宇宙戦艦ヤマト大図鑑(前編)/蒼きヤマトへの憧憬〈15〉 | アディクトリポート

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前回は超絶海外ヤマトサイトを紹介しましたが、さて、では本ブログを元のペースに戻して、ヤマトの各部に分析を加えるべきか、迷いました。

あのサイトは、いわば大発見みたいなもの。
だけど英語が読めないと、わからない部分もある。

一方で、現在のペースでヤマトの各部を分析してたら、サイトの紹介はうんと後回しになってしまいます。

ですけど今後の展開でも、たとえば艦長室やレーダーのところに追加説明の必要が生じてしまったように、
↓表紙から数えて11番めのビジュアルですが、艦長室脇のレーダーに注目!
オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-528
↓それを拡大したもの。
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-385
↑レーダーを前方に90度ひねっただけでなく、横に寝そべっている!
ヤマトにも部分的とはいえ、戦闘モードの変形機構があったってわけだ!

まずは必要な情報を紹介してからの方が、説明もムダが無く、はかどる気がするわけです。

というわけで、今回は個人的にも念願だった「宇宙戦艦ヤマト大図鑑」について。
オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-287

いやあ、こんなに早く、これを紹介できる日が来るなんて思いませんでしたよ。
今、この本たしか、3万円ぐらいしますからね。

思えばDVDヤマトについて、ミクシィにちょっと書いたら、
「エラソーなことは、『ヤマト大図鑑』を見てから言え!」
と、※ある方からお叱りの言葉を受けて、くやしい思いをした、遠いあの日……(2007年末頃)。
※以前から別件での知り合いだった、雑誌編集を本業にする人でした。

その言いぐさに「はあ? 持ち物自慢かよっ!」と呆れもしたし、別に「ヤマト大図鑑」を今回全部閲覧したって、私が言いたいことの主旨は変わらないんだけどなあ。

まあ、いかにも日本のマニアの非建設的で狭量な秘匿主義と、アメリカのそれのオープンな姿勢が対称的で面白い。

ネットが世界標準で良かったよ!
ついでに英語が読めて、なおさら良かったぜっ!

で、今回閲覧できて思い知った、「大図鑑」のすごいところのまず第一点は、
著者がスタジオぬえってことです。

「ヤマト」の再放送人気でアニメブームが来て、関連書籍の体制が確立された1976年以降は、ぬえの作品をまとめた本はあっても、著者がぬえ自身ってことは、まずありえなくなった。

仕事の棲み分けができあがって、本はライターとか編プロとかが作るし、その際にはアニメの設定資料や本編画面の再利用でしのぎ、新規イラストなんて1点かそこらがいいとこだった。

というわけで、ほぼ全編描き起こしイラストで構成されて、本編画面、つまりセル画は何カットか拝借しているが、こと設定資料に関しては、ただの1枚も流用せずに作られたこの本、大図鑑の名に恥じない気概にあふれたものなのだ。
たった36ページ、当時価格600円だけどね。(1974年12月発行)

では順番に、中身を見ていきましょう。

表紙裏口絵
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-02
↑作画は史上初の事実上のメカ作監、泉口薫……でしょうが、劇中画面ではなく、この図鑑のための描き下ろしで、そう判定する根拠は、先端の旗竿(?=戦艦大和ではその役目)が描き込まれているから。
とにかく庵野監督が、このヤマトのスタイル再現を目指しただけのことはある、理想のプロポーションを描いた名画。

トビラの2色カラー口絵と青ページ
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-03
↑(左)このアングルからのヤマトのイラストは、他では見た覚えがありません。
(右)没キャラのキャプテンハーロック(これが現在の復刻や画像公開を阻む一因となっている)も健在。
作画はメインの岡迫亘弘(おかせこのぶひろ)がこの時期入院中だったため、その虫プロチックな絵柄を模して、芦田豊雄が担当。間違っても殺伐吊り目系の白戸武っぽくないのがポイント高い! 

見開きカラーページ
オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-04
↑「ああ、これね!」とわかる人にはわかるビジュアル。
↓増永計一が近年(たぶん2009年)に描き直し、下敷き(商品名:「宇宙戦艦ヤマト」 下敷 ヤマト発進 発売元:有限会社 アニメワールドスター)として商品化されてるし、
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-299
↓オフィシャルファクトファイルの創刊号(2010年2月)にも、やはり同じ図案が復活!
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-254
なんで立て続けに似た図柄が繰り返されたのか謎だったけど、つまりは2点とも、「大図鑑」へのオマージュだったわけね。

次の見開き2色カラー
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-05
「日本沈没」(1973)「ノストラダムスの大予言」(1974)等の終末思想に基づく邦画や、「ポセイドン・アドベンチャー」(1972)「大地震」(1974)などのパニック映画に代表される、時代の滅亡観を色濃く反映した、悲観的なビジュアル。

ヤマトクルーの紹介
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-06
↑白戸武の描く森雪は、かなしいくらいに昭和の日本人女性のプロポーションですね。

ヤマト航路図
オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-07
前ページの野暮ったい森雪とは異なり、思い切りエロい、イスカンダルのスターシャ。

ヤマトの艦載機と武器一覧
オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-10
↑武器群は本書のための描き下ろしのセル画!(古代は劇中からの流用)……ですよね?

ヤマト各部の図説
オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-11
↑サイトで英訳したままになっていた。
曖昧さのない、鮮明かつ詳細な各部描写が小気味よい。

中央直前
オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-17
オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-16
オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-12
敵の総統デスラーと、彼のガミラス帝国の様相。

ここで少し顔をのぞかせている、青いページが、ヤマトの内部図解の決定版。

……と、いいところまで来たところで、中編につづく。

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