最後のランナー(2016) | アディクトリポート

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本日(7/14)公開!

最後のランナー ON WINGS OF EAGLES

2018/6/5 試写にて

 

6/5といえば、1日で3本の試写を観た。

 

午前中の一本目が、

『パンク侍、斬られて候』で、

これには色々と“まいった”が、

出来については送り出す側(宣伝部)もどうやら承知してる感じだったので、

私も頭ごなしにダメ出しなどせず、

わかる人にはわかるように書くにとどめた。

 

出演者を交えた完成披露試写会直後は、

圧倒的肯定(☆5)がほとんど。

そのため、おおっぴらに酷評もためらわれた。

 

すっかりメッキのはげた、

↓今なら言えるけどね。

 

原作者の町田康にしても、

脚本の宮藤官九郎にしても、

監督の石井岳龍にしても、

処女作でなく、数作を経てこのレベルじゃあ、

そもそもその職に向いていたのかさえアヤシイ。

 

「オレはこの道を行く」はその人の勝手だが、

送り手になる立場の責任と適性の判断基準は、

「受け手に苦痛を強(し)いないこと」で、

この観点からすると明らかに不適任、

真のプロ作家とは言い難いのに、

延々とはびこっている似非(えせ)クリエイターが多すぎる。

 

というより、

ほとんどそんなのばかりである。

 

いや、誰のことかは名指ししませんが…。
のろわれた

※写真と本文は関係ありません。

 

とにかく、『パンク侍』に気合いを入れすぎて、

寝落ちせずに見終えると、えらく疲れた。

 

それでも同作を全否定はできず、

寝まくった『ハン・ソロ』より関心が持続して寝なかったのは、

ところどころの押さえが思い出したように効いているからで、

北川景子の存在ももちろん、

「もしかしたら、この先で挽回するかも」というかすかな期待への、

最後の応えどころであるエンディング(いわゆる「オチ」)が、

北野武の『監督・ばんざい!』(2007)を想起させつつ、

はるかに秀逸なしめくくりではあった。

 

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とにかく、次の『最後のランナー』の試写は、午後3時半から六本木。

 

この日は6月初旬にしてはけっこう暑く、

試写室の快適な冷房に、心地良い眠りに誘われ、

気がつけば、上映時間の大半を寝過ごしてしまった。

 

それでも、オープニングから数分と、

中盤にある、タイトルどおりの主人公の疾走シーン。

 

そしてエンディングのほとんどは見たんだが、

なんとも一本調子で盛り上がりに欠け、

これで眠くならない方がどうかしている。

 

↑このシーン、サッパリ見覚えがありません。

 

一応、段階を追って話を進めるために、

イベントが色々と積み重ねられていくんだが、

それがドラマのうねりにつながらず、

サッパリ劇的効果をあげない、

きわめて凡庸な演出。

 

子供達が声援代わりに合唱するんだけど、

その歌声がかすれぎみでヘタクソ。

 

まあ、収容された子供達が、偶然そろって名歌手じゃあわざとらしいんで、

リアリティ追求でヘタウマにしてるのかも知れないが、

こんな中途半端だったら、いっそやらない方がよかったんでは?

 

映画の各部も然(しか)りだが、

全体の総和としてもまた然り。

 

見せ場のはずが、

盛りあがらずにムダづかいされたり、

演出やお膳立ての意図が不明だったりと、

なんでこんな映画を撮ったのか、

その姿勢を大いに疑う。

 

スコット・グリアー(Scott Greer)

とか言う人の劇伴音楽も、

ランディ・エデルマンの亜流っぽくて、

映画と同様、のらりくらりと捉え所がなく、

ある意味作品によく合っていた。

 

2016年作品が、いままで日本公開されなかったのもうなずけてしまう。

 

とにかくこの日は、

『パンク侍』の衝撃の後、

『最後のランナー』も別の意味の衝撃で、

もしかしたら、観る映画がことごとく駄作に見えるのは、

映画のせいじゃなく、

こちらの感性が古くて、

新作についていけなくなっているのかとさえ悩んだ。

 

結局それは、

3本目の素晴らしさで解消されたが。

『2重螺旋の恋人』(公開間際に、また書きます)

 

『最後のランナー』の主演は、ジョセフ・ファインズ

なんといっても、

『恋に落ちたシェイクスピア』(1998)で有名だが、

同年の『エリザベス』でも、

同じような扮装で登場していて驚いた。

 

一時期に出演作が集中し、

その後パッタリ出なくなる俳優って、

コニー・ニールセンとか、

『ミッション・トゥ・マーズ』(2000)

『グラディエーター』(2000)

 

『ワンダーウーマン』(2017)
『ジャスティスリーグ』(2017)

 

サム・ワーシントンとか、

『ターミネーター4』(2009)

『アバター』(2009)

色々いるが、

とにかく、

ジョセフ・ファインズを久々に見たなあ、

ぐらいしか感想のない凡作でした。

 

よほどお時間とお金に余裕のある方が、

ためしに観るなら止めはしません。