これの後編。
なんでもそうだが、
始めはさっぱり見当がつかなくても、
何度も足を運ぶうちに、
だんだんわかってくるもんだ。
横浜ブリキのおもちゃ博物館なんて、
北原照久さんがサンスイートつながり人脈なんで、
それこそ1986年の開館記念パーティーから何度も足を運んだが、
最初は展示品の良さが、
正直わからなかった。
それが何回も通ううちに、
なんとなく、逸品と、そうでないものの見分けがついていく。
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1988年にヨーロッパに行き、
パリで美術館めぐりをしたが、
それ以前に日本の美術館めぐりの経験の蓄積がなかったら、
鑑賞に何倍も時間を取られたのではないか。
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それを考えると、
2012年の「館長庵野秀明 特撮博物館
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は大サービスすぎて、
これでもかとてんこ盛りの展示品の膨大さに、
気がつけば何時間も過ぎていて、
さすがにまいった。
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思えばこれが、庵野、樋口の新作ゴジラへの売り込みとなり、
『ALWAYS 続・三丁目の夕日』(2007)の冒頭で、ゴジラを出して、
さりげなく「ボクにやらせてください」アピールをしていた、
山崎貴監督を結果的に排除し、
その前段として樋口が「進撃」二部作を監督し、
当初予定されていた、
中島哲也監督を排除することにもつながった。
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となると、
「特撮博物館」は、
単に特撮の集大成展覧会、
以上の意味があったわけで、
功罪の「罪」の方も大きい。
……。
また、「それまくった」が、
DORO☆OFF(どろおふ)に話を戻して、
何度も通うとわかってくるもの、
について。
展示卓に乗り切らないほどの、
巨大なブラックボックス。
※画像は、どろぼうひげ氏のブログより。
中を覗(のぞ)くと、壮大なディオラマ(ダイオラマ=情景模型)が!
※画像はこのサイトより。
コンセプトは、
くしくも2009年の「どろおふ」(旧表記)第1回に、
展示された、約1/150スケールの、
どろぼうひげ氏作の反乱軍エコー基地を、
その3倍寸以上の、1/48スケールで再構築。
これを可能にしたのはもちろん。
バンダイの最新キット、
Xウイングと、
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スノースピーダー。
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このブラックボックス作例で、誰でも最初に気がつくのは、
キットでは未発売のはずの、
1/48スケールの、ミレニアム・ファルコン。
ROKUGENさんのフルスクラッチだが、
奥に控えて一方向からしか見えないので、
死角の部分は省略されている。
また、主にピコさんが製作した、
↓兵員輸送艇や、
↑トレッドウェル等のドロイド各種の秀逸な出来ももちろん見ものだが、
これらは最新号のモデルグラフィックスでも、
抜かりなく言及されている。
でもって当然、DORO☆OFFに毎年通い詰めて、
気がついたのは、そこだけじゃない。
ためしに、今年で3回目のDORO☆OFFになる、
大学時代の同科生で、
西新井在住、模型はまったく門外漢のA氏と、
そこからつながって昨年から来場の、A氏の友人B氏、
(こちらは意外や真性の模型オタで、
A氏とB氏の地元、西新井の隣駅、
竹の塚のホビーショップポッポを知っていた)に、
クイズ形式で、私がどこに感心したかを訊くと、
二人とも言い当てた。
もっともこれだけなら、
たまたま3人の意見が偶然一致しただけで、
勘違いってこともある。
そこで、ROKUGENさんに、
「実はあそこが、けっこう気に入ってるんですが…」
と、遠慮がちに伝えたところ、
意外や、工夫の塊だったそうで、
その工法を、ていねいに説明してくれた。
それは、むかって右の、Xウイングの格納区画の壁にある、
電子機器のパネル。
かすかに傾斜角のついた筐体(きょうたい)は、
プラバン(板)の箱組みではなく、
木製ブロックにノコで刻み目をつけたものが芯になっているんだとか。
というわけで、
写真だけからはわからないことを、
作者から直接きけるのが、DORO☆OFFの1つの醍醐味なので、
可能な方は、来年もぜひどうぞ。