巡り巡って/幻の機体の謎を追え!〈その2〉 | アディクトリポート

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これ( 幻の機体の謎を追え!〈その1〉)の続きで、
ラルフ・マクォーリーの描いた、
「ギャラクティカ」のバイパー戦闘機の、
↓ボツ案の元ネタを探る。
hu

映画『スター・ウォーズ』(1977)の最終画面には、
片鱗(へんりん)程度しか残らなかったが、

↓有紀蛍(ゆうき・けい)→ヒロインのコスチューム案→トニカ・シスターズ。
yuuki

ハン・ソロは、ハーロックから「宇宙海賊」の肩書きを引き継ぎながら、劇中では単なる「運び屋」
↓パンツ側面の断続ストライプと、
600
↑腰の西部劇風ガンベルトが、かろうじて引き継がれた。

最終作品で、「宇宙戦艦ヤマト」の影響が最も顕著なのは、
↓R2-D2(アートゥ・ディートゥ/アールツー・ディーツー)で、
さん
↑元ネタがアナライザーなのは、一目瞭然。


ラルフ・マクォーリーは、
松本零士のデザインにかなり影響を受けていたのは明らかで、
それは自発的なものではなく、
ジョージ・ルーカスがマクォーリーに手渡した、
資料の束から目についたものだった。

その資料の束の正体〈その1〉は、
零時社が1975年に作った、
↓「宇宙海賊キャプテンハーロック」の企画書で、
まきもの
↑ハーロックの企画書第1弾に掲載された、キャラのイラストは、これと、
これで、たしか全部です。(※当ブログ調べ)

sssss

膝立ちの有紀蛍(右)は、レイアの原形(中)となり、
けい
↑脚本準備稿で「小太り」と描写されたルークの原案と隣り合わせで、後に双子の兄妹関係になる、レイアの原案が描かれているのが興味深い。
ショートカットの髪型、コスチュームの模様、膝から下が描かれていない等、有紀蛍のこのイラストを参考にしたのは明らか。


表紙のハーロックは、ハン・ソロの原形になった。
みし
↑当時のジョージ・ルーカスの風貌を模したハン・ソロの原案は、ハーロック同様にマントを羽織っていた。

しかし、ハーロックの企画書は、
業界内部の流通文書で、
当時は一般の目に触れるはずもなく、
ルーカスがどうしてこれを入手したかは、
今もって不明。

すると、オーガスト・ラゴーニー氏から、
以下の情報をいただいた。

『宇宙大怪獣ドゴラ』(1964)に、
どごら
ダン・ユマ名義で出演した、
ロバート・ダナム氏の証言によれば、

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ダナム氏は1970年代の中頃にルーカスとロスで面会し、
ルーカスはそのつてで、
日本の映画会社を何社か訪れることになった。

スター・ウォーズの特撮をこなせる会社を探すのが目的で、
訪問時期は、1974年か1975年だった。

ダナム氏はルーカスに、日本映画に多数出演した俳優、
ウィリアム・ロス氏を紹介し、
ロス氏は東宝や、それ以外の映画会社を案内した。

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というわけで、この時、ルーカスは日本の映画会社とパイプができた。

東映や円谷プロを訪れたかは明らかになっていないが、
ハーロックの企画書は、
当初はどこが興味を示してくれるかわからないので、
手当たり次第にばらまかれたはずだから、
東宝にも配布されている可能性は濃厚。

そしてルーカスは、この日本の映画会社のパイプを使い、
後になって、松本零士アートを指名して、
めでたく数版にわたる、
激レアな企画書(=業界内流通資料)をゲットしたのだと思われる。

とはいえ松本零士を指名するには、
あらかじめ、その作品を知っている必要がある。

というわけで、ルーカスとマクォーリーが、
松本零士のデザインに触れるきっかけとなった、
資料の束=引用の元ネタ〈その2〉は、
朝日ソノラマの「宇宙戦艦ヤマト大図鑑」で、
287
この本をルーカスが入手したであろう経緯は、
先ほどのラゴーニー氏のリンクに記した。

「大図鑑」の内容の、
↓アナライザーはここから、
06

R2-D2にプチコピペされ、
だい

↓チューバッカのボツ案はここから、
う゛ぇt
2種類の宇宙怪物の要素をニコイチして、
さry
それぞれ引用されたのは、
ご覧のように、誰の目にも明らか。

しかも宇宙怪物2種は、
他のどの「宇宙戦艦ヤマト」関連書籍にも載っていない!

でもって、「大図鑑」のコスモゼロのページが、
ゆゆゆ
マクォーリーの、「孤高のデザイン」に酷似!
とのき
↑先端に並んだ突起、コクピットの位置と形状、機体のフォルムと構造、「大図鑑」では手前の古代機のコクピットで隠れた主翼が省略されている等々、証拠は数知れず。
↓同じコスモゼロの画でも、こちらの2点は、さほど参考にされなかったようです。

03
うyrty

※「ヤマト大図鑑」の大判画像での一覧はこちらで

このように、コスモファルコンの元ネタの元ネタは、

み

コスモゼロだったことが判明。

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「宇宙戦艦ヤマト 2199」(イズブチ巨匠)は、
「スター・ウォーズ」「ギャラクティカ」(マクォーリー)をパクリはしたが、
そもそもマクォーリーは「ヤマト」「ハーロック」(松本零士とスタジオぬえ)
をパクッたんだから、
「パクリ返し」ということになるんだろう。

というわけで、
↓コスモファルコンとコスモゼロは、ウンと元をたどれば、
きた
なんのことはない、同じ機体だったというわけ。

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