【臨時】鑑賞から1週間が経過したので不定期公開します。
ふだんはつとめてネタバレ禁止を一貫していますが、
こと本作『ザ・プレデター』に限っては、
記事を全部読んでからご覧になった方が、
より作品を理解でき、楽しめるかも知れません。
『ザ・プレデター』IMAX 3D
2018/9/23 TOHOシネマズ新宿 スクリーン10 F-19
本作鑑賞に至った経緯(いきさつ)は、
この記事(9/23はSW区切りの日【臨時】訃報G・カーツ)に記したが、
ここに転載。
土曜日はDORO☆OFF前に、
『累—かさね—』を観たが、
日曜日は、『ザ・プレデター』を観ることに決めていた。
『プレデター』(1987)
『プレデター2』(1990)
までは見ながら、
2010年の『プレデターズ』は未見だった。
2012/8/26の「日曜洋画劇場」
2014/1/31の「金曜ロードSHOW!」
2015/11/8の「日曜洋画劇場」
のテレビ放映3回ものきなみ見逃し。
ようやく2018/9/21の「金曜ロードSHOW!」で見たこともきっかけだった。
劇場公開から8年も経ち、
テレビ放送も通算4回目となってようやく観た『プレデターズ』は、かなり面白かった。
なのになぜ、
3回もあったテレビ放送を見のがしたのか?
1回目は、
「シルシルミシルさんデー 3時間SP」(18:56 - 21:54)放送のため、通常放送より1時間遅れで放送した。
2回目は、
同日放送される予定だった特別番組『封印された細川家の秘宝 信長59通の手紙を解読せよ』に出演する予定だった細川護熙が東京都知事選挙に出馬したため、急遽放送。
3回目は、
「世界野球プレミア12」日本 vs 韓国の放送延長で当初より125分遅れで放送。
——と、必ず時間遅れか代打放送で、イレギュラーだったためらしい。
でもって、『プレデターズ』に満足。
『エイリアンVSプレデター』(2004)
『AVP2 エイリアンズVS.プレデター』(2006)
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——まで、プレデター映画は全作制覇したぞと、
万全の体制で最新作『ザ・プレデター』に臨んだものの…
私的には満足できず。
前日の『累-かさね-』は眠くならずに見入ったのに、
ほぼ同じ条件で早朝鑑賞の『ザ・プレデター』は、所々でウトウトした。
レビュー公開がのんびりだったのも、
別に急がなくても(IMAXで観なくても)いいやと判断したから。
本ブログはなるべく他では読めない記事をこころがけ、
かといって奇をてらって、
珍説・奇説をぶちまけて耳目(じもく)を集めようとは思わない。
ところが他者のレビューをのぞいてみると、
反論も理解できると断りつつ、
『プレデターズ』を低く、
『ザ・プレデター』を高く評価していて、
「ええっ、そうかなあ?」と首をかしげた。
「おいおい、オレのことかよ?」
との心配はご不要。
私の指摘してるのは一人だけで、
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』(2017)で、
私が印象に残ったキャラは断然、ガモーラの義妹ネビュラだったが、
とはいえ自分だって、レビュー記事でネビュラに言及してないから批判できないが。
その人は、(たしか)ネビュラについての言及ゼロな一方(未確認)、
名前を出されたところで、
鑑賞後も印象が希薄で誰だかさっぱり思い出せない、
ヨンドゥの映画だと宣言していた。
とかいいながら、私もレビュー記事でヨンドゥのビジュアルを用いている…。
もうこうなってくると、
この人と私は、
映画の見方が根本的に異なるらしい。
きっとこの人と映画談義に花を咲かせても、
話や意見感想が食い違い続け、
互いにフラストレーションがたまるだけで、
それだと自分の鑑賞判断の参考にならないので、
ムダな時間を割(さ)いたりしない方がいい。
この例が示すように、
この人が高く評価する『ザ・プレデター』は、
※これはこの人も一応断り書きしてはいるが、
せっかく良くなる要素をたくさん盛り込んでいるのに、
とにかく処理や扱いが雑で乱暴、
素材を生かし切れずに、
劇(激)マズ料理=やっかいな消化不良作に仕上がっている。
鑑賞中に「無秩序と混乱」という言葉が何度頭に浮かんだことか。
よくなるはずだった点を挙げると、
1.プレデターの再定義
プレデターとは肉食獣とか捕食者という意味だから、
本来プレデターは獲物を食べているはず。
しかし実際は狩猟なわけで、
やつらは狩りのプロセスを楽しんでいるだけで、
結果の獲物を食べたりしない。
戦利品として相手の首をかき、
脊柱まで引っこ抜いて、
トロフィーとして施設の壁に飾っている(『プレデター2』)。
エイリアンの頭骨もあり、ここから『エイリアンVSプレデター』企画が派生した。
やつらは戦いに勝つことが第一義で、
剣術、武道などの戦法を有する相手との対決にことさら意欲的である。
今回、種を強化するために戦いを続け、
好敵手の戦法を身につけるため、
DNAを人為的?(プレデター為的)に操作し、取り込んでいると判明。
そして、DNA提供者(地球人)の環境に適応し、
地球に移住することも考えている。
こうして、
これまでプレデター(ハンター)が、
延々と地球人と接触し、
戦ってきた意味が明かされた。
…なんだけど、
これを読まずに映画本編を観ただけで、どれぐらいの観客がそれを理解したのか?
