IPPONグランプリ/優良番組選定委員会(3) | アディクトリポート

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IPPON グランプリ
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-ippon
(第8回 2012年11月17日放送) 

一応、知らない人のために番組の内容を記しておくと、

『IPPON グランプリ』は、「お台場笑おう会」なる団体が、大喜利が大好きな芸人たちを招待して、誰が面白いかを競い合うパーティー。

大会チェアマンは、松本人志。
作家集団Addictoe オフィシャルブログ-hitosi

ルールは、Aブロック、Bブロック5人ずつに分かれ、まずはAブロックが大喜利バトルをしていく。
その審査は8ブロックの芸人が行い、面白いと思ったら手元のボタンを押す。
ボタンは1人2個あり、全員が2個押して合計10点満点を獲得すると<一本>となる。
各ブロックにお題は3問出され、1問につき10分の制限時間内に何本<一本>が取れるか、<一本>が取れた合計本数が1番多いプレイヤーが決勝進出者となる。
Aブロックが終了したら、Bブロックと入れ替わり大喜利を行う。
最後に両ブロックの決勝進出者2人が戦い、グランプリを決定する。

かたせ梨乃、ローラ、そしてロンドンオリンピック・ボクシングバンタム級・銅メダリストの清水聡ら、豪華観覧ゲストも招待。

今回、初登場となるのは、秋山竜次(ロバート)、カンニング竹山、後藤輝基(フットボールアワー)。
さらに、芸人1,155名が番組の出場権を賭けて争った『IPPONスカウト』の優勝者(もう中学生)を加え、
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-もうちゅう
大喜利バトルは大いに白熱!

前回優勝者の千原ジュニア、
作家集団Addictoe オフィシャルブログ-chihara
過去3回の優勝経験を誇る絶対王者
作家集団Addictoe オフィシャルブログ-rizumu
バカリズムの戦いぶりにも注目が集まる。
果たして、実力伯仲の今大会を制するのは!?


私はこれまでの7回は、放送分を流し見していた程度で、たぶんに冷笑的だった。
というのも、その場の流れで、実力と無関係に勝負が変わってきてしまうから。

そもそもの企画の趣旨に沿ってたのは、なんといってもバカリズムで、だからこそ最多優勝を誇っている。
今回、同じ路線で競っては、必ず負けていた有吉が出場せず、
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-あり
番組が完全に変質したことを如実に示していた。

バカリズム、有吉路線で、今も実力で勝負しているのは誰かというと、
事前にお題に答えて応募を済ませている一般視聴者で、コツをつかんで何度も取り上げられてる人もいる。

だけど回を重ねて、バカリズム路線はさすがに飽きられてしまった。
今回も回答数では多いのに、なかなか1本が決まらない。

前回優勝者の千原ジュニアも、お題に正当に取り組みながら、バカリズムとは別の解答を導き出す王道タイプだったが、今回は嫌われて、なかなか一本が決まらなかった。
バナナマンの設楽も、今回は自分に流れが来ていないのを早々と読み取って、撃つ弾数が少なかった。

「毛色が変わった回答者(と優勝者)が見たい」という潜在的な欲求を踏み台にのし上がってきたのはホリケンで、別に「IPPONグランプリ」とか「大喜利」と無関係に、破壊的で脈略のない、いつものホリケンワールドを持ち込んだだけ。
なんだけど、その作戦が功を奏して優勝した回は、流れが完全に彼に来ていた。

今回の敗者復活「もう中」は、ホリケンのスタイルを参考にしていて、その意味では今回一番おもしろかった(笑えた)けど、それを認めてもらえる流れじゃなかった。
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-hori
で、もう一人、自分のスタイルを持ち込むタイプがロバートの秋山で、キングオブコントの時と同じ、ネタ自体ではなく、秋山という人間の奇妙なおかしさで勝負しただけ。
彼がもしも視聴者同様に投稿で勝負したら、まず採用されないような答を、言い方でおかしく見せただけだから、ある意味ホリケン同様の反則技といえる。

回ごとにこんなに流れがバラバラじゃ、本来の大喜利の意義は失われちゃう(=練習して本番に臨んでも意味がない)わけで、ここでも(キングオブコントと同様に)芸人同士で審査し合うという、内輪ウケの危険性が露呈してしまっていて、このまま続けても迷走するだけだなあ、と思ってた。

最後の最後までは。

そしたらローラが、
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-ろーら
「松本さーん、今度いつか私も参加したい!」
と言いだした。

すげーよ、こいつ!

1回だけ、招待選手で出すべきだね。

でないと毎回、彼女が優勝しちゃうよ。

というわけで、番組の決定的転機の瞬間に立ち会ったという意味で、たいへん意義ある第8回といえた。

おしまい。