一次資料にご用心/『ローグ・ワン』のベイダー3 | アディクトリポート

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『ローグ・ワン』のアメリカ国外用(海外版)の最新トレーラー。

2016/11/10 に公開

色調補正してみたら、
ベイダーの目は赤かった。
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というわけで、ここ(赤目の真相/『ローグ・ワン』のベイダー2)に書いた情報は撤回します。

結局、1作目『スター・ウォーズ』(1977 エピソード4 新たなる希望)のダース・ベイダーの目は赤かったから、
でさ
↑実物より二回りほど小さい、ドンポスト社のベイダーマスクも、初版は目が赤かった。
同時期の『ローグ・ワン』ベイダーも、揃えただけのことでした。

今後も、情報の修正、訂正はありえますので、
決してブログ記事を絶対の確定情報と考えないで下さい。

アゴ下の襟首がボディから浮いているが、
これは、1作目版ベイダーのマスクが、
seikeihin
演者のデビッド・プラウズの下顎のラインに合わせて出っ張り気味で、
よいしょ
その下が一段窪んでいた段差をなくして、
ツライチにした弊害で、
本来のマスク下辺のあるべき位置から、
一段浮き上がっているため。

さて、赤目と言えば、
現在発売中の「映画秘宝」で、


公式書籍に明記されている事実(赤目のスキーゴーグル流用)が無視されながら、
他のどこでも聞いたことのない珍説(白人の肌の色が透けて赤く見えた)が正解と記されていたことに疑問を呈したが、
これまたその舌の根が乾かぬうちから、
今回は、公式、公認書籍だって、
その記述は絶対とはいえないという話。

なぜなら「書籍」と単純にひとまとめにくくれない、
各書物の成立過程というものが別個にあるからだ。

先述の「秘宝」に限らず、
近年のベイダー関連記述では、
ヘルメットは、伊達政宗の黒漆(塗)五枚胴具足の兜を参考にした
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——というのをよく見かけるが、
こんなに具体的かつ詳細に特定したコメントを、
ルーカスからもラルフ・マクォーリーからも聞いたことはなく、
それはジョン・モロからでも同様である

だいたい、日本人だって、
「だて まさむね」
はともかく、
「くろうるしぬり ごまいどう ぐそく」
66321
なんて、知ってましたか?

どこが出典なんだよ?
とチェックすると、
“Magic of Myth”だという。

ああ、この本ね。
みす
買いましたよ。

Star Wars: The Magic of Myth
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でもパラパラめくって、
すぐに読むのをやめてしまった。

なぜなら、記述に根拠希薄だから。

この書の成立過程を振り返ると、
日本で1993年7月30日(金)から9月27日(月)まで、
池袋西武美術館で開催された、
ジョージ・ルーカス展にさかのぼる。

この展覧会は、
翌1994年8月まで、日本数カ所を巡回した。

主催者は、ルーカスフィルムと何年もかけて交渉し、
後から企画した、
「バック・トゥ・ザ・フューチャー展」
とか、
「007展」
の方が先に実現した。

とにかく実物のプロップや模型、コスチュームが展示される巡回展が、
アメリカ本国ではなく、
日本でだったことにアメリカ国民が羨望の眼差しを向け、
基本的に同じものが、
The Art of Star Wars Exhibition
として、アメリカ各地を巡業した。

ルーカス展の図録は、
文藝春秋社から
「ジョージ・ルーカスの大博物館」として
一般書籍としても販売され、

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翻訳版が、
“From Star Wars to Indiana Jones: The Best of the Lucasfilm Archives”
として、 1995/3に発売。

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そこでアメリカの巡回展に合わせ、
新たな図録代わりの書籍を発行することになり、
学芸員(キュレーター)が新たに編纂したのが、
Magic of Mythだった。

学術的なハクをつけ、
これまでにない新情報を盛り込むため、
よりデザインに近い元ネタ候補が特定されたが、
こんなの、後から強引に関連づけされただけで、
本当にベイダーのヘルメットが、
黒漆五枚胴具足の兜を参考にしたわけじゃない。

ところがWikipediaでは、
今回のブログ記事のような、
「私だけが知っている」系の独自研究は相手にされず、
どのような成立過程かを問わず、
文献(一次資料)として発表されたものは、信頼に足る情報とされる。

まあ、経緯だとか成立事情なんて、
知らない限り、文献に頼るしかないから仕方ないとはいえ、
全面的に信頼するのはキケンである。

そういや、
「マツコ&有吉の怒り新党」
2016年8月24日放送回で、
「かっぱえびせんの食べ方に、牛乳をかけるというのがあったはず」
という視聴者の記憶を調査し、
カルビーの証言として、
「サッポロポテトと混同してる」
と結論づけられた。

<記憶調査委員会>記憶「かっぱえびせんに牛乳をかけるCMがあった」

たしかに「CMで牛乳をかけた」のは、サッポロポテトだったんだろう。

しかしカルビーに取材しても、真相には行き着かない。

なぜなら、牛乳をかける食べ方を袋の裏で提案したのは、
いわゆるコピー商品の(おそらくは韓国系)同名商品「かっぱえびせん」だったから。

こんなの、当時(70〜80年代)に、スーパーでカルビー社ではない「かっぱえびせん」が売られているのに驚き、袋の裏の、牛乳をかけて食べるという斬新な提案に二度驚いて、今でもそれを覚えてる人でなけりゃ、真相にたどりつけないじゃないか。

あなたのたどりつけない真相や真実が、まだまだたくさん眠っている。

テレビやWikiを、疑ってかかるように!