)
fam
銀河漂流バイファム(1983〜84)
 
ましてや白土氏など、
まったく注目されなかったからだ。
西崎Pは、白土武氏を作画に起用するため、
飲み屋街の狭い路地に高級外車を乗り付けたと言うが、
今なら小学生でも、もっと洗練された絵柄を描けるんじゃないか?
 
西崎Pは、松本零士との折り合いが悪くなり、
ポストヤマト『宇宙空母ブルーノア』(1979)企画段階では、
ヤマトで使いやすかった安彦良和氏を重用。
しかし安彦氏は「ガンダム」に引き抜かれて難を逃れた。
ねこぱんち
 
——と、今日のところは、ここまででカンベンしてね。
 
コメントをいただいた
Doburokutao氏
JOE氏のご両名には、
あらためてお礼申し上げます。
 
ここからがようやく本題。
 

宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち

第11話「デスラーの挑戦!」2018/12/14放送

 
【概要】
デスラーは監視役であるミルを伴い、ヤマトとの戦闘に入る。敵の正体もわからないままミサイルの波状攻撃に曝されたヤマトはワープで逃走するが、異空間へ迷い込んでしまい、デスラー艦隊の追撃に遭う。ヤマトは異空間内にあったアケーリアスの遺跡とデスラー砲のエネルギーを利用して再度ワープを行い、辛くも逃走に成功する。一方、デスラーの真の狙いはヤマトの撃破ではなく、ヤマトとの戦闘を隠れ蓑に異空間を利用してガトランティスの監視から外れることであり、戦闘後にガミラスの旧体制派の艦隊と合流し、ミルを拘束する。
↓ミルの新旧三態そろい踏みが拝めるのは、私のこのブログだけだよ、たぶん。
 
 
劇場版第四章「天命篇」の冒頭でもあり、
構成も作画も気合いが入って緻密だが、
必殺一撃兵器のはずだった波動砲/デスラー砲が、
危機脱出の糸口になると言うパターンは相変わらずで、
「2202」開始以来、
  1. 第十一番惑星の人工太陽との相互作用(第7話)
  2. 古代と雪は、波動砲の命中した惑星内核から弾き出され、救われる。(第9話)
——に続く三度目の「お約束」で、
回顧上映で「笑うとこ」である。
 
さて、ではどうして「2199」「2202」の演出陣は、
危機一髪のお膳立てがヘタクソで、
事態解決の方法が観客に支持共感されないのは、
いったいなぜだと思われますか?
 
私なりの解答はありますが、
一応皆さんの意見もうかがいたいと思いまして。