2.失格者こそが合格
『プレデター』は1作目こそシュワ映画で、
あくまでもシュワが主演。
↑『ターミネーター』(1984)
↓『コマンドー』(1985)を引きついでいる。
シュワにはどんな対抗馬もかなわないので、
新手の敵役に、ついに人間ではないものが選ばれたわけだが、
当初はプレデターの姿は映画本編をみるまでわからず、
公開後もヒミツのままだった。
その姿をはっきりさらした、ビリケン商会のソフビは、
版権管理上、ビリケンUSAの商品とされ、日本国内での販売はなかった。
あまりにも克明に、その姿をフィギュア化したのがまずかったのか。
とはいえ、日本国内でも川口のスズキ模型上青木店で売ってたよ。
そもそもプレデターって、
ガントレット(手甲)とか、
各種装備を駆使するところが、忍者とかボバ・フェットが元ネタらしい。
仲間が消息を絶つと、
ただちに近宙域の待機施設から支援隊員が派遣されるなど、
本筋でないところがていねいに作り込まれていて感心した。
『プレデターズ』では、とある別惑星の実験場に人間の強敵候補を集め、
ひたすら必勝の道を探りつつ、
プレデターにも体格の大小で身分格差があることが示された。
とにかく“あの”シュワでも手を焼き、
ダニー・グローヴァーやエイリアンでも歯が立たなそうだった相手に、
エイドリアン・ブロディみたいなヤサ男で立ち向かえるのか?
もっとも、わざとそういう意外性をねらっており、
彼は脱いだら細マッチョだった。
その他、ローレンス・フィッシュバーンだとか、
トファー・グレイス(『スパイダーマン3』のヴェノム=エディ・ブロック)だとかの、
ジャンル作品には有名どころを『プレデターズ』では揃えたので、
『ザ・プレデター』では、
誰やねん?=知名度もなくスター性もない
ケイシー・ブラケット博士役のオリヴィア・マンは、
母親が中国人。学生時代の専攻は日本語で、日本でのモデル活動歴もあり。
本作『ザ・プレデター』で、梶芽衣子みたいなスルドイ目力(めぢから)の彼女だけは、
『X-MEN: アポカリプス』(2016)のサイロックス役で見覚えあり。
+絶対勝てそうにない顔ぶれ、
いわゆる社会的弱者、
すなわち女子供と重病人=精神疾患者があえて選ばれている。
“一応”の(仮)主人公、クイン・マッケナ (ボイド・ホルブルック)の息子、
ローリー(ジェイコブ・トレンブレイ)。
本作のキモは、プレデターと立ち向かうチームが、用済みや使い捨て、廃人扱いだったり、
もっとも頼りなさげな自閉症の少年が、
「地球の戦士として一番優秀なマッケナ」とプレデターに一目置かれているところ。
本作によると、
自閉症やPTSD(心的外傷後ストレス障害)などの社会的不適応は本人がおかしいのではなく、
進化した新人類にストレスを与える旧社会体制が維持されている方がおかしい、
という。
これはなるほど、画期的な新説だった。
だがそういう斬新なコンセプトが観客に明確に伝わりやすいかというと、さにあらず。
もっとていねいに作ってくれれば、
もう少しわかりやすく、伝わりやすい作品になったのにと、
残念な気がしてしまう。
だいたい私だって、Wikiを参照してまとめてるんで、
自分一人じゃ完全理解は不可能でした。
ラストシーンだって、
Wikiを読んで、「ああ、そういうこと」と、やっとわかりましたよ。
(以下ネタバレ・赤字部分/一部編集)
後日、極秘機関スターゲイザーの研究所、地球上で誰よりもプレデターに詳しいローリー少年はケイシー博士とともに研究員として勤めている。
そして眼下の大研究室の真ん中には『フュージティブ』(逃亡犯)の船から『アサシン』(暗殺者)が破壊を企てても未遂に終わった、ある物体が運び込まれている。
物体の中身は「プレデター・キラー」と呼ばれる武器だった。
『アサシン』達=プレデター支配族の地球移住を阻止したい被支配族の『フュージティブ』はぜひとも「プレデター・キラー」を地球人に渡したかったため、いかなる破壊行動も防ぎきっていたのだ。
そんなこんなで、
別途解説を参照しないでも、
一度映画を観ただけで、
内容が完全理解できるように作って欲しかったよ。
次のプレデター=ハンターの敵って言うと、
ヨボヨボの老人しか残っちゃいないようです。
次回作『プレデターVSエクスペンダブルズ
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