訃報・高倉健 | アディクトリポート

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ホントは今日は、
高倉健氏の訃報記事を書くつもりはなかった。

※リンパ腫とのことで、
福島由来の被曝を勘ぐってしまいます。


色々出演作を観てるはずだが、
『野生の証明』(1978)と、
テレビ放映の『幸福の黄色いハンカチ』(1977)
くらいしか、記憶・印象にないからだ。

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『新幹線大爆破』(1975)はテレビで見たけど、全然覚えていない。
高倉健が出てたことさえ。

『南極物語』(1983)もテレビで見たはずだが、全く印象がない。

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実は私は、『ブラック・レイン』(1989)を観ていない。
縁がなかったらしく、今後も観ないんだろう。

近年の『鉄道員(ぽっぽや)』(1999)も、
結局遺作になった、『あなたへ』(2012)も未見。

しかし、ああ、訃報ブログを書かなくちゃ!
と思ったのは、
『鉄道員』と『あなたへ』の間にあった、
単騎、千里を走る。 』(2005)

ここ

は観ていて、
とてもよく覚えているからだ。



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この映画、Wikiでも記述がほとんどなく、
世間的にはすっかり忘れられてるが、
日本部分の監督を降旗康男、
中国部分を張芸謀(チャン・イーモウ)が担当してるんだが、
この中国パートが衝撃!

いわゆる「役者」を起用せず、
ドシロウトがガンガン出て来て、
映画のウソ、ふつうなら恥部として隠すだろ!が、
みじんもない場面のつるべ打ち。
もう目を見開いて、ひたすらビックリして見入ってしまった。

チャン・イーモウは、ホントすごいよ。
映画の常識を覆す、
素朴な生活を描いた、チャン・ツィイーの映画デビュー作、
『初恋のきた道』(1999)も、
(主人公の生業が、欠けた陶器を修繕する職人だから!)

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『単騎、千里を走る。』同様、ほとんど注目されない、
ジェット・リー主演の『HERO』(2002)も、
(冒頭の混乱は前フリで、これとの対比で、後半がとても良い)
観て損はない。

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確信をもって映画を作ってる、世界でも数少ない、
ほんとの映画監督だ。

いかに高倉健ほどの名優だって、
名脚本と名演出がなく、
本人のスターのオーラと演技力だけに頼ったら、
映画はやがて忘れられてしまう。

『鉄道員』の原作者として、がぜん注目を浴びた、
浅田次郎が原作の、他の映画だって、
『椿山課長の七日間』(2002) は、
異様にビンボーくさく、
『地下鉄に乗って』(2006)は、
*タイムスリップの仕組みがいいかげん
*近親相姦ネタが真実味に欠ける
————で、これまた失速。
とどめは2007年の『憑神』(つきがみ)で、
つまらなさに爆睡。
これにこりて、以後、浅田次郎作品にはノータッチ。

作家や作品が、流行り物に堕したら、
それはホンモノの作家とは言えない。

まあ、俳優、高倉健からは話が大きくそれはしたものの、
映画とは、作品とは、という意味では、
けっこう核心を突いてるつもりです。


そんなこんなで、
『単騎、千里を走る。 』を、
強くオススメし、高倉氏への追悼に代えたいと思います。

おい