芥川賞に寄せて・2013新春(1) | アディクトリポート

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今回取り上げるのは、この話題
(無断転載/一部編集)

芥川賞に黒田夏子さん「abさんご」…最年長

$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-cdesdew

 第148回芥川賞・直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が16日夜、東京・築地の新喜楽で開かれ、芥川賞に黒田夏子さん(75)の「abさんご」(早稲田文学5号)が決まった。

 75歳での同賞受賞は、1974年の森敦さんの「月山」の61歳11か月を更新し、史上最高齢記録。直木賞には朝井リョウさん(23)の「何者」(新潮社)と安部龍太郎さん(57)の「等伯」(日本経済新聞出版社)が選ばれた。朝井さんの直木賞受賞は男性最年少で、平成生まれで初の受賞。

          ◇

 黒田さんは、東京生まれ。早大教育学部国語国文科卒。教員や校正者などの傍ら執筆を続けた。63年、「毬(まり)」で読売短編小説賞入選。「abさんご」で昨年、早稲田文学新人賞を受賞、同作が芥川賞候補入りした。

 受賞作は、「昭和」の家庭に育った一人の子供の半生を描く、横書きの断章形式の作品。固有名詞や片仮名を排し、平仮名を多用した独創的な文体で記憶の断片を積み重ねる。横書き小説の芥川賞受賞も初めて。

 堀江敏幸選考委員は、黒田作品について、「平仮名の横書きによる違和感で立ち止まらせる手法が洗練され、みずみずしい作品」と論評、選考会では年齢に関する議論は出ず、「新人賞と年齢は無関係」と語った。

(2013年1月16日18時51分 読売新聞)


この件について受賞たちまち書かなかったのは、(色々な記事が各タイミングで割り込んだこともあったが)判断材料に乏しかったからで、黒田氏本人が19日の「王様のブランチ」に出演して語ったことと、翌20日の「情熱大陸」での、以前の受賞者、田中慎弥氏の発言で、ほぼ手がかりが出そろったので、該当作を読むまでもなく、ここに持論を表明しておきたい。

※もっとも放送からわずか10日で、全くこの話題が廃(すた)れてるところに、問題の本質が現れてる気もするが、それはともかく、

結論から言うと、
また一つ、ゴミが増えただけ。

というのも、黒田氏が語ったことごとくが、いかにも個人作家が陥りやすい、「作家かくあるべし」と言う、間違った型にハマってしまっていたから。

ただしこういう作品を書けば、芥川賞をとりやすいのは確かで、だからこそ受賞したわけだが、それが本当にめでたい事だったのかどうか…

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各論の前に、
前段となる芥川賞について。

芥川賞は、年2回発表される
新人作家による発表済みの短編・中編作品が対象となり、選考委員の合議によって受賞作が決定される。


1年に2回。
半年に1回。
そんなにボコボコ、新たな才能が見出されたりするもんだろうか?

前の選考委員の石原慎太郎は、しょっちゅう、
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-rou
「今回は(該当者)無しでいいんじゃない?」と提案し、理由として「読む者の心を打つところが何もない」とか、「創作動機や目的がつかめない」という旨の説明を加えていた

そして実際に私自身が受賞作を読んで「ダメだこりゃ」と感じた後で、石原氏の選評を読めば、「わかってんじゃん」と溜飲を下げた。

他の選考委員だって諸手を挙げて賛成というわけでもないのに、電車の中吊り広告には、かろうじて拾えた褒め言葉が、そこだけコピペされるという、
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-バカ
詐欺まがいの宣伝が横行していた

これが2009年のことで、石原氏はちょうど今から1年前の、田中慎弥氏(写真中央)の受賞までは、選考委員に名を連ねていたが、
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-sannninn
現在は退いている。

選考委員とは別に、文藝春秋社側の重鎮も君臨していて、
「わしの目が黒いうちは」的に目を光らせ、
その人が首を縦に振らない作品は、受賞することはないらしい。

裏を返せば、たとえ石原氏クラスの選考委員がノーと言っても、
この人がイエスと言えば受賞してしまうわけで、その積み重ねが近年の惨状に繋がっている。

石原氏の退任で、この傾向に、一層拍車がかかったのではないか。

〈事例その1〉
別の出版社の例だが、
女性誌の恒例の特集で、「抱かれたい男」のベストワンが常にキムタクで、
福山雅治が万年2位に甘んじているのは、
そもそもこの企画を立ち上げた女性編集長が、そこだけは絶対に譲る気がないからだとウワサされている。
※ホントかどうかは知りませんし、この件に関して責任は負いませんので悪しからず。

かれこれ2004~2005年頃、つまりネットが一般普及、浸透したあたりから、もはやこういう、
出版社や雑誌の私物化が、まかり通るような時代じゃなくなってる
はずなんだが、そう思えないし、時代や世情に合わせて、自分の方を変えるという選択肢が全く思い浮かばない人たちが、化石のような行為をくり返してるのが、芥川賞なわけでして。

$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-ぶんげい

ネット以前の時代には、出版社は印刷という武器があれば、広告収入が入り、それで大きな社屋が建ち、社員も高い給料にありつけた。
そして、あたかもその社屋専門のような駅からの往復だけで毎日が終わって、

↓株式会社文藝春秋(赤枠内)は、東京メトロ有楽町線「麹町」駅の1・2番出口から徒歩3分
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-bhiuzu

特に問題もなく安泰だった。

これが当たり前になってしまうと、社屋の中で「企(たくら)んだ」ことを、自社の出版物で実行(=俗に言う「しかける」)しさえすれば、それで物事は自然と運んで行くと勘違いしてしまう。

ここで重要なのは、根拠もなく、「これで行けるだろ」と決めたことが、正しかろうが間違っていようが、経済効果は同じだったこと。

つまりネット以前の「広告宣伝媒体を印刷物に頼らざるを得ない」状況では、記事内容の善し悪しにかかわらず、定期的に発行されている雑誌は、「まともに決まってる」とみなされて、内容がどうであろうが広告をもらえた。

これが「驕(おご)り」を生み、記事は全て正義、正論、まともで正常と勘違いしてしまった。

〈事例その2〉
これまた別の大手出版社での話。
30代半ばから40代あたりの女性編集者が、
記事の提案を、その記事に関連する会社に打診する電話。
口調は一応ていねいだが
色よい返事がもらえないと、電話を切ってから、
良識ある社会人とは思えない口汚さで激しく罵る。


ハタから見れば、「んなわけねえだろ!」と、いかにその社内常識が社会的非常識なのかに、たちどころに気づけるが、出版社の社内に身を置く限り、全くそれに気づけない。

そして沈み行く船と、運命を共にしてしまう。

$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-mkjn

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とにかく、終わってる。

なので、今日はここまでで終わり。

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